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17 とある男爵令嬢の逃亡

偽証してサラを陥れた女友達のその後の話です


・・・この後、彼女はなぜか修道院にはたどり着けませんでした


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<ガラガラガラ>


馬車の窓から見えるのは不毛の土地ばかり


本当に辺境ね


さびれた景色が続くのに退屈してきましたわ





「はあっ」


思わずため息が出ました




なんでこんなことになったのでしょう?


まあ貴族間の足の引っぱり合い?政争に負けたわけですけどね(苦笑)









事の発端はうちのバカ王子が平民出の娘に惚れたことですわ


娘は魔法が使えるので多分、どこかの貴族の殿方が平民に手を出したのでしょう




まあどこにでもある、よくある話ですわ(苦笑)





普通なら一番疑わしい貴族が貧乏くじを引いて養子にするか、猶子にするか、そんな感じです





今回は心当たりが多すぎたそうですわ


これだから貴族の男どもは・・・





結局は某男爵家が貧乏くじを引きました


・・・御愁傷様ですわね


いえ、自業自得?




年齢が年齢なので貴族としての教育もそこそこに学園に入りましたわね


おかげでマナーの悪いこと悪いこと(苦笑)






まあ、顔だけは綺麗なのでガマンしようとか学園の殿方達は言っていましたわね


あと身体もボンキュボンだとか


・・・殿方って本当にバカですわね





そんなバカな娘に見事に引っかかる王子様もおバカです




もっともそんな王子様の口車に乗った我が家もバカですけどね





もちろんわたくしは止めようと言ったのですよ?


お友達のサラをおとしめるわけですから・・・





でもお父様が王子様に従うように、つまり婚約者の悪事の証人になるようにと命じました


貴族家において家長の決定は絶対です


だから泣く泣く他の者の尻馬に乗って学園の断罪イベントで偽証しましたわ(涙)






その後我が家は、ウハウハのガッポガッポでした(笑)


なんといっても王子からの覚えがめでたい家なのです


社交界でも商人達からも引き手数多の優良株になりました






黙っていても舞踏会やお茶会の招待状が届く


商人からはお金やお酒、洋服や宝石などの賄賂が届く


我が家始まって以来のバブルでしたわね(笑)





でもサラが帰ってきてからは状況が一変です


一気に戦犯扱いです(涙)




おかげで我が家は見事に没落しました


そんなわけですべての原因がわたしにあることにされて辺境の修道院送りになりました





我が国の修道院にはいくつか種類があります


わたくしが送られるのは貴族の娘が不祥事を起こした際に送られる言わば監獄です





ほんとロクでもない人生でしたわ(涙)

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