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161 ウオリック兄弟(その15)

兄のヒューイット目線です


人を嵌めるのはなぜこんなに楽しいんでしょう


もっともその道具とされているヒューイット達兄弟はたまったものではないんですけどね


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「できました」


そう言って盗られた物リストを子爵家の執事様に提出した




「・・・いいでしょう」


リストを端から端までじっくり見た後に執事様はそう言った




<<は~>>


兄弟そろって内心でため息をついたのは内緒だ



なにせ提出するたびに駄目出しされたからな


おかげで再提出3回目にしてようやく完成した





・・・子爵家の有能な執事様と同じレベルの仕事を平民に求めるなと言いたい


身分差があるから言えないんだけどな





だからといって執事様が酷いってことではない


なにせ今回盗品を調べるのに使った備忘録は執事様の仕込みだからだ





あれは子爵夫人の夜のおもちゃに何度かなった時のことだった


男爵家に帰るために客間で待機していたら執事様が部屋に来て手帳を渡してきたんだ





「使うといい」


そういって俺達兄弟一人づつに上着の内ポケットに入る大きさの黒革の手帳を渡してきた


要は日々あったこととか貰ったものとか書くと良い


そう言われた





男爵家では使用人達から嫌われていたから弟と一緒に感動していたら


「日記とは後に読まれることを想定して書くものだ」


と言われた


・・・俺達兄弟の感動を返せ!、と言いたい





まあ何を企んでいるのか判らないし、何ができるのかも判らないんだが、ここで拒否する選択肢はなかった


あちらは子爵家の執事様


こちらはただの平民兄弟


そういうことだ





まあそんなわけで貰った手帳に日記やら備忘録やら書きまくったわけだ






・・・文字を教えて貰った直後だから勉強も兼ねていたというのもある


慣れてくると結構楽しいんだよ


日記を書くこと




なお執事様の忠告に従ってお貴族様を褒める言葉は書いても悪口は書かなかった


まあその分、男爵家の使用人からの嫌がらせはしっかり書いたけどな





それが今回役に立った


そういうこと




執事様は最初っから嵌めるために日記を勧めたのではないかと思っている






だって


「ふっふっふっ、これで奴らを叩きのめすことができる」


と目の前で壊れているからな





どうやら男爵家の使用人達とひと悶着あったようだ


それもかなり迷惑を掛けられてきたようだ



おかげでダークな部分がだいぶ漏れていた




・・・御愁傷様?



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黒革の手帳はリアルでも有効ですよ?


日付けも書いておくと証拠として十分です


苛められっ子にはおすすめです

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