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148 ウオリック兄弟(その3)

金貸し兄弟の兄目線です


過去編ですね


貴族くそやろうなんてナニされても当然ですね


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昼間は使用人達から虐められ、夜は男爵夫人に寝室に呼ばれるという地獄のような日々が続いた


数年たった頃、オレ達兄弟の身体はわりと大きくなっていた




まあろくなものを食べていないのでガリガリだったんだがな




でもある程度大きくなると男爵家を訪ねる貴族達に目を付けられるようになった


「おや、見目よい使用人を雇っているな(ますわね)」




かなり好意的だったな




その時の男爵夫人は得意げな顔をしていた


まあ待遇は相変わらずだったがな





そんな訳でこの頃は他のお貴族様にペット代わりに可愛がられた





「あら綺麗ね、ちょっとここに座りない、これをお食べ」


そう言って菓子を勧められることが多かった


食べている所を見てコロコロ笑われたが、おかげで十分な栄養を得ることができた





まあ言ってはなんだが下手な貴族よりも綺麗だったからな


おかげで令嬢や夫人からは好かれた





その分子息達からは陰で蹴られたりした


「生意気なんだよ!」


・・・言葉をそっくりそのまま返したい





好意的な貴族が増えるに従いそれなりの服を与えられた


おかげでよけいに好かれるようになった




それまでは自分達の容姿が綺麗というのに嫌悪していた


だがある時、気が付いた


積極的に使ってみよう





「おひさしぶりです」


そう言ってニッコリ笑うだけでお茶会に来た夫人達からの好感度が上がった




椅子から立ち上がる時に手を差し伸べた


「お手をどうぞ」


子供が背伸びしている所が良いと評判になった





顔が良いというだけで何をやっても喜ばれたがそこで満足はしなかった





いつもより口数が少なければ


「如何しましたか?」


と声をかけ


「わたくしではお力になれませんが、聞くだけならなんとかなります」


と話を引き出した





そして


「お辛かったでしょう」


と手を握った


・・・子供であることをフル活用したと言う訳だ






そうしているうちに話題になった


毛色の良い愛玩動物がいる




貴族なんて新しいものに飢えている


そこに珍しいおれたちきょうだいが現れた


好まれないはずがなかった





当然のことながら


「譲って欲しい」


との話が出来てきた


もちろん男爵夫人は断った


自分が見つけ出した夜のおもちゃなんだから当然だ





もちろん俺達兄弟も


「今まで御世話になった恩がありますので・・・」


と口添えをした





爵位が上の貴族には逆らえない


だがオレ達本人が望んでいなければ無粋


そういうことだ





もっとも


「いずれは・・・」


と含みを持たせることしておいた



もしもの時の逃げ場は確保しないと、だよな




おかげ?で贈り物をされるようになった


タイピンやらカフスボタンといった小物だ





洋服は流石にマズイからな


貴方の所は使用人に服も用意できませんの?


と喧嘩を売るようなものだからだ




贈り物は自分のモノにして良いと言われたのは嬉しかった


使用人が好まれて上位の貴族から贈り物をされるというのは一種のステータスだ


それだけ有能な人材を持っていますよ、ということだ





もちろん貰ったらすぐに付けた


次のお茶会で付けてお礼を言った


他の貴族にマウントできる材料にできるからな





そこまで気を使ったので好まれた


誰もかれもから物を貰えた





しばらく時間がたってから付けていって


「お気に入りなんです」


とも言ったな



好感度が上がりまくった




ここまで行くとオレ達兄弟の地位も上がっていた


だから反撃にでることにした

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