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132 ヘッドアッシュ劇場(その10)

スワンプラット男爵目線です


今回、大地の歌商会の副会長からとんでもないことを聞かされます


御愁傷様?


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「信じられないことですがバード殿は(スワンプラット)男爵と(ヘッドアッシュ)伯爵の方が権力を盾に無法をしていると言っているそうです」


大地の歌商会のリカルド殿が言った




リカルド殿は平民の偽装をしているが実際は男爵の庶子である


その身分を隠しているのが今回の一件の逆転の鍵である


大事な目撃者であるとともに、謀略の一端を担う実行者でもある





そんな人間リカルドどのから話があるとのことだったのだがあまりにも非常識すぎて話しについていけなかった




は?


伯爵の招聘した商会の人間が襲われたんだよな?


その時の証人リカルドどの証拠はんにんもがっちり確保済みだぞ?


それなのに権力でねつ造しているとか頭がおかしいとしか思えない



そう言ったスワンプラット男爵わたしは間違っていないはずである




うんうん


リカルド殿も肯いていた




あまりの頭の悪さ、いや愚かさに男爵わたしはめまいがした









ここでちょっと現状を説明しよう




スワンプラット男爵領というのは僻地である


当然のことながら王都にいる貴族の動向をリアルタイムで知るのは難しい


大抵は数カ月たってから寄り親の子爵経由で知らされる


たとえば税の納入だとか、新年のあいさつだとかに、である





もっとも最近では大地の歌商会経由で話しが来ることが多い


なにせ農業というのはただ作物の種を蒔いて終わりというわけではない




土を掘り起こす鍬


雑草を刈る鎌


が必要になる




また働かせているスラムの人間を食わせるために食料が必要になる


育てている作物が食べられるようになるのには時間がかかる


その間に食べるものは他から持ってくるしかないのである





あと、食事をするためや、雨が降ったら待機するための小屋も必要になる


それには大量の木材が必要だ


あと風呂の薪も以下同文だ





それらは他から運んでこなければならない


そうすると商人が行き来きするようになる


その時ついでに情報も持ってきたりするのは当然だ





まあ動く人間が庶民であることから大抵は庶民やら商会がらみの情報ねたである


貴族関係は少ない


いやほとんどないと言って良いだろう


よほど大きな醜聞とかがないかぎ話題にあがらない






でも人が動くということは手紙を運ぶことでもある


つまりは貴族の情報を得られる人間がいれば、手紙を送り知らせることができるということである


もっとも男爵うちではなくて大地の歌商会が受け取ったんだがな




まあそんな訳で今現在迷惑をかけにきているマクフィアンナ子爵の内情を知らされたわけであるが


・・・知りたくなかった


正直な感想だ




自分達が悪いのにこちらを悪者にしていた





ここまで頭がおかしいと、もはや言葉がない


一体どうやったらそんなことになるのか説明して欲しい




いや、誰か代ってくれないかな


心の底から思った





蛇足だが、どんなコネがあれば貴族の情報が元スラムの人間が始めた商会にくるのかと言いたい


非常に言いたい


寄り親経由の貴族わたしよりも早く情報を手に入れるとかは絶対におかしいと声を大にして言いたい





・・・いや、やっぱりいいや


知らない方が良さそうだ


人間知らない方が幸せなこともあるって思う








































父上はこんな貴族社会に嫌気がさしたので私に早々に家督を譲ったというのは邪推であろうか?

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