130 ヘッドアッシュ劇場(その8)
スワンプラット男爵目線です
今回は村に視察に来ています
--------------------------------------------------------------
「なかなか凄い風景だな」
ヘッドアッシュ伯爵が感嘆していた
まあ目の前に見渡すかぎりの草原があれば誰でもそう思うだろう
それが少し前は不毛の土地だったとなれば当然だ
おまけにここが成功したら伯爵領でも同じことが起こるのだ
儲けが出ると判っているのだから嬉しがるのも当然といえた
・・・もっとも嬉しがっているのは伯爵様だけだ
強制的にお伴をさせられている男爵と大地の歌商会の会長と副会長は自分の仕事をほっぽり出しているからいい迷惑だ
実は伯爵様に釘をさされている
なにもするな、と
子爵庶子はなにもしなくても自爆する
せいぜい勝手に踊って貰おう
そう言うことだった
人を責めることはできる
でもトラブルを治めることができる人間は少ない
いやほとんどいない
子爵庶子もその他大勢だ
だから相手のレベルに落ちてまで相手をする必要はない
塩対応で十分だ
あとは勝手に自滅するだろう
いや楽しみだな
とは伯爵様の言
・・・大地の歌商会の会長ともども震えあがった
結構暑い季節なのに本当に寒さで震えた




