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126 ヘッドアッシュ劇場(その4)

いきなり乱入してきたヘッドアッシュ伯爵様目線です


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ふーっ


煙を吐きだした



やっぱり旅人の葉はいいな


頭がすっきりする




旅人の葉をパイプにつめて吸っているとスワンプラット男爵とマクフィアンナ子爵の庶子がこっちを見ていた





「ん?どうした?続けてくれてかまわんぞ?」


そう言ったが子爵庶子は困惑したままだった




おいおい元気がないな


なにやら男爵に文句があってきたんだろ?


伯爵わたしに構わず続けてくれたまえ


そう言ったのだが何も言わずに座っているだけだった





さすがに伯爵じょういしゃを前に理不尽な要求はできないわな


伯爵じぶんが来る前にやっていた横柄な態度を男爵にやってくれたら話は早かったんだがそこまでバカではなかったようだった





実に残念だ


向かってきたら叩き潰してやろうと思ったのだがな




でも手加減はしないぞ


元々そのつもりで男爵領こんなへんぴなところまで来たのだからな


いや正確には来させられた、だ





あれは1週間くらい前のことだった


王都の伯爵邸で一生懸命に書類作業ざつようをしていたら早馬で連絡が来た


新しい農法を試すために男爵領に向かっていた大地の歌商会の一行が襲われた、と




とりあえずアッシュ子爵に丸投げした


妹の旦那である子爵は自領で領地管理をしつつ配下の男爵をまとめているからな


その流れでまかせておけば十分だろう


そう思っていた




ところが手配したその日の夜、ベッドに入って気が付いた


だめじゃないか!




敵の黒幕は誰か知らないがこっちの動向はしっかり知っているというのにこっちはまるっきり知らないんだ


この危険な状況に気が付かないとは!


ちょっと前の自分を殴りたくなった




まあそんなわけでいそいで仕事を調整して男爵領に向かったというわけだ




もっとも男爵領につくとちょっと冷静になった


なにせこの近くには伯爵じぶんよりも上の人間がいないことに気が付いたからだ




騒動が起こった場所で最高の権力者


負ける要素がまったくないよな!





そして今現在、のんびり神様気分で、旅人の葉をパイプを吸いながら子爵対男爵の戦いを観戦だ


もしも自分の手下の男爵が負けそうなら代わりに相手をしてやろう


そうなったら精々覚悟するがいい




<スパーッ>


ああ、パイプが美味いな




おや、子爵の庶子の顔色が悪いぞ?


ようやく大地の歌商会の契約相手が伯爵家なのに気が付きでもしたか?

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