113 農業をしにいこう!(その12)
大地の歌商会に潜入中のスパイの話です
魔女はサード達を信じていません
いや仕事はすると信用はしているけど信頼はしていないです
だからスパイを送ります
・・・リアルの会社で上司になったらスパイを仕込む事をお勧めします
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目の前には肥え溜めがある
その色はほぼ茶色
スラムの人間の愚かさにはため息がでる
人がすっぽり入るほどの肥え溜めにコップ一杯ほどの去年モノのクソを入れる
それでクソが育つと考える浅はかさには眩暈がする
同じ量の大量の水にコップ一杯のワインを入れてワインの味がするか?
しないだろう
ソレと同じだ
そんなこともわからない大地の歌商会員どもに呆れた
まあわざわざ言わないがな
バカはバカなりに使い道がある
勘ちがいをさせておこう
それが魔女の策だ
バカが本気に信じていると魔女の敵も勘違いする
バカの二重奏
本当に魔女は性格はねじ曲がっているな
まあ元貴族だから仕方がない
ああ、そういえばこの失敗作の肥え溜めをなんとかしないといけないな
隠し持っていた竹筒を取り出す
土魔法で肥え溜めの底に細長い穴を開ける
フタを開けた竹筒を肥え溜めに投げ入れ、水魔法で底の穴の中に入れる
底のクソを火魔法でひと肌よりちょっと高めに暖める
穴は深いから新しいクソと古いクソが少しづつ混ざり合って底の方からジワジワとクソが育っていくわけだ
大体一週間後には無事に育っていることだろう
・・・戦争の道具である魔法をこんな事に使うなと言いたい
まあ子爵家の庶子であるオレが言う事ではないだろうがな
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人に隠れて暗躍する話を書くと精神が高揚するのはなぜでしょうね(汗)




