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110 農業をしにいこう!(その9)

男爵様の不幸ターンはまだまだ続きます


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スワンプラット男爵ウチにも一応騎士団というものがある


騎士団というからには戦争目的である


だが戦いのない平和な昨今


領地内の治安維持から災害時の救援活動、はては商人の案内まで幅広い活動をしてくれている


彼らが居るからウチの領地は平安が訪れていると言ってよい


男爵やといぬしとしては本当に頭が上がらない


・・・給料を増やした方がよいのだろうか?




そんな騎士団の建物には一応ではあるが上級用の牢屋がある


早い話貴族の関係者用だ


世の中爵位で動いているから当然だ


まあうちは男爵でそんなに裕福ではないからちょっと裕福な市民の部屋である


木の枠があって逃げれないようになっている以外は、であるが




まあたまにしか使わない部屋に今回御客様がいた


自称『子爵様の関係者』を名乗る無法者だ




犯罪者にもかかわらず彼らは偉そうだった


朝から晩まで文句を言っている


・・・朝から晩まで一日中文句を言い続けているのには呆れればよいのか、感心すれば良いのか?





もちろん服は着ている


さすがに裸というわけにはいかないのでこちらで用意した


「もっと良い服をよこせ!」とかなり文句を言っていたとの報告があった


・・・一体いくつ文句を言えば気がすむのか、と言いたい





元着ていた服はどうした?と大地の歌商会の会長に聞いたら「捨てた」と返事があった


服もタダではないのだ


持ってくるくらいの配慮はして欲しかった


こちらの身にもなって欲しいものだ






「おい!


男爵風情は子爵様の使いである私に無礼を働いて許されるとおもうな!


今すぐここから出せ!」


・・・平民のくせに男爵わたしよりも偉そうだった





まあ平民であっても子爵様の手足となって働いていたらそれなりの権力はある


虎の威をかりるなんとか、だが仕方がない


それなりの対応が必要だ





まあ子爵様のお墨付きがない『自称』のうちは適当でもいいだろう


男爵こちとらは忙しいんだ


子爵様本人ならいざしらず小物の対応まで構っていられない


・・・そんな暇があったら仮眠したい





ただ様子を見に来ただけだなのだが、男爵わたしを呼び出せたと勘ちがいしているようだった


顔くらい見せないと後で何言われるかわからないからだけなのにな





貴族というものはやっかいだ


事あるごとに他人の足を引っ張ろうとする


だから顔見世しただけ


万が一関係者だったら大変だからな


でも義理の面会も終わったことだし退散しよう





「おいっ聞いているのかっ!」


男爵わたしの背中に向けて文句が投げかけられた


その図太さだけは貴族並みだ


・・・なぜこんなのの相手をしなければならないのか教えて欲しい





もういいや


寄り親の子爵様に丸投げしよう


そうして賠償金だけ貰おう


そう心に決めた




男爵わたしの寄り親と大地の歌商会の方から不穏な気配がする


嵌める気満々?


そんな感じだ




どうみても男爵領うちのとちを舞台にしてナニかが計画されているようだ


手を出させて返り討ち


そんな気がする


もっとも登場人物である男爵わたしには何も知らされていない


だれかの手のひらの上で踊るだけ


・・・勘弁して欲しい





男爵じぶん自身が駒になっているどころの騒ぎではない


領地までが謀略のためのゲーム盤になっている


そんな気がする




・・・貴族って最低だよな






みんなこうして大切なモノをなくしていくんだな


そして本当の貴族ひとでなしになっていく


ようやく貴族と言うものが判った気がした



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というわけでしばらくしてから裁判くちげんかです


用意ができるまで農業編をお楽しみください


別名『サード氏の受難』とも言う

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