108 農業をしにいこう!(その7)
スワンプラット男爵様のお話です
本編初登場です
新たな犠牲者です
大地の歌商会がクソを撒く予定の村の領主様です
寄り親の子爵様に言われて村の農地を貸すことになりました
ところが・・・
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「旦那様、大変です!」
館の執務室で仕事をしていたら執事が文字通り飛び込んできた
なんでも裸の男達が大勢街に近づいてきているとのことだった
街に来る途中の商人が見かけて知らせに来た、とのことだった
・・・頭が痛くなってきた
真面目に領地を治まる貴族のことを考えて欲しい
ウチの領地には次々に問題を起こす奴らしかいないのか!
大声で言いたい
偽物で大金を騙し取る商人
賄賂をもらって犯罪を見逃す役人
連日そんな報告しか受けていない
そんな所に裸の集団?
この領地には頭がおかしい奴しかいないのかと言いたい
なんでも商人が馬車でうちの街まで来る途中に出会ったそうだ
無事?に謎の一団を追い越したので門番に報告したそうだ
馬車で1時間の距離だったから昼過ぎには街に到着すると考えられる
そのため現在騎士団の斥候が確認を行っています
そう報告があった
・・・男爵に一体どうしろというのだろうか
ひょっとして嫌がらせか?
そう思った
いやね、私は数年前にスワンプラット男爵を継いだんだ
その際多少のごたごたはあった
その件で嫌がらせなのか?と思った
言っておくが前当主の父が死んだというわけではない
まだピンピンしている
あと20年は元気だろう
昔は前当主が死んでから爵位を引き継ぐいていた
でもいきなり当主になった若造にうまく領地経営ができるわけがない
どこの領地でも数年くらい混乱するものだ
そのため結構カツカツの貧乏になっていた
でも最近ではちょっと違ってきた
早めに譲って息子を育てるのがブームだ
前領主は後ろ盾として顕在だから混乱は最低限になるという特典付き
やらない訳がない
まあこれは入婿に入って虐げられたいたのに商売を始めて下剋上したというネックホールダー男爵のせいだ
商売なんていうものは下賤なものすることだ
青い血が流れる貴族は『遊んで暮らす』のが仕事であるという慣習をモノともせず躍進した
または私の寄り親の寄り親のヘッドアッシュ伯爵のせいでもある
爵位を継いでから長い間『平凡』と噂されていた
毒にも薬にもならない普通
ところが最近になって『月の雫』なるものを売り出した
・・・以下同文
そして二人とも贅沢の限りを尽くした
・・・よくそんな暇があったな、と感心したな
真面目に領地経営をしていたら一日が50時間あっても足りないからな
まあそれはさておき貴族達はそこで気がついた
金がすべてだ、と
男爵ができたのならばオレだって
そういうことらしい
・・・貴族の欲望には限度がないな
もともと他人が儲けるのを許せないのが貴族と言うものだ
上手い話があれば砂糖に群がるアリのようになっていた
元々素養があった
それをどこかの男爵が背中を押した、わけだ
そんなわけで20台前半でスワンプラット男爵を継ぐことになった
少しでも損をしないようにという父親や親戚の思惑でそうなった
・・・オレの意見はどうなった、と言いたい
まあ父親がピンピンしているからのんびりしようと思っていた
そうしたらヘッドアッシュ伯爵から話がきた
農地を貸してね(意訳)
・・・みんなオレが嫌いなのか?
男爵だから文句は言えないので涙を飲んで承諾した
仕事に追われたおかげでようやく嫌な事を忘れそうになった
と思っていたら『裸の一団』の知らせいがきた
・・・どうやら神様は男爵の事が嫌いらしい




