105 農業をしにいこう!(その4)
大地の歌商会会頭のサード様目線が続きます
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「襲撃だ!」
またもや野営中に襲われた
こんどの襲撃犯は結構腕が良い
・・・まあ前回のが悪すぎたんだがな
もっとも数がオレ達よりもちょっとだけ少ないのはいただけないな
ちょっと甘くして80点といったところだろう
よっぽど自信があるんだろうが過信しすぎだ
戦いは数だぞ?
バカなのか?と言いたい
・・・後で判ったんだが本当にバカだった
こちとらプロだぞ
元スラムの人間を舐めているのか?
盗む、殴るは日常茶飯事だ
日中に死角から刺されそうになるんだぞ?
そこを捕まえれるかどうかが生死の境目だ
殺気を完全に隠せもしないミエミエの襲撃
それに気が付かずに襲ってくるとかバカすぎる
なまじ腕に覚えがあるから慢心するんだ
おまけにいさめてくれる仲間もいないとくれば泣けるな
・・・ちなみに『大地の歌商会』で慢心したら足を引っ掛けて止められるな
それで慢心が止まなかったらゲンコツだ
バカに足を引っ張られて命の危険にさらされるのはまっぴら御免
そんなバカは邪魔ができないようにしっかり処理しておく
それが正義
まあ相手がバカな分、こっちは楽できるんだけどな
そこそこ腕が立つためキッチリ無力化しておいた
要は切れるならしっかり切っておく、だ
人間、身体のどこかを切られると痛みのせいで人を襲えなくなるんだ
痛みを押して戦うなんてのはお芝居や英雄譚の中だけだぞ
それに人間、少々切られたくらいでは死なない
本当に死なないからな
痛みのせいで騒ぎまくるか、転げ回るかどっちかだ
だから躊躇なくヤれる
そんなわけで二度目の襲撃犯達も撃退だ
地面に転がっているのを引き離す
お互いに口裏をあわせないようにするためだ
おまけに猿轡をして喋れないようにする
尋問の基礎だ
・・・こうやって腕力で解決できる仕事ってすばらしいよな
すぐに結果が出るからな
最近はクソ撒く仕事だとか
作物が実るまでの数カ月の間ひたすら見守るだとか
ろくな仕事がなかった
おまけに拒否した時点で人生が終わりとかなんなんだよ、と言いたい
「オレ達は子爵家の者だ!
すぐに解放しろ!」
猿轡する前に騒ぎ出したヤツがいた
・・・自分から身元を暴露するとかバカなのか?
手間が省けたと喜べばいいのか、バカすぎると呆れればよいのか




