101 閑話~魔女と使い魔とその下僕(その4)~
クソを使った肥料で農業をやらされているスラムのボスの下剋上
感想で「主人公だよね」と言われただけのことはありますね
主人公の下僕@作者の設定 から成りあがってますね
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「(クソを撒いたけど見事に)失敗した方法を書いた書類を盗ませてギャフンと言わせましょう」
オレは魔女に提案した
調子に乗っている?
いや違うから
魔女は前向きな発言については失敗しても咎めないんだ
自分で考えて、考えて、考え抜いて出した答えなら、な
失敗したならどこが悪いのかを考えれば次は成功する
そう考えている(らしい)
直接言われたことはないがそう忖度してみた
まあ、考えが足りない愚か者と思われたらそこで処分だけどな
でも結構考えたんだぞ
魔女が持っていなくて、オレ達しか持っていないモノは何か?
そこで気が付いたのは『クソを撒く時の技術』だ
ただクソを撒いただけだと農作物の育ちは悪い
本当に悪い
下手したら枯れるんだ
魔女から教えられたことは大枠だ
こんな感じでこうして、こうすれば豊作だと本に書いてあった
・・・こんなあやふやな事を頼りに豊作になる方法を作りあげたオレ達を自慢したい
当然のことながら数多くの失敗があった
それはきちんと書きとめてある
こうすれば失敗した
こうしたら成功した
すべて書いてきた
その中からもっともらしいものを書きだして偽の書類を作る
そしてそれを魔女の敵に盗ませる
そして見事に失敗する
良い作戦だろ?
部下達と連日酒を飲みながら考えたんだ
おかげで常識とか良識とか礼儀がまったくない作戦が出来た
貴族には自制とか思いやりとかがまったくないからな
ちょっと書類があると匂わせると手下を使って盗ませることだろう
貴族と書いて犯罪者と読むからな
「・・・なかなかいいアイデアね」
魔女からお墨付きが貰えた
「うまくいきますかね」
これは男爵家の執事
常に魔女の利益と身の安全しか考えていない忠犬だから貶してくるのはしかたがない
「うまくいかせたいものですね」
もちろん『うまくいく』なんてことは言わない
そんな事を言って上手くいかなかったら部下共々破滅だからな!




