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1 すべての始まり

「サラ!おまえとの婚約を破棄する!」


学園の新年の舞踏会場に入ってすぐ、大声が聞こえてきた





声のした方を見ると王子様とその婚約者様が修羅場っていた(笑)







これはぜひ聞かねば!


そう思い近くに寄って詳しく聞いてみた






え?


ストーカー?


失礼な!


貴族の義務です(笑)






貴族たるもの他人のミスは確実に拾うのが基本です


そんでもって速攻で家に帰って両親に報告!







その後は、両親が親戚と貴族としての寄り親の子爵家に詳細を報告する、かな?


少しでも他よりも早く、そして正確な情報を得る!


これが貴族のお仕事です   ←ホントです






どうやら、クラスメートの女をイジメていたって王子様が婚約者様を糾弾しているようだった


ひと気のない所で侮辱した?


持ち物を分不相応だといって取り上げた?


後ろから突き飛ばして制服をドロドロに汚した?


いろいろとやっていると王子が騒いでいた





そんなことあるかいっ!


思わずツッコンだね


心の中でだけど(笑)






え?


そこは仲裁する所だろ?


いえいえオレは男爵家の三男だから!


王家にたてついてまで伯爵家に媚売ったりしませんって






それにあきらかに冤罪なんだもの!


なにやらきな臭い匂いがプンプンする






貴族たるもの危うきには近寄らず、だよ?


そんでもって利益があるところには群がって暴利を貪るわけだ(笑)





大体、身分差があるために話すことができないけど、一応3年弱も同じ教室で一緒に学んできたんですぜ?


イジメをする人かどうかくらいは判るって!






婚約者様はどちらかっていうと気が弱い


伯爵家の跡取り令嬢であるのに男爵家の気の強い娘に負けてるし(笑)






例えるなら行列に横入りされても文句が言えないタイプ?


あるいは掃除当番を無理矢理押し付けられるタイプ?


どっちかっていうとイジメられる方だよね(笑)







そんな人がイジメをするなんてありえない


絶対にウラがあるって!


ほら、詳細を記憶して伝えなきゃ、だろ?(笑)







それに都合よく出てくる目撃者達


絶対に仕込んでるんじゃね?


旦那!ヤバイ匂いがプンプンしますぜ!、ってやつだね(笑)








しかし王子様には本気であきれたね


ココは王立魔法学園だよ?


王国の貴族の子女が集う由緒ある学園だよ?


そんな所で婚約破棄をするか!?






それにどうやら冤罪っぽいし?


自分で恥をまき散らしてどうするんだよ!って言いたいぞ(呆)







貴族は13歳になると学園に入学して15歳で卒業する


その後は成人として扱われ、自分の領地の経営の手伝いをするわけだ


つまりは次世代の王国を担う者達が集う場所


そこでバカやって自分の評価を下げてどうするんだよ!






今居るのはひょっとして影武者の方なのか?


マジでそう思ったね


まあ、信じられないことに本物だったんだけどな(笑)







それに学園では習うことは歴史等の一般的な教科と魔法の使い方


もう一度言う


魔法の使い方!






婚約者様は希少な、いや現在のところ唯一無二の『香水を作れる魔法使い』だよ?


作り出す貴重な香水のおかげで国王派は敵対する貴族派よりも優位に立っている


簡単に言うと『奥さんが欲しがっている香水をあげるから法案通してね』、だね(笑)






そんな切り札を自分から棄ててどうすんだよ!


王子様、絶対忘れてるよな?


ひょっとして脳みそ腐ってる?








あ、この国の貴族は全員、魔法が使えたりする


逆に言えば魔法が使えなければ貴族ではないということだね




なお、平和な世の中では魔法なんて攻撃力の高いものはおまけっぽいってのはお約束?


だらけきってほとんどの生徒が魔法の練習を真剣にしないってものお約束?





そんでもって婚約者様は数少ない真面目に魔法を練習したって希少種だったりもする(笑)




つまり何が言いたいかというと、イロイロな面で婚約者様のサラ=リッチバッソル伯爵令嬢(15歳)は貴重な存在だってことだ


本人を見る限りそうは思えないってのは言っちゃいけないお約束?





しかしそんなのをスッパリ忘れた王子様に、見事に先ほど婚約を破棄されていた(笑)

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