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魔女見習いの助手、始めました  作者: 水無月 涼
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1話 僕の就職先、決まりました⑧

前回の続きです。

「し、失礼します」


入った途端、ふわりと甘い匂いが鼻をくすぐった。これが女の子部屋の匂い。

だが残念な事に、部屋の外から見た通り中は散らかっている。片付けないのかな。


「そこに座ってて、お茶を汲んでくるから。私も色々と聞きたいこともあるし」


可愛らしい柄のソファーに座る。応接間の時とは違いとてももちもちふかふかしていた。

聞きたいことってなんだろう、怖いなぁ。お風呂のことかな、それともさっきの事かな……


「はい、お茶」


「ありがとうございます」


渡されたティーカップからはレモンの香りが漂ってくる。


「それで?あなたの名前は?」


「あ、僕はイグナート・アデルと言います。今日からここで働くことになりました。……その、よろしくお願いします」


「ん。わたしはウインザー・ティノン。ここで立派な魔女になるために一人で修行をしてるの」


覇気のない声で淡々と自己紹介をしてくれた。ティノンって言うのか、年下のようだから頭の中では失礼して呼び捨てで呼ぶことにする。


「本当はリアに聞こうと思ってたけど、丁度いいからいっか……。早速だけど、あなたがここで働くことになった経緯を教えて。……いきなり来られてあたしびっくりたんだから」


最初と最後の方は小声で聞き取れなかった。でもお風呂事件でもドアノブ事件の事じゃなかった!よかった。僕は質問に答えた。


「僕は恐らくここからそう遠くない所にある、街の掲示板でこのお屋敷の求人募集の張り紙を見つけてここにやって来ました。ここには、森で倒れたところをアストリアさんに助けてもらって偶然着きました」


「……張り紙?そんなの聞いたことないけど、いつの間に?」


「張り紙は一年程前に貼られたらしいですけど……」


ティノンは首をかしげて眉を寄せる。そして思い出したのか紫がかった瞳を広げ、はっ!とした顔で小さく数回頷いた。どうやら納得したみたいだ。|


「なるほどね、分かった。それであなたの仕事ってなに?……はっ、もしかして、今の全部嘘でわたしに内緒でここに来た新しいおばあちゃんの悪魔さん?」


僕はティノンが何も知らされていない事に気付いた。

言い出しにくかったが答えるしかない。


「ええと、僕はアストリアさんにティノンさんのお手伝いをするように言われました。ですが僕、魔女も魔法の知識も持ち合わせていないので手伝いになるかわかりませんが、よろしくお願いします。あ、それと僕は悪魔じゃないですよ。普通の人間です」


知識も無いのに手伝いなんておこがましいが、頼まれたのだから仕方ない。僕は頭をかく。


「え?……手伝い?……なんで……」


ティノンはなぜか下を向き何かブツブツと呟いている。身体を小刻みに震わせて。


「あの……どうかしました?」


僕は恐る恐る声をかける。すると


「なんで!?わたし手伝いなんていらない!一人でやりたいの!わたし一人で立派な魔女にならなきゃ意味ないのに……」


おとなしげな雰囲気から一変。顔を赤くして声をだいにして拒絶を訴える。

どうやらティノンは怒っているみたいだ。どうやらさっきの説明が琴線に触れてしまったらしい。

どうしよう。まずは宥めよう。そして、落ち着いたらゆっくり話し合って解決策を見出そう。よし、これで行こう。


「あの、何か事情があるのかわかりませんが、一旦落ち着きましょう?」


「出てって!!」


僕は一目散に部屋から逃げた。

ここまで読んでくださりありがとうございます!


とても恥ずかしいですが、これからもどんどん上げていけたらと思います。


色々勉強したいので指摘(文構成、表現、使い方……)などあったら是非ともお願いします!




水無月(みなづき) (りょう)



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