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魔女見習いの助手、始めました  作者: 水無月 涼
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1話 僕の就職先、決まりました⑦

前回の続きです。


「さて、どうしたものか」


あの面接(?)が終わった後、僕はこれからここで生活をするので部屋に案内された。

案内と言っても、最初に寝かされていた部屋だったので軽い説明だけで終わった。

今は一人部屋で持ってきた荷物整理をしている。

アストリアさんは用事があると言って先程出かけてしまった。

つまり、このお屋敷には僕とあの少女しかいないのである。

別にそれだけでは何も問題はないのだが、アストリアさんが出かける前に……

『折角ですから、お嬢様にご挨拶なさってはどうでしょうか?初仕事ということで!私が帰るまでにお願いしますね?』とウインク混じりにお願いされたのだ。

困る。いやだって、もう少し時間置いてからの方が良くないですか?

彼女だって僕には会い難い……はあぁ。


「……よし、行くか!」


覚悟を決めた。どうせ第一印象は最悪だ。だったらこれから取り戻せばいいだけ。

ポジティブ思考ポジティブ思考。

僕は少女の部屋がある二階を目指し階段を登る。

アストリアさんには階段を上がってすぐ、目の前の部屋と言われたのですぐに分かった。


「ここ、か。う、緊張するな……」


ノックしようとドアの側まで行くと、ドアが少し開いていることに気付いた。

いけないと分かっているが、覗いてみることにした。

体を屈め、ゆっくりとドアの隙間から部屋の中を覗きこむ。

中は僕の部屋の比にならないくらい広かった。

床には分厚い本やら何かを記述した紙が散乱していた。あと大量のぬいぐるみも。

部屋の中央で分厚く大きい本を床に置き、ぬいぐるみを片手に抱き難しい顔をしている少女を見つけた。

魔法の勉強中かな?だったら邪魔しない方がいいよね!

僕は気づかれないように静かにドアの前から去ろうゆっくりと体を起こした。

しかし僕は、頭の上にドアノブがあることが分かっていなかった。


「あだああっっっ!」


鉛でできた立派なドアノブに「ゴンッ」と鈍い音を立てて僕は床に崩れ落ちた。

いや、痛い。かなり痛い。さすがお屋敷のドアノブ。庶民のドアノブとは段違いだぜ。そんな頭の悪いことを考える頭を抑えながら悶え苦しんでいると。


「そこで、何してるの……?」


頭上から、心臓を握り潰すようにゾクッとする女の子特有の低い声が耳に入った。

頭を抑えつつ顔を上げると朝食堂で見たのと同じ、背筋が凍るような鋭い目……いやそれ以上の ゴミを見るような目で少女が僕を真顔で蔑んでいた。


「あっ、いや、その。ア、アストリアさんに言われて挨拶に来たんです!」


「ふぅーん、リアに……それで?あなたはそこで一体何をしていたの?」


あ、逃げられない。正直に答えないとダメか。


「……ドアの隙間からあなたを見ていました」


僕は少女の視線に耐えきれず、目を横に流して答えた。


「へぇー、気持ち悪い」


ぐあああああああああ。不純な気持ちで見てたわけじゃないんだ。許して……

僕は心で泣いた。実際ちょっと泣いてたかも。


「挨拶に来たのならノックぐらいして。常識だから」


「はい、すいません」


「……ここで話すのもあれだから中に入って」


「えっ、でも……」


「挨拶に来たんでしょ、なら入って!」


「はい!」


いきなり怒鳴られた怖い。けど案外優しいのかもしれない……

僕は体を起こし恐る恐る少女の部屋に入った。

ここまで読んでくださりありがとうございます!


とても恥ずかしいですが、これからもどんどん上げていけたらと思います。


色々勉強したいので指摘(文構成、表現、使い方……)などあったら是非ともお願いします!




水無月(みなづき) (りょう)

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