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魔女見習いの助手、始めました  作者: 水無月 涼
10/13

1話 僕の就職先、決まりました⑩

前回の続きです。

魔法機械革命、二年前というと僕が家を出る前のことだ。

田舎暮しだった僕は知らなかったのでアストリアさんに話を聞いてみた。

話によると、なんでも魔力で飛行を可能にした巨大な船の開発が始まって、その計画にティノンの両親とケイトさんも加わっていたそうだ。

毎日忙しそうにしている両親達を見てティノンは迷惑をかけたくないと思ったのだろう。


「今はだいぶ落ち着いてはきてケイト様達も自分達のお店の営業ができています」


「あれ?だったら今はティノンさんの修行に付き合えるじゃないですか。なんでやらないんですか?」


「それが、お嬢様がこうなったら一人でやりたいとおっしゃいまして、教えようにも教えられないのでございますのです」


プライドが高いのかな。でもそういうのは嫌いじゃないな。


「ということは今は自分の意思で一人で修行に取り組んでいるんですね。いいじゃないですか、見守っていてあげましょうよ」


今は駄目でもいつかはうまくいくだろう。そんなことを思っていた。


「それだと駄目なんですよ!!」


アストリアさんが叫んだ。悲しみに顔を歪ませて。


「すみません、急に大きな声を出してしまって。ですが、駄目なんです。今年のうちに合格できないと、お嬢様は魔女になれなくなるんです」


「え!?どうしてですか?」


「十二歳までに合格できなければ、見込み無しとして試験を受ける資格がなくなってしまうのです。だからもう後がないんです」


「そんな……」


僕はまだこの魔女の家系の事情なんてよく知らない。

魔法についての知識も経験もからっきし。僕にできることなんてほとんど無いだろう。

だけど、何かに一生懸命になる人を僕は応援したい。

途方に暮れてた僕を雇ってくれたんだ。

僕は俯いているアストリアさんを見る。この人はすっごく優しい人……悪魔なんだな。


「アストリアさん」


アストリアさんが僕を見る。僕もアストリアさんを見る。


「僕は魔女も魔法についても何も知りません。なんの役に立たないかも知れません。ですが、僕にできることなら何でもします。だから絶対にティノンさんを試験に合格させましょう」


アストリアさんの沈んでいた表情がみるみる明るくなり、今度は元気よく叫んだ。


「はい!!」


「まずは、この屋敷のことを僕に全部教えてください。知らないと何もできませんからね」


「任せてください!……私ももう一人じゃないんですね」


返事の後に何か呟いたようだが聞こえなかった。僕は聞き返そうとしたが、アストリアさんの嬉しそうな笑顔を見て聞くのをやめた。

ここまで読んでくださりありがとうございます!

とても恥ずかしいですが、これからもどんどん上げていけたらと思います。

色々勉強したいので指摘(文構成、表現、使い方……)などあったら是非ともお願いします!


水無月(みなづき) (りょう)

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