6時限目 先輩がいない
とりあえず、前編書きあがりました。よろしくお願いします。
3連休明けの火曜日は学校に行くのが辛かった。あと2週間くらい休みたい。いつものように部室でだらだらしていると下校時刻になった。
「お疲れ様です。帰りましょうか」
「帰ろうか。すまないが今週は3日ほどみんなで適当にやってくれ。金曜日は定例会だからちゃんと出る」先輩は急いでいた。
「何か用事でもあるんですか?」私は少し気になったので聞いてみた。
「まあ、そんなところだ、しばらくは部活にあんまり顔出さないからそのつもりで頼むね」先輩はそう言って先に帰って行った。
水木と部活を休んだ先輩だったが金曜日には普通に出てきた。
翌週はいつもはだいたい部室にいる先輩が2日ほどしか来なかった。そのまた翌週も続いた。何か怪しいなと私は感じた。
秋ちゃんが部室に遊びに来た。
「文ちゃん遊びに来たわー、あれ先輩さんは?」
「私用でお休みらしいですがくわしいことはわからないの」
「ふーん、まあ、今日は文ちゃんたちとトランプしようかしら。お菓子かけてブラックジャックと大富豪やりましょう」
「たまにトランプもいいね」神田先輩はお菓子のストックを見に行った。
「私は、この間旅行で行った。温泉のお饅頭用意しました。チョコ味が一押しです」
「ほう、ギャンブルですかか熱くなってしまいますね。さあ、存分に賭けあいましょう」
うん、シノンちゃんは賭博漫画の影響を受けていた。
「シベリヤ・ラピッドエクスプレスーー」シノンちゃんはハイテンションで言った。
「革命来たー」真希先輩は真っ青だ。
「フハハハハースーパーシノンタイムの始まりですよー」シノンちゃんがすごく調子に乗っているのでほっぺたムニムニしてあげたくなってきた。
「はい革命です」秋ちゃんは3のフォーカードで革命返しをしていた
「あ。あんまりだー。うわー」シノンちゃんが思いっきり頭を抱えている。鉄骨渡ったりチンチロやったりするあの作品の影響を受けていた。今週はあの漫画読んだのだと私は一人納得していた。
「ノーカン、ノーカン」シノンちゃんがどこかの班長みたいにコールする。
「そんなの通りませんよ。大富豪って楽しいですね♪」 秋子が笑顔でシノンちゃんにとどめを刺していた。
「はい。2のスリーカードです」
「出せないわ」真希先輩はため息をついた。
「僕もだよ」 神田先輩は諦めた顔をしていた
「私もです」私は、まあ平民くらいでいいかとハードルを下げて冷静にパスをした。
「我も」シノンちゃんもそう答えた。
「では、5のダイヤをだして上がりですね」秋ちゃんは大富豪になった。
大富豪は秋ちゃんの圧勝だった。部室のチョコレートとポテチが秋子に持っていかれた
「あんた手札良すぎるわよ」真希先輩は秋ちゃんにちょっと不機嫌そうにいった。何かほっぺた膨らませている。幼女っぽさに磨きがかかってきた。
「運がいいんだけだと思いますよ」秋子は微笑んだ。
ブラックジャックでは秋子がディーラーをして何とか神田先輩が21を出したので勝てたが秋子は19とか20とか連発してだしてきたので勝負はかなり白熱した。
「いやー秋子さん。トランプ強いね」 神田先輩はカード片付けながら話しかける。
「いえいえ、引きがよかったんですよ。まぐれです」秋ちゃんは嬉しそうだった。
「秋ちゃん強すぎ」私はとりあえずツッコミをいれておいた。
「ところで先輩さんは最近どうですか?」秋ちゃんが話題を変えた。
「来なくなったわね」真希先輩が少し間をおいてから答えた。
「もしかして、何か隠しているんじゃないでしょうか。私、気になります」
「なぜ、基本部室でいつもだべっている先輩さんがこないか皆さんは気になりませんか?」
うん、例のあのアニメのセリフだ。だが、確かに気になる。
「もしかしたら、女性とお付き合いを始めて部活に来なくなったのではないでしょうか」
「うーん、あいつは顔と外面もいいし優しいから割と彼女とかいるかもね。ヒモ発言を除けばいいヤツなんだけど」
「意外とあいつ女子の評判悪くないからね。真希先輩は小さい胸を大きく張った。
そんなのないなーと思っていたら真希先輩からの先輩は実はけっこうモテるのではという疑惑がでて正直びっくりしている。
先輩は基本優しいし荷物持ってくれるし勉強とか教えてくれるし世話を焼いてくれるからほかの女子がコロッと惚れてしまうのかと考えてしまった。
「文ちゃんー 何か考え事でもしてるの?」
「べ、別に」
(先輩さんのことになると文ちゃん周りがみえなくなるから見てて面白いのよね。もう一押しかな)秋子は考えを巡らせて楽しい展開に持っていこうとしていた。
「先輩さんの好みのタイプはどんなの人なんですか?」
「母性の強い巨乳の優しい年上の養ってくれるお姉さん」部員一同声をそろえて言った。
「もしかしたら、先輩さん年上のお姉さんに夢中で部活に来なくなったんじゃないんですか?」
「そ、そんなことは」(この間も来たしそんなことあるわけないと私は信じたかった。)
「ここ2週間あんまり顔見てないからってそんなことはあるわけないんじゃ」実かなり気になってしまって焦ってしまった。
「今日は解散しようか下校時刻が来たからね」神田先輩はそう言いながら帰りの準備をしていた。
珍しくシノンちゃんとも一緒に3人で帰った。
秋ちゃん達と一緒に帰りながら先輩のことが気になるかもしれないと伝えてみた。
「文ちゃん。自分に正直になったほうがいいよ。気になるんでしょ」
「べ、別にそんなに気になってわけじゃないけど部活来ない理由教えてくれない先輩も先輩だし。部員としてちゃんと知っておかないといけないですからね」
(落ちたわ、しばらくは楽しめそうですね♪)秋子はギャンブルで予想通りに勝てた時の高揚感を感じ、恍惚とした表情をしていた。
気が付くと私は先輩が来ない理由をいろいろ考えていた。
「あんまり、詮索とかしないほうがいいんじゃ」シノンちゃんが小さい声でいった
「でも、気になりませんか?」秋子はいい笑顔でシノンちゃんにささやいた。
先輩がどこの女の子に引っかかってるか調べないと。私は明日教室で作戦会議をしようと思った。
「明日は3人で作戦会議しますよ」私はとりあえず行動することにした。
「分かったわー空き教室見つけておくわね」秋子がいい返事をする。
「ええ。私もやるんですか。あんまりいいことだとは思えないけど....」シノンちゃんは戸惑っていた。
「シノンちゃんここまで来たんだから後には戻れないよ。参加しようね」 秋子がシノンちゃんを平和的話し合いで参加の約束を取り付けた。
「やめてーと叫ぶシノンちゃん、その話はやめてー、禁忌に触れるなー」と涙目のシノンちゃんは見なかったことにしよう。
そうして私は家へと帰った。
読んでいただきありがとうございました。