4時限目 雪菜先生が遊びに来たようです
今回は分割です
放課後になり私は部室の鍵を開けて部室に入り、窓を開けて換気をした。今日は天気が良くて気持ちいい。梅雨入りまでまだもう少しらしい。
その前に部室の備品の掃除を済ませておきたいと思いながら椅子に腰掛ける。図書館で借りてきた本を鞄から取り出して数ページ読んでいると少し喉が渇いてきた。
お茶でも入れようと思い電動ポットでお湯沸かし始めた。ちょうどその時部室のドアを開ける音がした。
「おつかれ。今日もいい天気ねー。後輩ちゃん1人?」真希先輩が部室にやってきた。
「こんにちは真希先輩。今、来たところです。お茶を入れますが真希先輩もいかかですか?」私は、急須とお茶パックを棚から取り出した。
「そうね。いっぱいもらおうかしら。ちょうど、日直も終わって喉が渇いたところだし」真希先輩はそう言いながら椅子に腰掛けた。
「はい。準備しますね」私は、お湯の湧いたポットから急須にお湯入れ湯呑みに注いだ。
「真希先輩どうぞ」お茶の入れた湯飲みを真希先輩の前においた。
「ありがとう。そういえば。今日は進路調査のプリントをもらったわ。来週末には出さないといけないのよね。色々迷うのよ」
「そうなんですか?先輩は何か決まってるんですか?」私は、お茶をフーフーしている真希先輩に尋ねた。
「進学か就職かで迷っているわね」
「結構ざっくりしてますね」
「いちおう、短大か地元の会社に就職を考えてるわ」
「大学に行くからって就職が保証されているわけではないからね。近所のお兄さんは国立大学でたけどフリーターやってるみたいだし」
コンコンッ 部室のドアをノックする音がする。
「入るわね。みんな調子はどう?」雪菜先生が部室に入ってきた。
「こんにちは。先生」私たちは雪菜先生に挨拶をした
「あら、他の子達はどこかしら?」雪菜先生が私たちに尋ねた。
「神田とアイツなら図書室に本を借りに行ったわ。調べ物があるからって言ってたわ」
「今日は、だいたい仕事が終わったから様子見にきたわ。まあ、あんまり職員室で暇そうにしてると学年主任が仕事振ってくるから避難しにきたの」
「先生、そんなのでいいんでしょうか?怒られませんか?」私はお茶を飲みながら雪菜先生を見つめた。
「部活動の顧問の仕事をしてるということになるから大丈夫、大丈夫」雪菜先生は笑顔でそう言った。
「先生ってわりと部室くるわよね。まあ、先生面白いし私はいいと思うわよ」真希先輩は言った。
「だって、学年主任ったらパソコン得意じゃないからって自分でする事務書類の作成を若手の先生に仕事押し付けてくるのよ。職権乱用よ」雪菜先生はほっぺたを膨らませていた。
「お、大人って大変なんですね」私はとりあえず頷いた。
「戻ったぞー」
「戻ったよー」
先輩と神田先輩が部室に入ってきた。
続く
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