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12時限目 潜入Ⅱ

よろしくお願いします。

1時間ほどすると客の数も少なくなり店内は静かになった。


「道明君、調子はどうだい、仕事には慣れてきたかな?」


「ようやく静かにコーヒーが置けるようになりました」俺は、少し緊張しながら答えた。


「ハハハッ、なかなか面白い返しだね。普通は、そこそこですとか言うのに君らしいね。まあ、気のお父さんとは高校時代からの友人だからね。俺は喫茶店経営者で君のお父さんは税理士事務所の所長になったよ。お互いに人に使われるより自分で何かしたいタイプだったよ。やっぱり道明君とお父さんは似てるところがあるよ。」


「父さんとはどんなところが似てるんですか?」俺は店長に尋ねた。


「一生懸命に努力するところだよ。あいつも一度決めたらやりとげるまで一生懸命努力してたさ。大学受験のときは一緒に勉強してお互い競い合ったもんだよ。大学の学部も一緒だったし。道明君はお父さんの跡は継がないのかい?」


「あんまり、親に頼りすぎるとダメになると思ったので外の会社で働いて社会をみてから考えようかと思ってます」



「あいつは、心配性だったからな。〔息子がアルバイトしたいと言い出したからお前のところで勉強させてやってくれ〕って電話してきたから正直びっくりしたんだけどまあちょうど学生の子が就活で抜けたところだったから入ってもらったんだよ」


「そうだったんですか。父さんには感謝しないといけませんね」俺は、父さんがここまでやってくれていたとは思わなかった。学生時代の友人がバイトを募集しているから応募してみたらどうだぐらいしか言われていなかった。やっぱり子供が心配なのか、ただ娘ならわかるが俺は息子だ。

店長と一通りしゃべった後まだ店内にいるお客さんに給仕しに回っていると視線を感じた。



先輩は、大人の前だと真面目な顔をするんだなと思いながら店長と先輩の会話をこっそり聞いていた。

どっちが本当の先輩なんだろう。甘やかされたいといってやりたいことしか頑張らなくて面倒くさいことは放り投げるいつもこんな風なのに外面は真面目そのものだ。

そんなことを考えながら見ていたら先輩と目が合ってしまった。今日はいつものメガネではなくコンタクトを入れてきたし変装もしているし簡単に正体がばれるとは考えにくいので目線をそのままスマホに目線を移した。



うーん、あのさっき目が合った子どこかで見たことあるな。誰かに似ているな。どこで、見たんだろうか。まあ、とりあえず仕事に戻ろう。


「道明君、何か気になることでもあるのかな?」


「いえ、視線を感じたものでして」俺はそのまま思ったことを口に出した。


「そっか、そんなこともあるよ」結衣さんは軽く答えてくれた。


また、先輩女の人と話してる。もしかして、仲がいいのかな。と思いながら様子を見ていると女の人が秋ちゃんの方へ向かっていった。



ん?店員さんが近づいてきますね。お水のお替りとそろそろ撤収しまましょうか。とりあえず、時間を置いてお店を出るように文ちゃんとシノンちゃんにスマホでメッセージを送っておいた。


(10分後に私はお店を出ます。その後15分くらいしたらシノンちゃんとお店を出てください撤収です(^_-)-☆)


私は、とりあえず先輩がアルバイトをしているところを見て安心した。恋愛に発展するような様子も無くはないがまあ許容範囲内だと思った。先輩が部活に来るのが減るのさみしいけどヒモ志望からアルバイトに進歩したと思えば先輩もようやく真人間になりつつあるのかと思った。後は、このまま帰るだけだ。

10分後秋ちゃんは支払いをして店を出た。


その後、そろそろ店を出ようとレジに向かった。先輩は机の片付けをしていたのでレジで遭遇してばれる心配はない。私が支払いをしようとしシノンちゃんとレジに伝票を置いた。すると店長が会計をしてくれた。


「1790円になります。学生さんですと割引になりますが学生証はお持ちですか?」


その時店長のスマホが急に鳴り始めた。

「すみません。業者から電話が入ったので代わりの者にお会計させますね」「道明君、お客さんのお会計頼むね。」そう言って店長は、その場を離れていった。


もしかして、先輩が来るのかと思うともしかしたら気づいてしまうのではないかと焦ってしまった。


「すみません。では、1790円になりますが支払いは分けますか?」先輩はあまりこちらを見ていないようなのでこのままやり過ごせそうだった。そして、私は、自分の分を支払い終わりシノンちゃんのが支払い終わるのを待っていた。


「ん、もしかしてシノンか?」先輩はシノンちゃんに気づいたようだった。


「だ、誰でしょうか。」シノンちゃんががんばって誤魔化そうとしていたがバレていた。


「クッここまでか。我が名はシノン。漆黒の契約者なり」シノンちゃんは開き直って言った。


「それで、隣にいるのは誰だい、おおよそ検討はつくけど」先輩は探偵のようにシノンちゃんに言った。


ここまできたら自分で言った方がいいと思った。


「私ですよ。先輩」私は自分で言った。

一瞬先輩が固まったがすぐに話始めた。


「いやー、まさか、半分くらい別人かと思ったけど品川さんだったか、とりあえずお会計だけ済ませようか。話は後日きかせてもらうよ」


「分かりました。」シノンちゃんが支払いを終えて店から出た。


続く

読んでいただきありがとうございました。

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