11時限目 潜入I
潜入編スタートです。
「潜入しました」秋子がメッセージを送る。
落ち着いた店内ではクラシックが流れていて休日の昼間だが地元の奥様たちやおじいちゃんが店内にいた。
「いらっしゃいませ。何名様でご来店ですか?」小柄な若いショートヘアの女性が笑顔で接客してきた。
「1人です。禁煙で静かな席がいいのですが」
「分かりました。では、奥のお席へどうぞ」店員の女性が秋子を席に案内する。
秋子は案内された4人がけ店の端の席に案内された。
「お冷です。メニューはこちらです。ご注文がお決まりになりましたらお呼び下さい」
始めてくるお店なので注文を決めるのに時間がかかりました。モカブレンドとモンブランを注文することにしました。
店内の状況を確認するためカウンターの方に視線を移すとお店のオーナーがコップを拭いているのとさっきのウェイトレスが店長と楽しそうに話していた。
お店の雰囲気はよくテーブルは木製でおそらく規格品ではなく特注のものだと分かった。店の入り口には薪ストーブがあり、その上には注ぎ口の細いコーヒーを入れるための金属製のポットが置かれていた。
店内は床は天然木が使われており調度品には海外のガラスの瓶や川の絵や山の写真が飾られている。
店の一角にはピアノが置かれていた。居心地も良くお客さんも笑顔だった。
今のところ先輩さんは、接客には出てきてはいないようだ。
「だいたいこんな感じのことまとめて送ればいいかな」秋子は文香のスマホに送った。
「うーん。秋ちゃんからは店内の雰囲気の情報は入ってくるけど先輩の情報が入ってこない」普通にお店の内装レビューじゃないの?と思ったがとりあえず参考になるというのかな。
10分ほどしてスマホにメッセージが入ってきた(先輩さんが接客始めたようですよ。至急入店されたし^ - ^)
秋ちゃん楽しそうだなと思いながらもとりあえず入店することにした。
「いらっしゃいませ。何名様ですか?」ウェイトレスが私とシノンちゃんを接客した。
「2名です。禁煙席でお願いします」
「では、あちらの窓の方のお席へどうぞ。ご注文は後ほどうかがいますね」ウェイトレスに席まで案内されメニューを渡された。
私は、席に着くと先輩がどこにいるか探していた。すると、カウンターの方から先輩が出てきた。
ゆっくり店内を歩きながら客の空いたコップに水を入れていた。年配の女性客からはアメをもらったり親しげに話しかけられていた。
年上にモテる?だが40歳以上だった。正直安心した。
とりあえず、日替わりケーキセットで飲み物は紅茶を頼んだ。シノンちゃんは、イチゴタルトとココアを頼んでいた。シノンちゃんは、苦いのが苦手なんだなと思いながら注文を終えた。
バックヤードにて
「今日は、若いお客さんも多いね。道明君の好みの子とかいた?」同僚の女性のウェイトレスにニヤニヤしながら聞かれた。
「僕にはまだ早いと思います。大学行ってから探そうと思っているんです。今は勉強に集中したいんです」
「そんなこと言っても彼女欲しいんでしょ。お姉さんには分かちゃうんだよ」
「確かに欲しいですが自分には自信がありません」
「そんなこと言っても道明君優しいし大丈夫だよ。自信は後からついてくるから挑戦しないと。もしかしたら、道明君のこと気に入っている子はいるはずなんだけどな」
同僚のウェイトレスは、多摩川結衣さん。地元の国立大学の2年生で小柄のショートヘアで人懐っこい愛嬌のある笑顔の人だ。
高校がたまたま一緒だったという理由なのかバイト先で声をかけてくれる。
自分のことを気にかけているのでいい先輩だ。
恋愛の話が好きでたびたび振ってくるがあんまり答えられていない。彼女がいたことなんてない俺はにはハードルが高い。
いい大学に行ってそれなりの大手企業に入れそうな女性から見て将来有望そうな属性を手にいれる。
話はそれからだ。
経済的安定基盤があることが重要だと俺は考えている。
結衣さんにその考えを伝えたら
「収入も大事だけど学生の恋愛にそこまで求める子ってあんまりいないんじゃないかな。
お互いのフィーリングとかで決まると思うんだけどな。
絶対しないといけないとは言わないけどいきなり大学で探そうとしても見つからないよ。
そうやってるとどうやって女の子と仲良くなるか分からなくなって男だけで群れて彼女なんていらないーとかってなっちゃうよ」
「結衣さん、そんな夢も希望もない事いわれてかなりへこみますよ。心が軋む音聞こえかけましたよ」俺は、目が死んだ顔で結衣さんを見つめた。
「ふふ、道明君は、反応が面白いからついついやりすぎちゃうんだ。ごめんね。悪気があるわけじゃないんだよ」
イタズラする子供のような笑顔で結衣さんは言った。
カウンターから先輩と女性が話しながら出てきた。
世間話をしているみたいだけど何やら楽しそうだった。
読んでいただきありがとうございました。もう少し続きます。




