0時限目 先輩はヒモ志望
楽しんでいただければ幸いです。
入学式も終わって2カ月経った。ようやく学校にも少し慣れたかと思いながら部室へと向かう。今日もあの先輩をどうにかするために。
「こんにちわ先輩」
「おつかれ。品川さん。今日は真希と神田が来るぞ。4人いるから大富豪できるな」とお茶を飲みながら返事をする。
「さて、それまで何をして遊ぼうか」
「先輩、遊ぶのもいいですけど。遊び終わったらちゃんと後始末してくださいね」
「そのうちやるよ。来年くらいに」
「何言ってるんですか。今日こそは片づけてもらいますからね」
「ほら、まあ。大学出たら母性溢れる良妻賢母に稼いでもらって毎日甘やかされながらダラダラ暮らす予定だから大丈夫だ」
「ちょっと待ってください。先輩の発言のどこに大丈夫な要素があるんですか。ただヒモになりたいだけじゃないですか」
「いや、違うぞ品川さん。彼女は、お世話をしたいという思いがある、俺には甘やかされたいという思いがある。パートナーとは、お互い欠けたところを埋めあう関係なんだよ。つまり、お互いの欲求がマッチしているから何の問題もないわけだ」と自信たっぷりに言った。
「何か上手いこと言おうしてますけど騙されませんよ。そもそも、どうやってヒモ志望の先輩を養ってくれるような女性と付き合うんですか?」
「出会いは作れるんだよ。何のために勉強してると思うんだ。都会の有名大学に入って実家がお金持ちで俺のこと甘やかしてくれる女性を探すために決まっているだろう。」
「うぅ、先輩は息を吐くようにクズ発言しますね」
「ソンナコトナイヨー」先輩はやる気のない声でいった。
今日もこんなやり取りをしている。早く神田先輩と真希先輩来ないかな。
最後まで見ていただきありがとうございました。