あぁ、君達・・・・そこに居たの。
ゲーム『ラブ☆マジカル』は、女性向け、恋愛シミュレーションゲーム。
攻略対象のイケメン達と交流し好感度を上げて行く、いわゆる乙女ゲームだ。
魔法の存在する、ファンタジー世界にあるロゼリアル王国。
この国は魔術師の育成に力を入れていて
規定以上の魔力を保持する国民は、15歳になると「王国立ロゼリアル魔術学院」に
必ず入学をしなくてはいけない。
この、ロゼリアル魔術学院がゲームの舞台だ。
この学院は3年制で学科は5つ
「魔術師科」魔法を重点的に学ぶ科。魔術師を育成する。
「魔法科」魔法を学ぶ科。魔術師に成る予定の無い者が通う。
「魔法戦士科」魔法だけでなく武器を使った戦闘訓練を行う。
「錬金術科」魔法道具や、魔法薬等を作製する職人を育成する。
「聖魔法科」聖魔法の適性が有る者が通う科。治癒士や神官を育成する。
主人公は子爵家の庶子。
ゲーム開始前に、どの科を選択するかによって、
ステータスの上がり具合や、攻略相手の好感度の上昇値が変わって来る。
ちなみに、私は前世のゲームで魔術師科を選択していた。
ウルシュ君というキャラの存在を知ってから、錬金術科を選択すれば良かったと深く後悔した。
ちなみに、錬金術科を選択したからと言って
ゲーム上でウルシュ君と、アイテム購入以外の接点が有るかと言えば、無いらしい。
物語は1年ごとに分かれていて、全3部。
Ver.1 入学から1年間のストーリー。
この時点での攻略対象は、3人。
そしてライバルキャラが、イザベラを含めた、10人である。
攻略対象1
第2王子、クリストファー・ロン・ロゼリアル。
(ライバルキャラは、イザベラを含めた4人)
攻略対象2
魔術師団長子息、ギース・ネイ・トーランド。
(ライバルキャラは、イザベラを含めた4人)
攻略対象3
騎士団長子息、ブライアン・ニック・アンダーウッド。
(ライバルキャラは3人)
・・・攻略対象の人数に対して、ライバルキャラが多すぎない?
乙女ゲームは『ラブ☆マジカル』以外した事が無いけど
悪役令嬢物の小説とかだと、攻略対象1人に対して、ライバルも1人位じゃないの?
それとも、それは小説だからか?正しい比率が分からない。
ライバルの合計は10人だけど
イザベラが、攻略対象2人のライバルだから、約10.5人。
攻略困難にして、アイテムを売ろうと言う運営の考えかな?謎。
で、だ。私がこれから接点がありそうな人と言えば
第2王子のクリストファー・ロン・ロゼリアル。
そもそもゲームでは彼に一目ぼれして、ゴリ押しで婚約するのだから
どこかで必ず会うのだ。
っていうか、王子とは従兄妹だし。
あれ?従兄妹だけど、今までの記憶の限りは、会った覚えが無い。
伯父である国王にも、会った事が無いなぁ。
前世の世界感覚で言うと、伯父や従兄妹と6歳の今まで
会った事が無いっていうのは、変な話じゃない?
まぁ、イギリスの王妃が忙しすぎて朝の30分しか、息子と過ごせないって話もあるから
無い事も無いのか?
まぁ良いや。
ウルシュ君に会う前に、そして記憶が戻る前に、王子と婚約して無くて良かったよ。
問題はいつ会うのか、どこで会うのか。
一番いいのは、今日中にウルシュ君と婚約しといて
婚約者がすでにいる状態で、顔合わせが出来るのが一番だったんだけど・・・。
9年後って決められてしまったから、仕方が無いか。
次に接点が有りそうなのは、長兄の婚約者の弟でもある
ギース・ネイ・トーランド。
ゲームでイザベラは、ヒロインが庶子、平民だと言う事で毛嫌いし
ヒロインとギースが結ばれて、親戚に成るのが嫌だと邪魔をするんだけど・・・。
平民を毛嫌いも何も、私はウルシュ君と結婚して平民に成る気満々だからっ!!
邪魔する理由も、イジメる理由も無いから!!
まぁ油断は禁物だから、接点は持たずにいるのが一番だね。
騎士団長の子息、ブライアン・ニック・アンダーウッドは・・・。
普通に接点無いな。うん。
次兄の婚約者は、近衛騎士団長の令嬢だから、微妙に違うからね。
次兄か、次兄の婚約者が、顔見知りな程度じゃないかな?
う~ん。今の時点でとれる対策って何かあるか?
ただひたすら、ウルシュ君と仲良くして
ウルシュ君に変な虫が付かないよう威嚇して
ウルシュ君と常にセットみたいに周りから認識して貰えれば
婚約から卒業、そして結婚まで上手く行く気がするんだけど。
ついでに、魔術師科に行かずに、ウルシュ君と同じ錬金術科に行けば
2年目、3年目の事件に巻き込まれずに済むんじゃない?
そもそも、ゲームでは1年目でイザベラは退場だから、事件には全く関係ないし。
攻略対象のトラウマも、事件も、全てヒロインに任せちゃって良いよね?
なんだ!!難しく考える事なんて、何も無いじゃ~ん!!
私はただ好きなだけ、ウルシュ君を大事にしていたら良いんだよ!!
学園在学中も、ウルシュ君と青春の一ページを築いて行けばいいんだよ!!
ゲームなんてそっちのけで!!
だったら、ウルシュ君をデートに誘う予定でもたてよう。
あ、その前に【クローゼット】の中を、簡単にしかチェックして無かった。
中身の整理と、他のゲームのシステムの差異をチェックしておかないと。
・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・。
よし、こんな物か。
だいたい、Ver1~3までのアイテムと
物語終了後の蛇足的に追加されたエピソード(攻略したキャラとのラブラブデートイベント)時のアイテムが
全て【クローゼット】さんに収まっている様だ。
・・・どうしよう、このアイテム達。
ダブってる「Sレア」とか、この世界に2個あってはならない様な物まで有るわ。
メデューサの頭部が付いた盾とか8個もあるし。
って!!そんなにメデューサが居てたまるかよっ!!
誰が狩って来たんだよっ!!メデューサを8体も!!
あれ?ウルシュ君か?ウルシュ君が創った作品だよね。
ウルシュ君、何処からメデューサ調達したんだろう。
メデューサの頭部って買うには高いぞ?たぶん。
自分で狩ってきた?まさかね。
考えるの止めよう。きっとゲームの仕様だよ。
流石に、癒しのスマイル天使、愛しのウルシュ君が
メデューサを薙ぎ払う姿なんて、全く想像できないわ。
さらにその頭部を、盾に錬金合成してるのも想像出来ないわ。
うん。考えるのは止めよう。
あぁ、このアイテム達、ガチャで200円だったけど、
この世界で売ろうと思ったら、一体いくらの値が付くんだろう。
処分しようにも、物が物だから出来ないわ。
どうでもよさそうなアイテムも、レモネードの時みたいになったら不味いし。
使い切りアイテムに関しては、もう自分でコッソリ使っていって、減らすしか無いかな。
たしか学院の授業で、学年ごとの魔物討伐遠征合宿みたいなのも有ったし。
・・・15歳で貴族もいるのに、授業で魔物討伐遠征合宿って
よく保護者の同意を得られたな。
ちなみに【クローゼット】さんは言葉に出さなくても、頭の中で呼ぶだけで展開する様です。
さらに、目の前に現れずに、頭の中でアイテム表示・選択も出来るようなので、出し入れがゲームの時より便利。
ただし、ゲームの時は中に入れられる容量が分かったのに、今は分からない。
無限に入る事は無いと思うけど、どこまで入るのかしら。怖いわコレ。
他にゲームで出来た事は・・・。
何かあったっけ?
「あ。【ステータス】チェックだ。」
・・・・。
・・・・・・・。
【ステータス】お前もかっ!!
はい。そうです。
出ましたよ。
出てきちゃいましたよ【ステータス】くん。
そして・・・・・
「あぁ、君達・・・・そこに居たの。」
※メデューサ:石化の邪眼と毒蛇の髪を持つ女性の怪物。ゴルゴ-ン三姉妹の末妹で、一人だけ不死では無い。(8人もいない)
うわぁぁぁぁ!!またもや、誤字(?)スミマセン。報告有難うございます。
「シュミレーション」じゃ無くて「シミュレーション」なんですって!!
皆さん知ってました?知ってますよね~。私は知りませんでしたぁ!!ごめんなさい!
間違って覚えていました。ぶっちゃけ、誤字より恥ずかしいです!!
ご指摘、本当に有難うございましたっ!!