時間取らせてゴメン！！
指摘されて気づきましたっ！！ずっと『魔方陣』って打っていたんですけど
魔方陣× 魔法陣○ です！！
一発変換で『魔方陣』って出るから気づきも気になりもしなかった・・・不覚！！
４９話までざっと遡って修正しましたが、漏れが有るかもしれません。申し訳ないです。
地下空間に続く地下入り口は、北東地区の霊園にあった為、ひとまず着替えの出来そうな場所に移動する事になった。
「ここに来る前にぃ、商会の職員にどこか待機場所を確保して貰う様に伝えておいたんだぁ。捕まっていたギース達を休ませる場所も必要だしねぇ。」
ギースとブライアン、そして他の捕らわれていた三人は、クリス様と商会の人達で、その場所に移動させ休ませているとの事。
ウルシュ君から説明を受けながら霊園から出ると、眉毛がフサフサしたお爺さんが待機していた。
この眉毛のお爺さん、ウルシュ君に会いにスネイブル商会やスネイブル家に行ったとき、よく見かけるのよね。
耳が遠くてあまり会話に成らないんだけど、時々ティッシュに包んだお菓子とかオレンジをくれる。
そのお爺さんに案内されながら、北東地区にある古い集合住宅方面に案内され歩いて行く。
酒場が多いようで、深夜にもかかわらず笑い声や大きな話し声、楽器の音が聞こえて来る。
道には酔いつぶれて寝ている人達もいる。こんな所で寝ていて、スリに遭わないか心配だ。
飲み屋街の建物の間にある細い道を通って行くと、長屋の様な建物が密集していた。
長屋と長屋の間も狭く、通路に物が乱雑に置いてある。
上から、何のためにぶら下げているのか分からない、ボロボロの布が垂れ下がって来ていて、それをくぐって進んで行く。
そしてやはり酒場と同じように、深夜にもかかわらず、多くの人達が起きていた。
長屋の一部が作業場に使われているらしく、おいしそうな匂いと蒸気、賑やかなオバちゃん達の声が漏れ聞こえて来ていた。何かの仕込み中だろうか。
そんな事を考えて、賑やかな長屋の中を覗いてみようとしていると、その長屋の中へと私達は案内されて行った。
仕込み作業中のオバちゃん達の間を通り抜け、奥の部屋へと進んで行く。
横をすり抜けて行く私達を、オバちゃん達はワシワシと撫で「さっきの子達の友達かい？ これ食べて行きな」と蒸した肉まんの様な物を渡して来る。
私達は肉まん（の様な物）を待ったまま、お礼を言いつつオバちゃん達をかき分けて行き、奥にある休憩室の様な部屋へとたどり着いた。
ギースとブライアンは、奥の部屋で他の三人と眠っているらしいので、私とアリスちゃんは手前の部屋で並んで座る。
クリス様は、ギース達の様子を見て来ると、奥の部屋に入って行った。
早速【クローゼット】を開き、肉まん（の様な物）を食べながら、アリスちゃんの能力にピッタリな効果を持った、可愛い衣装を探す。
「そう言えば、アリスちゃん。《超加速》のスキルを持っていたと思うけど、王妃様との修業で使いこなせる様になった？」
「ふえぇ・・・それが全然ですぅ。お父様も同じスキルを持っていらっしゃるんですけどぉ、例え使いこなせる様に成っても身体にかかる負荷が大きすぎるので、そんなに距離を移動出来ない上に、連続して使用できないそうなんですぅ。あ、このパン中にお肉が入ってます！！ ちょっと胡椒が辛いですけど美味しいですぅ」
成るほどね、使いこなせても目の前に居る人の背後を、一瞬で取れる位かしら？
ヤバイ。あの豚マスク男なら、そのくらいスキル使わなくても出来るわ。
実際、さっきの戦闘中に何度か背後取られたし。
私も相手が動いていなければ、出来る気がするし。
「う～ん。《超加速》が使い放題なら、スピードを上げる系の衣装を着て貰おうと思ったんだけど、あまり早く動けないなら、多少スピードを上げてもねぇ・・・じゃあ、防御系重視にしようか？」
「ふぇぇぇ。ベラちゃん、このパン上手に食べないと、お肉の汁がいっぱい出て来て、手がベタベタに成りますぅ。でも美味しいですわぁ」
アリスちゃん、肉まんもどきに夢中で、こっちの話聞いてないわ。
もう勝手に選んじゃおう。あまり時間も使えないし。
スピード強化系は捨てて、防御力や攻撃力の強化を重視で選ぶ事にしよう。
アリスちゃんには、固定砲台的なポジションについてもらう。もしくは不動要塞。
防御系、防御系っと。あ、このテディベア風の熊耳衣装可愛いなぁ。
【クローゼット】のドレスを眺めていると、肩を叩かれ振り返る。
すると後ろに立っていたウルシュ君が、奥の部屋を指した。
「ちょっと僕も奥の部屋を見て来るよぉ。ちょっと気になる事があるんだぁ」
「気になる事？ なにか問題でも有ったの？」
もしかして保護した中に、向こうの仲間が紛れてるとか、そんな感じだろうか？
心配になって問いかけると、ウルシュ君はのほほんとした笑顔で首を横に振る。
「ううん。問題は今の所ないよぉ。単純に保護した三人の中に気になるスキルを持った子が居てねぇ、ちょっと調べようかなぁ、って」
「え、ウルシュ君が興味を持つほどのスキルってどんなの？！」
「具体的な能力はまだ分からないけどぉ・・・スキル名で大体の予想が出来るかなぁ？ まぁ、具体的に分かったら教えるからぁ、イザベラは気にしなくても良いよぉ」
「うん、分かった。こっちの準備が整ったら声をかけに行くね。直ぐに準備を済ませるからもう少し待っていて」
「うん分かったぁ。あとクリス様も行くらしいんだけどぉ・・・男物の服は流石に無いよねぇ？」
男物か・・・男物と言うのとは少し違うけど、『男装ガチャ』が有った筈。
男物はドレス以上に興味無くて、交換で大量放出したから殆ど残ってないけど、それで良いかな？
「一応探してみるよ。男物じゃ無くても、クリス様とウルシュ君が身に着けられそうな小物とか無いか探してみる」
よし、ウルシュ君に、アニマル耳の帽子を被せよう。そうしよう。
絶対に可愛いハズだ。滾る。萌える。
そんな私の邪な考えが透けて見えたのか、ウルシュ君は少し困った表情で前髪を混ぜながら、よろしくと頼んで奥の部屋へと入って行った。
さて、オシャレより動きやすさ重視で選ぶなら・・・
『ラブ☆マジカル』Ｖｅｒ２のイベント『牙楼帝国の第二皇子♡ワクドキ魔物討伐☆護衛イベント』の時の『なりきり獣人ガチャ』のアイテム衣装だな。
イベント詳細は省くとして、魔物討伐の護衛とあって機動力重視だし、防御・攻撃力を強化する効果が高い。
アリスちゃんに怪我をさせたくないので、ノーマルでは無く『真レア』を着せちゃおう。
『真レア』とは、『ラブ☆マジカル』の５００円ガチャには大抵ついている物で、『Ｓレア』一つと『レア』二つ、そして指定された『ノーマル』三点を自力で出して、ガチャをコンプさせるとプレゼントされる品だ。
ちなみに『指定された三点のノーマル』以外は交換で手に入れてもＯＫ。
ちなみにプレゼントされた『真レア』は交換不可。
二頭身に成ったゲームウルシュ君が手渡しでプレゼントボックスをくれるので、交換できていたとしても前世の私は手放さなかっただろう。
と言う事で・・・
アリスちゃんには『真レア』のブラックタイガーの戦闘ドレス『春眠』
黒地に赤ラインの黒虎衣装は、黒髪にワインレッドの瞳のアリスちゃんには良く似合っている。
私は『Ｓレア』のタイガーの戦闘ドレス『暁』を身に付けた。
普通の黄色い虎衣装だけど、金髪の私には違和感なく調和している。
なんとなく皆さんの予想が付いているだろうが『真レア・春眠』と『Ｓレア・暁』は色違いのお揃いだ。
能力的には『真レア』の方が上だけど。
そして、流石ゲームウルシュ君の創る衣装だ。着る人の身体のサイズに合わせて、衣装の大きさが変わるという謎技術が使われている。なんかもう最近、ゲームウルシュ君が怖いんだけど。何者だよ。
クリス様には、『男装ガチャ』のゴシック系衣装。
黒の燕尾服風なんだけど、一応男装とは言っても女性物デザインで、ショートパンツにニーハイで絶対領域が出来る。ミニシルクハットもセットで付けちゃおう。ステッキも持たせちゃおう。
ウルシュ君には、『男装ガチャ』の狩人系衣装。男装だけど若干森ガール風。それに『なりきり獣人ガチャ』のテディベアドレスの小物である、熊耳だけを加える。
ウルシュ君に熊耳っ！！ これは凄く似合うはずっ！！
衣装の準備が出来たので、早速奥の部屋に居るウルシュ君とクリス様を呼ぶと、二人に用意した衣装を着て貰う。
そこでクリス様から、ステッキは邪魔だと却下されてしまった。
確かに弓と短剣が主要武器のクリス様にステッキは邪魔よね。残念だけど仕方が無いわ。
ウルシュ君は、思っていたより無難な組み合わせだったと安心しながら着てくれた。私がどんな衣装をウルシュ君に着せようすると思っていたのかしら？
そして想像通り、熊耳のウルシュ君は尊かった。信仰したいレベルで尊いよウルシュ君。
そこで問題発生。ウルシュ君の衣装を見たクリス様が、自分だけ動物シリーズじゃないと拗ねだした。
自分も動物の耳が欲しいと。
そこで、ミニシルクハットは無しにして、『なりきり獣人ガチャ』のウサギ戦士ドレスのうさ耳だけを付け加えました。クリス様は耳が良いから、ピッタリじゃ無い？
あと燕尾服風なのも合わさって、不思議の国のアリスのウサギみたいで良い具合にマッチしている。
コレで、目が死んでさえいなければ、ショタ好きのお姉様方が大量に釣れそうだ。
「時間取らせてゴメン！！ 急いで廃工場跡に行こうか」
そう言って、部屋から飛び出そうとすると、クリス様に呼び止められる。
「・・・・まだ・・・彼らは地上に出て来てない・・・のと、ギースとブライアンが起きた。・・・・・事情を説明したら・・・・・一緒に行きたいって・・・・」
う、うーーーん。どうしようか？
現時点での二人の実力が分からないし、彼らは一度敗れて囚われたのよねぇ・・・
冷静に考えると連れて行かない方が良いんだろうけど・・・・どうしよう？
