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悪役令嬢は、庶民に嫁ぎたい!!  作者: 杏亭李虎
カラーズコレクターと七大罪スキル
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もしかして色は”青”じゃない?

ここでお茶会で誘拐騒ぎとなったらしい、2人目の攻略対象である

魔術師団長子息、ギース・ネイ・トーランドについて、おさらいしよう。


彼は、現魔術師団長である父親を持つ、ライトブルーの髪に、青い瞳の青年で、攻略対象だけあってイケメンだ。

性格は若干じゃっかんオカンが入っているタイプの、面倒見のいい青年だが

問題行動に対して、優しい笑顔でブリザードを吹かせながら敬語で怒るキャラだ。


ギースのルートのライバルキャラは以下の通り。

公爵家令嬢、イザベラ・アリー・ロッテンシュタイン

ギースの取り巻き(信者)、ライアン・トム・マーティン。

婚約者候補、マリアンヌ・メイ・ホフマン。

子爵家令嬢、ミリアーナ・リリィ・ヒルソン。

の合計4人。


まず、ライバルキャラの私、イザベラについては前にも説明した通り、長兄がギースの姉と結婚するので、ギースとヒロインが結ばれると、庶民と親戚に成るから嫌だと言う理由で虐めを行うんだけど、これについては私は卒業後、ウルシュ君と結婚して行商に出るから問題はないとして


次に婚約者候補のマリアンヌは、伯爵令嬢で、いわゆる脳筋系の”ライバル令嬢”枠のキャラクター。

ギースのルートでは、彼女との決闘イベントが複数回有って、ミニゲーム等で戦闘のパラメーターを上げて行かなければ、突破出来ない仕様となっています。

ちなみにこの決闘イベント。

この『ラブ☆マジカル』と言うゲームって、アクションゲームだったかな?

って言う位、力が入っているので、ギースルートはクリアできない人達が続出した代物しろものなのよね。

ただし、このマリアンヌとの戦闘イベントは、チュートリアルでしかないから驚きである。


次に、子爵令嬢のミリアーナだが・・・・・

彼女は、”悪役令嬢”枠のキャラクターで、ヒロインの腹違いの姉である。

彼女は、ヒルソン子爵家の庶子、つまり愛人の子供であるヒロインを嫌っていて、虐めを行うというキャラ。

2人姉妹で、ヒロインと同い年の妹がいて、その子は騎士団長子息のブライアンのルートで出現する。


そして、最後にご紹介するライバルキャラである、ライアン。

Ver1の攻略対象の中で、唯一ライバルキャラに男が混じっているが、決してBLじゃないから注意するように。

実はこのライバルキャラのライアンと言う男は、ギース本人も知らないが、ギースの護衛である。

何故ギースに護衛が付いているかと言うと。


彼、ギースは幼少の頃”誘拐”をされ、そこから自力で逃げ出したが、犯人が捕まっておらず、その後も犯人に狙われている可能性が有るからだ。


そう。魔術師団長子息、ギースのルートに入ると、この誘拐事件にかかわるエピソードが入る。

ただし、その誘拐エピソードは7歳の頃の出来事だとされており、今回の誘拐は一年早く、しかも未遂で終わっているらしい。

ちなみにマリアンヌとの決闘イベントが、チュートリアルなのは、このライアンと誘拐犯との戦闘イベントの所為せい

ギースルートで、一体何回戦闘さすねんっ!!って言うくらいの度重たびかさなる戦闘イベントで、乙女ゲームであることを本気で見失いかけるのよね。

私は好きだけど。


ちなみに、この誘拐犯はVer1は匂わす程度で出て来て、最終的に倒せるのはVer3。

さらにはVer2辺りから、ヒロインも狙われるように成るから、あら大変。


さて、今回の誘拐騒ぎが、ゲームに出てくる、ギースの誘拐シナリオと同一の物かを確認しておこう。


「えーと、馬車の件と魔術師団長子息の誘拐騒ぎですが、イザベラお嬢様が馬車を投げた事でですね、目撃していた騎士達が、馬車の中に乗っていた子達の身元と無事を確認しようと、お茶会の担当者である使用人に確認の連絡を入れた事により、アマリリス嬢は身元が直ぐに分かったのですが、袋に入っていた子の身元が中々分からなくてですね・・・。」


うん。袋に入っていると誰だか分からないよね。

第二王子が乗っているのが直ぐに分かっていたら、大騒ぎになっていただろうから、王妃が王子を袋詰めにしてくれていて、本当に良かった。


「では、お茶会の会場にいない子は誰だ?と成ったときに、魔術師団長子息のギース様がいらっしゃらない!と言う事になり、馬車に乗っていたのはギース様かと思われたのですが、そこに現れた王妃様が、イザベラお嬢様達と遊んでいる袋に入っていた子は、庭師の子供だと仰られたらしくて・・・。」


王妃様有り難うございます。

もう少しでギース誘拐犯の第一容疑者に成る所でした。


「じゃあ、ギース様はどこに?と言う事に成りまして、王宮内の近衛騎士や使用人達で大捜索に成ったそうなんです。」


「それでぇ・・・・見つかったのぉ?あ、コレはイザベラのオムライスねぇ~。めしあがれ~」


ウルシュ君が昼食を運んできてくれた。

いつの間にかマーキスさんが昼食を用意していたらしく、お昼ご飯になったようだ。


「わぁ!!ウルシュ君運んで貰ってゴメン、有り難う。まだ手伝うことは残っているかな?」


「イザベラ達は座ってて~。マーキスが調理中の時は、慣れない人が厨房に入ると、被弾するからぁ~」


「・・・被弾?料理してるんだよね?銃撃戦してるんじゃ無いよね?」


「”じゅうげきせん”が何かは分からないけどぉ・・・ほら、厨房は戦場って言うじゃない?そういう事だよぉ~」


いや、そういう事って言われても、どういう事か分からないんだけど・・・


「この世界に”銃”って在る?」


「じゅう?分からないなぁ。なんで?」


「いや、ウルシュ君が”被弾する”って言うから・・・銃が無いなら、何が被弾するの?料理中に。」


マーキスさんが、どんな調理をしているのか不安だわ。

あ、オムライスがハート型で、ケチャップでお花が沢山描かれてる・・・

相変わらず可愛い盛り付け(?)するわね。


「ん~、被弾はねぇ。ファイヤーボールとかウォーターボールとかかなぁ?」


ちょっ!!行きたいっ!!厨房に行きたいっ!!

ファイヤーボールやウォーターボールを駆使した調理法が、見たいっ!!被弾しても良いからっ!!


「ウルシュ君っ!!今かr・・」


「駄目ぇ~。他にも危ないのが色々あるんだから、行ったら駄目だよぉ~。」


言う前に釘を刺されてしまった。

ウルシュ君。ちょっと過保護だと思うの。

私だよ?キングなコングの私だよ?大丈夫だからさ。

そんな気持ちを込めて、ウルシュ君を見つめる。


「駄目ぇ~。そんな訴えかける目をしても駄目ぇ~。ほら、手伝いたいならスプーン並べるとか、他にも作業があるから、それをしようねぇ。」


ウルシュ君は、絶対に厨房へ行かせてくれない様だ。残念。


昼食だと言うことで、話は一時的に中断し、お茶やスプーン等の準備をする。

第二王子を顎で使うわけにはいかないので、座っていて欲しいと頼んだが、手伝いたいと言うことで、皆で用意をする事になった。

アリスちゃんは第二王子と二人で、人数分のお茶を入れると言う共同作業を、幸せそうにやっているので、これはこれで良かったかもしれない。


わいわいと準備を終え、全員で席について食べ始めた所で、誘拐騒ぎについての話を再開する。


「え~と。ギース様が見つかった経緯なんですけどね。捜索していた近衛騎士の班長が、大きな布に包まれた塊を抱えて、裏口から出ていこうとする不審なメイドを見つけたらしいんですよ。高級そうな布だったので、余計に持ち出しているのがおかしいと。」


「ポールさん。もしかして、その高級そうな布に包まれていたのが、ギース様?」


「そうです。近衛騎士が呼び止めようとしたところ、メイドは急に走り出し、逃げ出そうとしたそうですが、近衛騎士達に捕縛されたようです。そして、その布の中に、眠らされたギース様が発見された事で誘拐未遂という事に成り、捕縛されたメイドに事情を聞き出そうとしたそうなんですが・・・」


「その前に、メイドは血を吐いて息絶えた。でしょ?」


後に続くであろう言葉を引き継ぐと、ポールさんは目を丸くして息を止める。

どうやら、その通りだった様だ。


「イザベラお嬢様、一体なぜそれを?もしかして、この誘拐騒ぎに何か心当たりでも?」


我に返ったポールさんに問いかけられるが、その質問には答えずに、質問で返す。


「ギース様の包まれていた”高級そうな布”だけど、もしかして色は”青”じゃない?それも、ギース様の髪の色とまったく同じ色。違う?」


「・・・はい。確かに”青い布”だったようです。ただ、ギース様の髪色と、まったく同じ色だったかは分かりませんが、青い布だった事は聞いています。」


本来のギースの誘拐エピソードは、約1年後、ギースが7歳に成って、初めてお茶会に参加した時の出来事だ。

ちなみに、それは王宮のお茶会では無く、騎士団長の家

つまりもう一人の攻略対象者である、ブライアンの実家、アンダーウッド伯爵家主催のお茶会で起きる事件だったハズ。

そして、自分の家で開かれたお茶会で誘拐されたギースに対して、ブライアンは引け目を感じるようになる。


今回の誘拐騒ぎと、ギースの誘拐エピソードは、時期も場所も違う。

だけど沢山の共通点が有る。

まずギースの初めてのお茶会だと言う事。

犯行に及んだ者が、ギースの髪色と同じ色の布を用意していて、それでギースを包んで誘拐して行く事。

誘拐の関係者が、事情聴取を受ける前に、血を吐きながら苦しみ悶えて死んで行く事。


これらの共通点から、確信する。

今回の誘拐騒ぎは、ギースの誘拐エピソードが前倒しに成ったものだ。


同じ手口の誘拐犯が、他に何人も居たら困る。

どうやら、ゲームでもかなり厄介な敵キャラが動き出した様ね。

アイツが倒せなくて、何度バットエンドを繰り返し、何度ギースルートをやり直した事か。



芸術家気取りのサイコパス。

自分の妄想に取りつかれて、誘拐を繰り返す犯罪者。


『カラーズ・コレクター』


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