表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
悪役令嬢は、庶民に嫁ぎたい!!  作者: 杏亭李虎
チート転生と、ゲームの裏事情あれこれ。
45/145

まさか、第二王子の?

「・・・・・えーと。ボクのお母様は・・・冒険者?・・・。お母様は王妃なのに?・・・・」


第二王子は、無表情、半目のまま首をかしげる。

確かに、王妃が冒険者っていうのは、不思議だよね。

実家が伯爵家って事なので、独身の頃だとしても、冒険者に成るのは難しい。伯爵令嬢なんだから。


その辺の説明は私から出来ないので、ウルシュ君の方を見る。

話を振ってきたと言うことは、ウルシュ君はその事について、何か知っているんじゃない?

私の視線を受けて、ウルシュ君は、ふにゃっと笑うと、頷いた。

やはり知っているらしく、説明をしてくれるらしい。


「王妃の実家が、ランバート伯爵家って言うことは知ってるかなぁ?そのランバート伯爵家の領地についても。」


いや、領地については分かんないです。王妃の実家が伯爵家だっていうのも、鑑定で知ったわけだし。

代わりにその質問に答えてくれたのは、王子だった。


「・・・・この国最大のダンジョンがある土地だよね。・・・・お祖父様のランバート伯爵は、その地を領地としていて、ダンジョン都市を管理している・・・んじゃなかったかな?・・・」


へー。王妃の実家にはダンジョンが在るのか。

この国最大って言う事は、他にも在るって言う事かな?

今度調べてみよう。


「だけど、それがどう王妃と繋がるの?」


例え領地にダンジョンが在るからと言って、伯爵令嬢がソコに入る許可は勿論、冒険者に成るのも、なかなか認めて貰えなさそうだけど。

アリスちゃんも同じように感じたのか、何度も頷いていた。


「ソレはねぇ。魔物が大量発生してあふれてくる、モンスターテンペストって言うのが有るんだけど、歴史的にランバート領のダンジョンはソレが多くてねぇ。溢れてきた魔物達が他所に出ないよう食い止める役割を、ランバート伯爵家とそこに連なる5家がになっているんだぁ。前線で正面切って戦うらしいよぉランバート家。」


「つまり王妃も、王家に嫁入りする前は、ランバート家の人間として魔物とソレなりに戦えるように、鍛えられてきたって事?」


いざという時は、令嬢であっても魔物退治に駆り出すつもりでいるって言う事?

カッケェな、ランバート家。


「そうだよぉ、ランバート家とそこに連なる5家に生まれて来た子供達は、男女関係なく、物心ついた頃にはダンジョン都市の別宅に移されるんだよぉ。5歳で冒険者の準登録が出来る様に成ると、ダンジョンの一階層で薬草とかの素材採取をしたりして、8歳に成る頃にはダンジョン内に月単位で放り込まれるんだぁ~。一応、護衛は付くけど、半数が成人前に脱落するらしいよぉ~」


どういう脱落の仕方なのかは怖くて聞けないけど、王妃の実家が、戦闘方面で、異常なまでにスパルタだって言う事は理解出来たわ。

児童福祉法が来い。ある意味虐待だよそれ。


「ふぇぇ・・・どうしてそこまでしないと、いけないんですの~?」


ランバート家の実家のスパルタ具合には

ワームを殲滅するアリスちゃんですら、引いている。


「あそこのダンジョンは、特殊でねぇ~。この大陸で唯一、一階層の迷宮が地上に露出しているんだぁ~。だから魔物がダンジョンから出て来やすくてねぇ、ダンジョンを高い防壁とシールドで囲っているんだよねぇ。」


一階層が地上に露出しているって、どういう事だろう?

想像が付かなくて困惑していると、それが表情に出ていたのだろう。

ウルシュ君はダンジョンについて補足してくれる。


「え~とねぇ。普通のダンジョンは、洞窟みたいな入り口から始まっている事が多くて、地下と言うか、地中に一階層が在るんだけどぉ、ランバート伯爵領のダンジョンは、地上がクレーター状に凹んでいて、そこが一階層として始まっているんだぁ、ちなみに迷宮型と言うか、迷いやすい森と遺跡みたいな感じ。屋根と言うか、天井が無いから、他のダンジョンと比べて魔物が領地に出てくるわけ~。」


ソレって大変な事なんじゃないの?

その領地に住んでいる人は、魔物の危険と隣り合わせな生活しているって言うことだよね。


「おかげで、領民も何だか強い地域でねぇ・・・・ランバート領の兵士はこの国でも特に強いよぉ~。反乱を起こされたら、下手すると国が終わるレベルで強いから、王家としてはランバート家と繋ぎを作りたかったわけ。それが、現国王と王妃の婚姻に繋がっているんだぁ。王妃は冒険者続けたくて、王家に嫁ぐの、最初は嫌がっていたみたいだよぉ~。」


領民も環境に鍛えられてんのか・・・。

そして、やっぱり王家や貴族の婚姻には、そういう思惑とかがいろいろ絡むわけね。


「ほぇ~。でも、今は国王陛下と王妃様は仲睦なかむつまじいですよねぇ?」


「うん。国王陛下は・・・・こう言うと不敬かも知れないけどぉ、変わり者だからねぇ・・・。王妃が冒険者活動を続けるのを許可してるみたいだしぃ、最近は王国騎士もランバート方式の鍛え方しているみたいで、新兵をダンジョンに放り込んでいるみたいだしぃ・・・多分、王妃の考えを陛下が採用したんだろうけど。そんな感じで、気が合ったみたいだよぉ?」


そう言えば、元王女のお母様も、少し変わり者の様な・・・・。

まぁ、政略結婚だとしても、結果的に上手くまとまったのなら良かった。

ただ一つ気になる事が有るとすれば・・・・


「ウルシュ君・・・王妃は、いまだに冒険者やっているの?現役で?」


「そうだよぉ、大々的にはやってないけどねぇ。お忍びって言うか、正体を隠して活動しているよぉ。仮面被って、男装して。変装しているつもりだろうけど、バレバレだよねぇ・・・ランバート家の独特の髪の色で。」


そう。王妃様は美しく珍しい、ピンクゴールドの髪色をしている。

なるほど、あの髪の色はランバート家の特有の物らしい。


ん?そういえば男装で仮面って、どこかで聞いたな。どこだっけ?まぁ良いか。


「だから、第二王子は王妃様に、騎士団に入るまでの指導を受けるのかと思っていたんだぁ~。」


成る程、確かに騎士団の訓練に一枚噛んでそうな王妃なら、第二王子の訓練もしてくれるんじゃないかな?ランバート家方式で。


それにしてもダンジョンか~。せっかくのファンタジー世界なんだから、ダンジョンにも行ってみたいな

ドラゴンも見てみたいし、スライムやワーム以外のモンスターも見てみたい。

よし、ウルシュ君を誘おう。


「ウルシュ君。いつかダンジョンデートしようよ。」


「良いよぉ。何か良いアイテム素材が見つかるかなぁ?」


「ダンジョンでしか食べられないような、ダンジョングルメとかあれば良いねっ!!」


ウルシュ君とダンジョンデートの計画を立てていると、マーキスさんとポールさんが帰ってきた。


「戻ったぞ~。おい、イザベラお嬢様よ、あのワームの量は流石に無理だ。さばききれねぇから、ほとんど燃やしてきたぞ。ほれ、取り損ねてた魔石だ。」


マーキスさんは帰ってくるなり、まくし立てて、魔石の入った袋を投げて寄越よこす。

私とアリスちゃんもワームの量に途中で嫌になって、魔石の回収を諦めたのだけど・・・

そうか、燃やせば良かったのか。

マーキスさんに魔石のお礼を言っていると、ポールさんが近づいて来る。


「ウルシュ坊っちゃん・・・もしよければ、治癒をお願いできませんか?」


「ポールの?良いよぉ。怪我?どうしたのぉ?」


ポールさんは右胸を押さえている・・

あ、そういえば私、ポールさんを蹴り飛ばしたわ。30M位・・・


「うわぁっ!!そうだった!ポールさん御免なさいっ!!大丈夫だった?!いや、大丈夫じゃないから治癒が必要なのかっ!!どうなったの?」


ポールさんは苦笑いを浮かべながら、手を振る。


「いえ、咄嗟とっさに受け身をとったので、心配する程では無いですよ。あのままだったら、ワームに丸飲みされていたので、助かりました。有り難うございます。」


「ん?イザベラ、ポールと何かあったのぉ?」


不思議そうにしているウルシュ君に、ポールさんを蹴り飛ばした時の経緯を説明する。


「イザベラ、ポールさんは戦闘要員じゃないけど、咄嗟に護身が出来る人で良かったねぇ。普通の人なら多分、怪我じゃ済まないから。」


「本当に申し訳無いです。」


ポールさんへの治癒魔法は、私が責任もってかけさせて貰いました。

ポールさんはアバラが4本逝ってたよ。ポールさん本当にゴメン。

治療が終わる頃、ポールさんが急に思い出したように、聞いてきた。


「そういえばイザベラお嬢様、昨日、城壁の内側から外に向かって馬車を投げたり・・・しました?」


「へ?したけど・・何で?」


返事を返すと、ポールさんは、やっぱり話に出て来ていた令嬢は、イザベラお嬢様だったかと、頭を抱えガックリしていた。


昨日の馬車投げの件と言えば、第二王子を誘拐したときの事だよね?

誘拐といっても、王妃様協力の元だから、ある意味お忍び外出?


気を取り直したポールさんは、顔を上げて話し始めた。


「先程、スネイブル商会の奥様から、連絡が有ったんですけど、昨日の王宮のお茶会で誘拐事件が有ったそうなんですよ。それで、ひと騒動有ったそうで、」


「まさか、第二王子の?」


思わずポールさんの言葉に被せる様に質問してしまったが、今はそれどころじゃない!!

なんてこったい!!第二王子の誘拐は王妃様の協力を得ていたし、王妃様が後は誤魔化してくれるって言っていたから、安心していたけど・・・・馬車を投げた事で目立ってしまったか?!

そう言えば、近衛騎士の人に呼び止められて、袋詰めに成った王子を見られているし・・・・


やばい、どうしよう。王族誘拐って大犯罪だよっ!!


だが、私の内心の焦りを他所に、ポールさんの返事は予想外の物だった。


「へ?いや、誘拐されたのは魔術師団長のご子息の、ギース様です。お茶会の途中から姿が見えなくなっていたそうです。でも落ち着いて下さいね?大丈夫ですから。それで、馬車の件なんですけど・・・」


魔術師団長子息のギース?

彼なら、お茶会の途中で、図鑑片手にどこか行ってたよ?

ん?そう言えば・・・・いつまでたっても帰って来なかったような・・・


もうすぐ一章が終わります。


感想欄でご質問いただきました。

Q:なんでステータスの身分に、イザベラは公爵令嬢があるのに、アマリリスちゃんは侯爵令嬢ってないの?

A:うっかりしてたーーーーーーっ!!ここ、もうすぐ重要に成る所だったのにっ!!ご質問・ご指摘、有難う御座います!!本当にっ!!

アマリリスちゃんと第二王子のステータスの身分を、慌てて修正を行いました。

(連鎖で、第二王子のステータスのミスにも気づいた。)


ふぉーーー!!変換ミスや打ち間違え乱立っ!!

ご指摘有難うございましたっ!!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ