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悪役令嬢は、庶民に嫁ぎたい!!  作者: 杏亭李虎
チート転生と、ゲームの裏事情あれこれ。
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どうして、そうなった。

ひとまず、第二王子の事は置いておこう。

正直なんか怖いし。

情報を収集してから鑑定しても遅くは無いよね。

心構えも無いまま、変なステータスを見ちゃったら動揺しそうだから

心の準備をする為にも、先に情報を得ておこう。


「そう言えば、ロッテンシュタイン公爵家のご息女が婚約されたそうですわね。貴女ご存知?」


お茶会の会話に意識を戻した所で、隣に座っていた、中学生位の年代の令嬢が話しかけて来た。


ご存じも何も、私がそのロッテンシュタイン公爵家のご息女だよ。

まぁ、気配が希薄で、どこの誰だか認識されていないんだろうけど。

隠密大成功って言う事かな?

とりあえず、第三者の振りをしておこう。


「えぇ、何でもお相手は、スネイブル商会のご子息だそうですわね。」


すると、私達のやり取りを聞いていた他のご令嬢達も、会話に混ざって来た。


「何でも、一目合った時から身分を越えて、お互いに運命を感じたとかっ!!」


ウルシュ君が運命を感じたかどうかは、分かんないけどね。そうだと嬉しいけど。


「公爵令嬢と商人の次男という身分差によって、周りから大反対されていたそうですわっ!!」


ん?いや、特に反対といった反対はされて無いけど?


「まぁ!!そうなんですの?わたくし、ロッテンシュタイン家のご息女が、婚約したと言う話は耳にしたのですが、詳しい事は知りませんのっ!聞かせて下さらない?」


詳しく語られる程の事は何も無かったぞ・・・。

仮婚約して、周囲に婚約したと思われて祝福されて、本当に婚約出来る事に成っただけの話なんだけど。


「ロッテンシュタイン家のご息女様は、イザベラ様とおっしゃるそうですわ。そのイザベラ様はご両親に、運命の人を見つけたと、スネイブル商会のご子息を紹介なさって、婚約したいと直談判したそうですの。」


「まぁっ!!確かイザベラ様はまだ、6歳なのでしょう?」


「何歳で出会っても、運命の人は運命の人だわっ!!歳なんて関係無いのよ!!」


「私の運命の方は、どちらにいらっしゃるのかしら?あぁ、でも駄目ね。私の両親は恋愛結婚なんて許して下さらないわ・・・。」


「しっ!!今日のお茶会には、そのロッテンシュタイン公爵夫人と、イザベラ様が参加して居た筈よっ!!皆、声を抑えてっ!!」


「まぁっ!!本当ですの?どの方かしら?」


同じテーブルのお嬢さん方は、他のテーブルや温室の中を見渡し始める。


「イザベラ様のお母様が元王女様な事も有って、王家の方々と同じ、濃いゴージャスな金髪だと聞きましたわ。瞳の色はロッテンシュタイン公爵家の特徴である、グラデーションがかった鮮やかなブルーだとか。」


「あら?どこかしら?公爵夫人はいらっしゃるけど、イザベラ様らしき方が見当たりませんわ。」


いや・・・ココに、同じテーブルに居るけど。

探して下さっている所、申し訳ないが、隠密行動中だから名乗り出る訳にはいかないんだ。

なんかスマンな。


探してもイザベラが見つからない事で諦めたのか、令嬢達は周囲を見回すのを止め、再び話題は私とウルシュ君の婚約話に戻った。


「周りに婚約を反対された2人は、数週間かけて手紙のやり取りをして、手を取り合って逃げる計画を立てたんですわ。そして!!それを実行に移したんですのっ!!」


ふぁっ?!?!

いやいやいやっ!!

確かに逃げる事も選択肢には有ったけど、実行には移してなかったよ?


「駆け落ちですわっ!!身分違いの愛の果てに、逃避行を選んだんですわね?」


「でも2人とも、まだ6歳でしょう?どうやって生活して行くつもりだったのかしら?」


「それもちゃんと考えていたみたいですわよ。逃げた2人は冒険者の準登録をする為に、冒険者ギルドへと向かったんですの。」


えっ?えっ?そうなの?

私とウルシュ君ってば、冒険者の準登録をしに、冒険者ギルドに行ったのかっ?!

そんな事あったっけ?

っていうか、冒険者の準登録とか初めて聞いたけど?何だろソレ。

いや、ウルシュ君なら知っているかもしれない。

言われてみれば、冒険者の準登録をしに、冒険者ギルドに行った様な気もしてきたぞ?

・・・・いや、行って無いわ。行って無い。


「そして、2人が冒険者ギルドに着いた時、イザベラ様の専属メイドが追いかけて来たんですの。”私もお供させて下さいっ!!私はイザベラお嬢様がどんな生き方を選ばれても、常に傍でお仕えし続けたいのですっ!!”ってっ!!」


「まぁ・・・・イザベラ様は使用人に慕われていらっしゃるのね。」


これ、誰の話だろう?私の話じゃないなぁ・・・

なんか他の人の、別の話と混ざっていないか?


その後も続いた令嬢たちの話を要約すると、こんな感じだった。


その話を聞いていた冒険者が

”イザベラ様に仕えるのは俺達の使命であり、運命だ。戦えないメイドなどイザベラ様のお荷物に成るだけだっ!!”と立ち上がり、私の傍仕えの立場を賭けて、メイドに決闘を挑んだらしい。

メイドはその決闘を受けて立ち、両足を骨折しながらも3人の冒険者を床に沈めた。

しかし、そこにやって来たのは、私の兄である近衛騎士団第一部隊隊長のダイモン・ザック・ロッテンシュタインである。

私を連れ戻そうとする兄から、私を逃がすために、折れた両足で立ち塞がるメイド。

冒険者ギルド内で繰り広げられる、手負いのメイドと近衛騎士団部隊長のステゴロ対決の騒ぎに乗じて、冒険者達が私とウルシュ君を逃がしてくれる。

しかし、逃げている途中に私とウルシュ君は、マフィアの違法な奴隷取引の現場を目撃してしまう。

マフィアから命を狙われ、追いかけられるさなか、私とウルシュ君ははぐれてしまう。

マフィアの放った殺し屋から逃げながら、お互いを探し続ける2人。

そんな異常事態に気付いたのは、街に買い物に来ていた、ダイモン兄様の婚約者のマリン様である。

マリン様はすぐに近衛騎士団の寮へと走り、私がピンチで有る事をダイモン兄様に報告しようとするも、ダイモン兄様は外出中だと言われる。

そこで近衛騎士団団長のご息女であるマリン様は、勇ましくも軍馬に跨り、私をマフィアの魔の手から救い出す為に、自ら数人の騎士を率いて街へと飛び出して行った。

そんな中、一人慣れない街中を迷子に成りながら逃げる私は、謎の仮面の麗人戦士と出会う。

彼女に才能を見出され、麗人戦士の弟子となる私。

2時間の厳しい修業の果てに、私は覚醒し、時計台すらも駆け上れる身体能力を手に入れる。

時間を同じくして、マフィアの殺し屋を返り討ちにしながら私を探すウルシュ君。

そして大通りで偶然、私の父であるロッテンシュタイン公爵と対峙する事に成る。

私の父は”我が娘を嫁に望むのであれば、元A級冒険者であった私と戦い、娘を守れるだけの強さを見せ、己を認めさせるがいいっ!!”と、”偶然”持っていた戦斧バトルアクス片手にウルシュ君に戦いを挑んだ。

ウルシュ君はそれを了承し、大通りで住民たちの見守る中、私との婚約を賭けた戦いが始まった。

なんやかんやあって、最終的にはウルシュ君が父の隙を付いて、父の武器である戦斧バトルアクスと石畳を一瞬にして錬金合成して同化させ

その場に数秒間、父の動きを縫い止める事に成功し、その隙に”偶然”持っていた荷馬車用の鞭で攻撃。

見事、父を倒してみせた。

その時、マリン様が騎士を率いて合流する。

ウルシュ君を認めた父と兄は、私の救出の為に協力し合う事にし、騎士団とスネイブル商会にも協力を要請。

私の保護とマフィアの壊滅の為に動き出した。

深夜にまで及ぶ、マフィアとの戦いの末、私とウルシュ君は大通りの真ん中で感動の再会を果たす。

その再会の瞬間に偶然立ち会った騎馬隊の騎士は、2人の愛の深さに感動の余り、その場に崩れ落ち、涙したらしい。





・・・・・どうして、そうなった。



感想有り難う御座いますっ!!眠たい方が他にもいらっしゃって良かったです。私だけでは無かった。

後書きに対して「春眠 、暁に吼える」と言う、謎の格好いいコメントを頂きました。

春眠さんが、暁に吼えるんですね。獣人さんかな?

春の字が付くから女の子が良いです。虎の獣人さん希望。


牙樓帝国がろうていこくが八代皇帝の第一子、春眠皇女。

美しき漆黒の毛並み、鮮やかな紅玉の縞模様を持つ虎の獣人である彼女は、10歳の誕生日を目前に、父親である皇帝を亡くし、10歳の誕生日に女皇帝の座に就く事となる。

まだ幼い彼女は、以前より決められていた10歳年上の婚約者に、成人するまで国政を任せる事となった。

しかし、国政を任せられた婚約者は、家臣の娘と恋仲に成り、その娘と権力を手に入れるため、

春眠は帝国を衰退させる呪われた黒虎で有り、彼女を封じなければ帝国が滅びに向かうと言う預言をでっち上げ、反乱を起こした。

抵抗する皇帝の血族や家臣達は次々と処刑され、まだ10歳の春眠は捕らえられ、封印として、小さな細工箱に押し込められた。

婚約者は、呪われた黒虎から帝国を救った英雄を名乗り、皇帝の座につき家臣の娘を娶った。

春眠は大切な家族や家臣の命を奪った、元婚約者だった男への怒りと恨みを、身動き一つ取れない小さな細工箱の中で呟き続け、それはやがて呪詛へと変わっていった。

春眠が細工箱に閉じ込められ、18日目の明け方(暁)、呪怨の咆哮を最期に彼女は小さな箱の中で、息絶えた。

以降、牙樓帝国の皇族に成り代わった男の子孫は代々、春眠の呪いを身に宿す事に成る。

牙樓帝国が失われ、地位を失おうとも呪いは残り続け、呪いを継承する者の精神を削りながら、呪いは周囲に影響を及ぼし続ける。

その呪いはいつしか「特殊継承スキル」と呼ばれるようになる。


特殊継承スキル:大罪王シリーズが一つ《怠惰王の◼️◼️》

それは、

小さな暗い箱の中で息絶えた

牙樓帝国、九代女皇帝。春眠の呪い。


とか言う、無かったハズの大罪王スキルの設定が出来てしまう所だったっ!!危ない危ないっ!!

そんな設定、重たすぎるし、収拾つかなくなるわっ!!

何より春眠ちゃんが可哀想過ぎるっ!!日向ぼっことお昼寝が好きな、のんびり屋さんの可愛い子だったのにっ!!元婚約者のクソ野郎、絶対許すまじっ!!

って・・・後書きが空想で長くなってしまいましたスミマセン。


※細工箱:決められた手順で細工を動かさなければ開かない箱。所見殺し。

秘密箱やからくり箱とも言う。

仕掛け数は様々。211回仕掛けの物とか、中に入れた物を取り出せる気がしない。

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― 新着の感想 ―
[一言] 既に報告されている方がいるとは思いますが 後書きは誤字報告できないようなのでこちらでw 『※細工箱:決められた手順で細工を動かさなければ開かない箱。【初】見殺し。』
[良い点] 壮 大 な 物 語 どうしてそうなった……スネイブル商会の貴族向け情報操作と乙女の噂話の融合?
[一言] 後書き凄い…。 これ一つで短編作れる。。
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