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悪役令嬢は、庶民に嫁ぎたい!!  作者: 杏亭李虎
チート転生と、ゲームの裏事情あれこれ。
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こんな感じの生き物ですっ!!

「【強欲王マモンの眼】って何だろうねぇ~。他のスキルは、スキル名が効果だろうから何となく分かるけど、これだけはスキル名を聞いても効果が分からない様になってるねぇ。【鑑定】のスキルが無いから、多分僕の“鑑定だと思われてるスキル”がコレなんだろうけど・・・・」


「あ、ちょっと待ってね。このスキルだけ詳細説明が見れる様に成っているから、確認してみるね。」


『七大罪の魔眼』の様に▽が付いているから、詳細が見れるはず・・・。




強欲王マモンの眼》

強欲王の前には、何者たりとも、その価値偽る事あたわず。



・・・・。え?

あの・・・、もっと具体的に説明をお願いできませんか?強欲王マモンさん。

いや、強欲王マモン様?


えぇ~と。つまりどういう事だ?

まず、強欲王マモン様は、価値を測る事が出来る、【鑑定】とか【看破】系の能力ですよね?多分。

そして“何者であっても偽る事が出来ない”という事は

強欲王マモン様に【鑑定】【看破】されそうになったら、防ぎようが無い。って事か?

流石【強欲アウァーリティア】さんの上位スキル。隙が無いっすねっ!!

自分より格上な相手であっても、問題無く発動できちゃうって事でしょ?


知れば知るほどチートだよ!ウルシュ君!!

君は一体、どこへ向かっているんだっ!!何を目指しているんだっ!!

あ、目指す先は“商人”と“錬金術師”か。


───────って!!どんな商人だよっ!!

こんな、世界が獲れそうな商人が、存在して良いのかっ?!


いや、待てよ?

よくよく考えたら、ゲーム上でウルシュ君が創っていた

ゲームガチャの「Sレアアイテム」が、伝説レジェンド級の品物だった事を考えると

ゲーム展開をそのまま行けば、9年後の学院入学までの間に、ウルシュ君は伝説や神話レベルのマジックアイテムを作り出せるような、錬金術師に成れると言う事。

なので、現時点でウルシュ君が多少人間離れしていても、おかしくは無い。


おかしくは無いんだけど、壊れ性能すぎるよ・・・・ウルシュ君。

私の転生人生の初っ端から、強さのインフレが起こっているよっ!!


このまま、私の周りでインフレが起き続けた場合に、問題になって来るのが

学院入学1年目に行われる、「悪役令嬢イザベラ」への「断罪イベント」


ウルシュ君の婚約者に成った今

第二王子との関係性は“婚約者”では無く、ただの“従兄妹いとこ

他の攻略対象である「魔術師団長子息」とは、親戚(になる予定)な“だけ”

とはいえ、全く綺麗さっぱり他人になったわけでは無い。

ゲーム補正が働いて

攻略対象キャラと主人公ヒロインの仲を進展させる為の障害として、引っ張り出されたり

「悪役令嬢断罪イベント」を予定通りに引き起こす為、イジメの冤罪をかけられる可能性が無きにしも非ず。


ゲーム補正で始まった「断罪イベント」を回避しようとしても

攻略されたキャラや、主人公ヒロインまでチート過ぎたなら、逃げようがないっ!!


「お~い、イザベラ~。どうしたのぉ?急に考え込んで・・・何かあったのぉ?」


あ、しまった、忘れてたっ!!

ウルシュ君に強欲王マモン様について、詳細を教えるって話だったんだ!!


「えぇ~と、詳細説明には、“強欲王の前には、何者たりとも、その価値偽る事あたわず。”って出たんだけど、具体的な能力については分からなかったのよね。」


ん?・・・・おい。ちょっと待て。

“何者であっても”っていう事は

たとえウルシュ君よりMP量が多くても、弾き返せないって事だよね?

マズイよっ!!ウルシュ君に、私のコング並みのHPがバレてしまうって事じゃん!!


いや、まさか・・・すでにバレて無いよね?


「・・・・・・ウルシュ君、私の“ステータス”・・・見た事ある?」


「無いよぉ?今は常時発動を遮断してるから、見ようとした物の鑑定結果しか見えないんだぁ。それに勝手に鑑定したりして、それがバレたら、イザベラに嫌われちゃうでしょ?」


良かった、HP量を知られていなかったっ!!

あれ?常時発動を遮断?何だろうソレ。

常に発動させておくことが出来るっていう事かな?


「ちょっと違うかなぁ。僕の、このスキルは『常時発動型』らしくて、基本的に“常に発動してるのが正常状態”なんだけど、それだと鑑定結果が邪魔で、前が見え辛くなるんだよ~。まだ小さい時はそれが普通だと思っていて、皆が同じように見えてるんだと思ってたんだぁ~。人と違うって言うのに気づいてからは、精密操作が出来る様に頑張って、去年から、発動を遮断出来る様に成ったんだけどねぇ。」


常時発動状態が初期設定って、鬱陶しいにも程が有るな・・・。

それって、常にパソコンの画面に、広告や忠告のポップアップとか、

複数のウインドウが開きっぱなしになっている様な状態でしょ?

そりゃ、前も見え辛いよ。


「ねぇ?もし良ければ、イザベラの鑑定をしてみても良いかなぁ?」


・・・・・・・・・・。

・・・・・・・・・・・・。

うわぁ・・・・困った。

こちらから、見せて欲しいと頼んだわけじゃ無いとは言え

ウルシュ君の【鑑定】をして、ステータスを見せて貰った手前、断り辛いぞ・・・。

ウルシュ君のステータスの方が、ある意味私より凄まじい物が有ったから

私のステータスなんて隠すほどの価値は無いんだけど

この、“女の子として、どうなんだ?”っていうHPが問題なのよね~。


「ウルシュ君が言い触らすとは思って無いんだけど、その辺りは信用してるんだけど・・・」


「何が心配なのぉ?」


「HPが、キングなコング並みだから、女の子らしくないって言うか・・・。ウルシュ君に引かれたり、嫌われるんじゃないか?っていう不安が・・・・。」


「そんな事で嫌わないよぉ?それに、HPが高いんだろうなぁ。っていう事は、この前の騎士達との鬼ごっこで、回復薬を一度も使わずに逃げ切った時点で気付いてるし・・・。今さらじゃない?」


くっ!!確かにっ!!

一応、回復薬を使うフリでもしていれば良かった!!


「ところで“キングなコング”って何?」


「え、え~と・・・。金髪美女のアンっていう女優さんに恋をした、約7.2M(24フィート)のゴリラです。」


そうか、この世界にキングなコングの恋物語は無かったかぁ・・・。


「その“ゴリラ”って言うのは、恋をしたり、キングだったりっていう事は、生き物なのかなぁ?」


くっ!!そこからか!!ゴリラの説明からかっ!!

この世界に存在するかも分からない生き物の説明って、どうすれば良いんだろう?!

ココでは無い、私が前世で住んで居た世界に居る生き物だよ。とも言えないし・・・

もう少し、考えて発言するべきだった!!

私に絵心が有れば書いて説明するんだけど、絵はさっぱりだしなぁ・・・。


「えぇ~と、ウルシュ君はサルは分かる?」


「サル?うん。サルは分かるよぉ。」


「それによく似ていて、でもマッチョで・・・黒くて。リンゴを握りつぶせる握力を持っていて・・・」


よく考えたら、私ゴリラについて、あまり詳しく知らないんだよね。

他に説明のしようが・・・・・


あっ!!

あった!!もっと分かりやすい説明方法が有るじゃん!!

私得意だったんだよっ!!


「ウルシュ君っ!!私、今からゴリラの物真似するよ!!見ててっ!!」


「えっ?!う、うん。」


私、前世で女子高通ってたんだけど、休み時間に教室の後ろで、友人5人でゴリラの物真似決定戦をして、僅差で優勝した事あるんだよねっ!!

周りで見ていたクラスメイトからも絶賛されたから、超自信が有るよっ!!

ちなみに、コレは共学じゃ身に着けられない特技だよねっ!!


(では皆様、ご一緒に。御起立をお願い致します。)

両足を開いて重心を落としま~す。

腰を反らす様にお尻を後ろ、少し上向きに突きだして、両腕を前に下げま~す。

その時、両腕はブラリと下げずに、ちょっと力んでおくのがポイントですっ!!

ゴリラっぽいと思える、ベストな姿勢を保てましたか?保てたならっ!!

さぁっ!!鼻の下を伸ばして~!!そうですっ!!皆さんお上手ですよっ!!

では行きますよっ!!まずは力強くっ!!

ウッホ!ウッホ!

時々リズミカルに~っ!!

ウホッ!ウホッ!ウホッ!ウホッ!ウホッ!

危険を察知しましたっ!!群れの仲間に注意を呼びかける様にっ!!

ウホ!ウホ!ウホ!ウホ!ウホ!ウホ!ウホ!ウホッ!!

胸を自信満々で反らしたら、両手の拳で胸筋を連打しますっ!!

最後に威嚇ですっ!!

歯茎を剥きだす様にっ!!

ヴォッ!!


「こんな感じの生き物ですっ!!」


「うん。実物を知らないから、似てるかどうか分かんないやぁ~。」

あと一話、スキルについての説明回という名の、真面目な話が続きます。

キングなコングのサイズについては、1933年版のNYでのサイズを参考にしています。


皆さま沢山の感想有難うございますっ!!

そして碓井京様、素敵なイラストを描いて下さり、有難う御座いますっ!!

イザベラとウルシュ君の人物紹介の所に、イラストを貼らせて頂きたいと思いますっ!

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― 新着の感想 ―
[良い点] ゴリラの物真似(本格派)にめちゃくちゃ笑いました。 [一言] 公爵令嬢レベルまた下がってませんよね?w
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