2つ目の出来事後半
以前から欲しかった
当時では高価な、お人形で
本物の赤ちゃん位の大きさで寝かせると瞼を閉じ起こすと開き。
専用の哺乳瓶でミルクを飲ませるのもリアルな物で
本当に嬉しくって、病気になって唯一良かったと思った。
早速遊んで片時も離さず名前を付けて
心の中で名前を呼びながら会話して可愛がっていた晩
消灯後、いきなり横の子が
「これ貸してな!」と人形を奪いボスの子へと投げ飛ばす。
雑に扱いながらまた別の子へ投げ飛ばす。
私の大事な赤ちゃんが!!
傷付けられて行く恐怖で涙も出ないまま
唯々事が収まるのを待った。
次の日母が来て私は直ぐに
「持って帰って」と人形を差し出すと
「え?どうして?」と聞くが
皆がいてるし本当の事が言えるはずもない。
母は悟ってもくれないで置いていく。
いつしか人形で虐められる事が嫌で
一切触らなくなり、同室のおもちゃになっていた。
この時から集団の虐めやボスを取り巻く上下関係に
大人もボスの存在に気が付いてるが助けてくれない事も知る。
弱いものは虐められる
何かいい物を持ってると虐められる
泣いてもダメ 弱い者は
ただ耐えるだけだ。
ひたすら耐え、その場を耐え
感情を押し殺し何も感じない様にする事が
今自分に出来る唯一のしのぎだった。