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月の影   作者: 煉
4/14

 二つ目の事 1(鎖した感情歪む時)

鎖す感情は

 自分の生きる術


笑顔が出せないのは

  自分が嫌いだから


感情を押し殺すのは

  自分のすべてを否定されてると悟るから

唯一今迄の中で一番習い事を続けられたのがバレーだった。

あの当時では、かなり高い月謝だったし

色んな発表会毎にもお金が掛かるので

正直なかなか習わせて貰える人が少なかったと思う。


そんな中、小学4年生の後半から絵を辞めてバレーを習わせて貰って本当に嬉しかった。

絵の出来事から傷ついた心を優しく受け止めてくれるかのように先生も優しく

そこに来る子達も優しかった

そこで初めてなんだか自分の居場所が

やっと見つかった感じがして、この時間だけは本当に幸せだった。

なので当時の子供にしたら、かなり遠い場所なのだが

一人でバスに揺られながらでも週に一度の楽しい時間だった。


そして、学校では、いじめられ友達もいない中

私がバレーを習ってる事を知ったクラス1

いえ学年1の女ボスが自分に声掛けてくる。


また良からぬ事を言うんだろうと思ってたら初めて私の苗字で呼び

「バレー習ってるんだよね?

 一度見に行きたいんだけれど連れてって」

   と今までに聞いた事のない穏やかな声で低姿勢で言う。


「うんいいけど、面白くないと思うし遠いよ」

  と私が言うと照れ笑いしながら


「本当はね私も興味あるんだ」

  と初めて見る彼女の巣の笑顔だった。

そしてバレー教室に一緒に行き

今迄ちゃんと話した事のない二人が初めて笑顔で会話した。


それから彼女は私に対して人が変わった様に

普通に接してくれて、そこから少しづつ友達が出来はじめた。


なのでやっと小学5.6年の2年間は普通に学生生活を送れた。

やっと楽しくなりかけた小学生活も終わり中学生になる時不安だったけれど

あのボスの彼女に出会って何か学んだ気がした


人との接し方とか少しのきっかけで変われる事を

子供ながらに解り勇気にも変わった感じがした。


そして中学校は想像してたのより、とっても温かい居心地のいい場所だった。


とっても自由で、子供一人一人の個性を伸ばすような

束縛も規制も殆どなく

頭ごなしにダメとは言わず

まず何でもやらせてみて、そこから失敗も反省も学ばせ

そして知恵をつけさせる。


なので生徒は、みんな本当に陽気で

いい子ばかりで初めて毎日学校に行ける楽しさを知ったが・・・・


なんと知らない間に1年の3学期には引っ越しが決まっていた!

なぜ!

どおして!

嫌だ!

    と言葉にならない声が・・・・・・


 人生って思うように行かない・・・・


思う様に行かない事は普通なのだと今の自分なら思えるだろうが

この頃の子供には、そんな事解るはずもなく

ただただ苦しく悲しいこの思いを何処にぶつければいいのか

何故に親は自分の気持ちと違う方向にばかり行かせるのか

なぜ!

私ばかり不幸にさせるのか!


そんな感情ばかりが出てきてしまうものだから

益々歪んだ心になるばかり。


極めつけはバレーを辞めさせられる事になった。


親の本当の所の気持ちは今でも解らないが

転校して少しした頃に

「遠くなったから通うのも大変でしょう?辞めていいんだよ」

   と言う母。


私は「辞めない」

  と言うと


「ずぅっと通えるの?」とまた聞く母


「通う」と言うと


「大変だよ」とまた言う。


さすがに3回目には通うとは言えなかった。


いろんな幼少期の出来事で

人の心を読み解く力も出来ていたから

母は自分に辞めると言って欲しい事が解った。

きっと引っ越しして、お金も大変なんだろうと察した。


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