一つ目の事 (鎖されて逝く感情)
闇は何処から来るのだろう
闇が消えないのなら
闇の中で身を擱こう
闇も、いつしか心の目になるから・・・・・・
自分は何をしても、どんくさいから何をしても
面白くないし出来ないので
子供ながらに楽しい事、したい事がない。
姉はピアノや運動スクールに
ソロバンでも上達して行くから楽しそうな中
母は少しでもと自分にもいろいろ習い事をさせてくれた。
ソロバン、習字、バレーに絵。
今から思えば、あの時代によく沢山習わしてくれた。
そんな中で自分が少し楽しくなってきたのがバレーだった。
絵は自分には向いてないし、あまり好きでないと感じていたが
通い始めて数か月した時、絵の先生が
「あなたは、とってもいい絵を描くね。
人が持ってない素晴らしいものがあるから
とにかく思ったように好きなように、どんどん書きなさい
そしたら素晴らしい絵になるよ」と言ってくれた。
本当に嬉しかった、こんなに嬉しい感情は初めてだったかも知れない
絵を書く事が好きになった瞬間だった。
ルンルンで帰って母に、この事を告げると
悪気はないのだろうが笑いながら
「先生は通わすため言ったのでしょう」なんて言う。
子供ながらに薄々は気付いていたが
そんなにはっきり母が言わなくてもと、また悲しくなる。
子供はとにかく、褒めて欲しいのだ。
それは何でも言いのでは無く
やはりここは!っという時には
大げさでも褒めてもらいたいものです。
そんなだから、せっかく目覚めかけた自分への唯一の
自信が崩れかけた時に追い打ちを掛けるように
小学校で絵の時間で書いた絵を見て先生が
ぼそっと、はっきり聞こえるように
「あなたは変な色使うね」と言われたのである。
絵の先生は、それを個性と評価し
学校の先生は、それを変だと言った。
まだ小学4年生の子に・・・
言うまでもなく、勿論絵を書くのを辞めた。