本物になった仮面と偽物の僕
僕の言葉は他人を傷つける、僕の存在は皆を困らせる。
だから僕は『僕』という仮面を被った。
『僕』はとても明るくて、楽しそうで、いつも笑いの中心で、僕の理想だった。
『僕』の周りには人が集まっていた、友達も出来た。
でも、僕の心は疲れ、荒んでいった。
自分ではどうしてか分からなかった。
理想の『僕』になれたのに、理想の『僕』はそこに居るのに。
どうしたら良いのか分からなかった、相談できる人も、僕には居なかった。
でも、勇気を出して言ってみた、僕の本当を。
そしたら「今日の話はつまんないね」て言われた。
誰も、本気になんてしてなかった。
いつからか、僕と『僕』は入れ替わっていた。
仮面は本物になり、僕は偽物になっていた。
そこで僕は気付いたんだ、僕は居なくても変わらない、『僕』が居れば。
なら、僕はもう、眠ってしまおう。
何も考えず、消えてしまおう。
さようなら、僕。