エピローグ
社会人1年生浜中潤は
人生相談の相手 部長 アリッシュ君 ハムタ と共に暮らすことになった
家族も 大喜び
そして 潤の人生はどうなる?
あれから 数ヶ月経っていた
部長は 毎日おばあちゃんと一緒である
時々 一緒に散歩もしている おばあちゃんが部長に話しかける姿を 近所の人が見て
「浜中さんの おばあちゃんは 猫にもお話しして とても丁寧ね」と 僕の母に楽しそうに 話していた 母も
「うちのおばあちゃんは 元教師だから 誰にでも何にでも 丁寧に接するんですよ」と話していた
まさか 我が家の猫もウサギも 言葉を話しているとは誰も思わない ばれたら えらい騒ぎになりそうである
家では アリッシュ君 ハムタも仲良く暮らしている
夕食の時は おばあちゃんが 部長 アリッシュ君 ハムタの夕食を用意して 家族と一緒に食事をする
その時の おばあちゃんの笑顔は 至福の笑顔である
そして 僕浜中潤は
4月から 社会人2年目になった
仕事も ’高齢者介護 支援施設’に変わった
僕は 元々超おばあちゃんっ子 なので おばあちゃんが 喜んでいる姿を見て
沢山の お年寄りを喜ばせることが 出来たら良いなと 思って 転職をした
今の仕事場は おばあちゃんの紹介である
おばあちゃんは 元教師と言うこともあり 人脈は広く とても良い仕事場を 紹介してくれた
仕事は 夜勤も有り いわゆる’寝たきり’になってしまっている 高齢者の方も居るので
楽な 仕事ではない
僕は 介護職の経験は無いので 今まさに勉強中である
でも 喜ばれることや 新しい発見は 嬉しさにもなってくる
ちなみに 前の職場で資格の勉強を常に行っていた 佐野さんは 秋の国家試験に見事合格し 今年の春から 病院の臨床心理士として 働いている
そんな 佐野さんの 姿を思い出しながら 僕もスキルアップを頑張ろうと 試験の準備も始めている
今日は 僕が 働く施設では アニマルセラピーが行われていた
医者の許可が下りている方で 動物好きな方を中心に 行われている
施設内では 普段は動物を飼うことが禁止されているので 動物好きな方にとっては とても楽しみなことなのである
楽しみと言うだけでなく 心の癒しの効果で 高血圧が落ち着いたり
常にイライラして 周りの人やとトラブルを起こしやすい人が 問題を起こすことが少なくなったり と良い効果が 上がってきている
実は 今日の アニマルセラピーには アリッシュ君も参加しているのである
アニマルセラピーに協力してくれて ペットを連れてきてくれている 獣医さんも
「アリッシュ君 実に素晴らしい 高齢者の方々の言葉を 解っているようだ」と べた褒めである
僕は(言葉 解ってますよ!話もしますよ!)と思いながら
「アリッシュ君は とてもお利口さんなんですよ」と説明した すると 獣医さんは アリッシュ君を抱きながら
「顔や スタイルも実に綺麗 ペット食品のポスターに なっても良いぐらいだ」と言った アリッシュ君は 言葉には出さずに よろしくお願いいたします とでも言うような 表情をしていた
僕は(まるで 芸能人やね)と思った
夕方 アリッシュ君と 電車に乗って帰る途中 アリッシュ君がカバンの中から僕に
「今日の僕 芸能人みたいでしたね!」と 小声で話してきた 僕は人差し指を立てて 口元に持って行き
「シーッ!!」と 言った アリッシュ君は
「すみませんと」 小声で言った 駅に降りたとき アリッシュ君が小声で
「今日 ジーとしていて 肩凝りました」と言い 首を左右に動かした 僕は(ウサギも肩凝るの?)と思いながら
「少し 歩いてみる?」と言った アリッシュ君は 嬉しそうに
「歩きます!」と言った
「あまり 走っちゃダメだよ」と言って カバンから出してあげた
アリッシュ君は 初めは恐る恐るだったが 少し調子づいて 走った
僕から少し 離れてしまった その時 誰かに捕まえられた
その 女の人は「これ 落し物?」と言っていた
僕は慌てて アリッシュ君のところに行き
「すみません それ僕のなんです」と返してもらった その綺麗な人は
「可愛いですね あなたが飼っているんですか?抱かせてもらって良いですか?」と言いながら 一緒に歩いて 改札を出た
僕は 嬉しくて
「又 お会いできる日を 楽しみにしてます」と言ってしまった その女の人は 軽く会釈して
「又 お会いできるかも知れませんね」と 言ってきた
僕は アリッシュ君を カバンに入れながら その女の人を 見送った
アリッシュ君は
「僕の お手柄ですからね!!」と言った アリッシュ君は おそらく家に帰って 部長や母やおばあちゃんに 今のことを報告するだろう
そのことを考えると 僕は今から とても恥ずかしいのである
そして アリッシュ君は「僕は 働き者ですね!!」と自分で自分を褒めていた
休みの日 僕は自分に通信簿を付けてみた
1年前と今の僕 変化を考えてみて 紙に書いてみた
仕事やる気なし →前向きにやる気あり
仕事目標 →何でもやってみる
資格 →今は無資格だけど スキルアップする勉強中
仕事の楽しみ無し→高齢者に喜んでもらえることが嬉しい
生活目標 →姿勢を正しくして 格好良く歩こう
彼女無し →相変わらず彼女無し
こんなことを 書いていると 部長が覗きに来て
「あんたも 少しずつやけど 改善してんねんな そやけど 続けや」と言ったきた
アリッシュ君も
「駅で 女の人に声をかけられるぐらいには 存在感が出てきましたね でもあれは 僕の働きが大きいか!」と言った
ハムタも 嬉しそうに 膝の上に乗ってきた
僕は 彼らに出会わなかったら 毎日何となく 流されながら生きていた
彼らに 感謝しなくてはならない
「そやけど あんた もうフィットネスクラブ行く時間ちゃうの?」と部長が言ってきた
僕は時計を見て
「レッスンの時間ですね」と慌てて用意をした
そう これも 続ける事の一つである
今の若いのはー
と言う言葉は 昔からあります
そう今のおじさん おばさんも昔は言われてたんですよ
今のおじさん おばさんも色々経験して そう言えるようになったんです
だから 今 言われてる方の立場の若いのも 怖がらずに色々経験してみて下さい
決まったこと 杓子定規なことも それで良いのか 考えると面白いです
いつもと違う所に行けば 部長 アリッシュ君 ハムタ に会えるかも知れませんよ!!