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第5日目

社会人1年生浜中潤(はまなかじゅん)

彼が 人生相談をする相手 部長アリッシュ君 ハムタ

彼らと出会い 仕事の態度や生活姿勢なども改善してきている

小さなこと 少しずつやっていこう


浜中潤(はまなかじゅん)は 仕事も普段の生活も 少しずつでも 前向きになっていっていた

仕事の帰り 3日ぶりに いつもの場所を訪れた

「いらっしゃい 又来たんか」といつもの様に 部長から声をかけられた アリッシュ君も

「又 来ましたね」と 言った

僕は いつもの様にソファーに座ると ハムタがいつもの様に 膝の上に乗ってきた

「今日は 特別な報告は無いんですけど 最近先輩がたから『少しは 仕事やる気になってきた?』とか 『動きも 少し良くなってきたね』とか 言われ始めました」と言った 部長は

「少しでも 進歩してたら良い(ええ) 続ける事が大切や」と言った アリッシュ君も

「地味でも 改善していったらいいんです」と言った

部長が

「それにしても このごろ 工事の音がうるさいなー」と言った 僕は

「今 ここの駅 大改造してますからね」と言った アリッシュ君も

「毎日 工事されて 昨日通れた所が 今日通れなくなってたり 新しいものが出来てたり 僕達も解りにくいです」と言った

突然アリッシュ君の耳が 激しく動いた 同時に部長が

「誰か来る あんた隠れ!!」と強く言った

僕は 言われるがまま ソファーの後ろに隠れた

ドアを開けて入って来たのは いつもの駅員であった

「こんにちは 今日も問題は無いですか?」と質問をしていた 部長は

「問題は無いで」と言い「こんな時間に ここに来るの珍しいやん 初めてちゃうか?」と言った 駅員は 多少びっくりしながら

「問題なければ良いんです・・・」とごまかす様な 口調になった アリッシュ君は

「何か今日は 違いますね 引っかかります」と言った 駅員は 

「はっはっは!」と笑っていたが そんなことは 彼らには通じず 部長が

「何かあるんやったら 言うてみ!」と言った 流石に 駅員もごまかすのは出来なくなり

「実は この部屋 来週から工事の区域に入るんですよ」と言った アリッシュ君は

「じゃあ ここに居られなくなりますね」と言い 部長も

「出ていかなあかんな」と言った それに対し駅員は

「すみません でも 私が住んでいるところは 賃貸のマンションで ペット禁止なんです だから あなた方の 暮らすところは 探します もう少し待ってください」と言った 部長は

「わしら 元々ホームレスと一緒におったんや 駅の中で暮らせるで」と言った 駅員は

「そうなるかも知れませんが 飼ってくれる人探します」と言った 僕は なんかいらいらして ソファーの後ろから 立ち上がると

「あんた お世話になった この人たちに そんな失礼なこと 言って良いんか!」と言ってしまった 駅員は

「ちょっと あな・あな・あな・・・・」と 腰を抜かした 僕は僕より 気が弱い人間を初めて見た

その駅員は 言葉に詰まりながら

「あな た は なんで ここに・・・・ 居てる・・んで・・すか・?」と聞いてきた すると部長が「こいつも 色々有んねん」と言った 僕は

「あなたが 今日ここに来る前から この部屋にいてました それにしても あなた 自分の命の恩人?に もう お世話出来ませんって どういうことですか!」と 言ってしまった 駅員は

「上の方の事情で・・・ 私には どうにも出来ません・・・」と言った 僕は たまらなくなって

「この3人は 今から僕の家で暮らします」と言った 駅員は 口をポカンと開いたまま 驚いていた 部長は僕に向かって

「では よろしくお願いいたします」と僕に 頭を下げてきた アリッシュ君は

「嬉しいです お願いします」と言い ハムタは もうすでに 僕のリュックに入っていた 

それでも駅員は僕に向かって

「あなた 不法進入ですよ」と言ってきた それに対して部長は駅員に向かって

「ほんならここに居る全員が 不法侵入と不法占拠や」言い「この人だけが とやかく言われるのはおかしいん ちゃうか?」と言った

無言の駅員に対し 部長は

「これは 表ざたにせんほうが良い(ええ)んちゃうかな ここ使えたんも 工事があるから そのまま放置してた 物置部屋があったから 出来たことやしな」と言った 駅員は

「では 彼らは あなたに任せます」ときっぱりと 言い 頭を下げてきた

僕のリュックには すでにハムタとアリッシュ君が入っていた 紙袋に部長が入り 駅員に

「手荷物用の切符 切ったってやってな」と言った 僕は駅員に目的の駅を伝え 定期券を見せると 駅員は 手荷物用の切符を僕に渡して 値段を言った

僕は言われた金額を 払うと 背中でアリッシュ君が

「おごってくれても 良いのにね!」と声をかけてきた 僕は駅員に見送られながら 彼らに

「今から 4駅ほど電車に乗るけど 黙っていて」と注意をした


あの駅から 電車に乗り 最寄り駅から 10分ほど歩いて 帰宅した

家の台所では 母とおばあちゃんがいつもの様に 楽しそうに話しながら 夕食の用意をしていた

僕は その横のリビングに座った 母が

「お帰り ご飯出来るからね」と明るく言った 僕は母とおばあちゃんに

「あの ちょっと良いかな?」と言った 母とおばあちゃんは

「なに?」と言って 僕のそばに来た すると僕が話すより先に 紙袋が動き

「今日から お世話になります」と部長が 袋から出てきて 頭を下げ丁寧に挨拶をした

母は 少し驚いていたが おばあちゃんは流石である

「はい よろしくね 私は潤のおばあちゃんですよ」と 部長に挨拶をした 部長は

「ありがとうございます わし おばあちゃん大好きや」と言い おばあちゃんの膝に乗った

母は 初めは驚いていたが

「おばばちゃんと すっかり仲良しやね おばあちゃん良かったね」と言った

すると リュックがゴソゴソ動き 自力で チャックを開けた アリッシュ君が

「僕も よろしくお願いいたします」と丁寧に お辞儀をした 母は 2回目は慣れてしまい

「よろしくね」と挨拶をした そして母の手に抱かれながら

「女の人は良いですねー」と気持ち良さそうにしていた

すると 風呂から上がってきた 父がそこに来た

部長とアリッシュ君は おばあちゃんと母の所から 父に向かって

「よろしくお願いいたします」と挨拶をした 

父は 僕の方に向き

「潤!!」と強く言った 僕は怒られるかと思っていると

「おばあちゃんと お母さんには あんなに良い子達を与えてあげて お父さんには 無いんですか?」と言った 僕は拍子抜けして 座っていると リュックが又ゴソゴソ動き ハムタが出てきた そして

父の膝の上に乗っかった 父は

「可愛いなー 明日ひまわりの種買いに行こうなー」と話している

うちの家は かつて’ム●ゴ○ーさん’の家か と言われるぐらい ペットが沢山居た

この数ヶ月 ペットがぜんぜん居なかったことが 異常事態であった

だから 皆が我が家に来てくれて やっと普通の状態に戻ったのである


僕は 家族皆が喜んでくれていることを見て あの3人に出会えて良かった

誰かに喜ばれることは 嬉しい こんな仕事をしてみたい と思ったのである 

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