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新聞部は生徒指導室で  作者: 葵兎画
第3章 親睦キャンプ
9/28

#1  一日目① みつはし壮へ

皆さん、お久しぶりです。葵兎画です。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます。


第二章は終了してここから第三章に突入したいと思っています。本当は、第二章をもう一、二話続けたかったのですが……。


さて、今回はかなり字数が少ないですm(__)m

再び力不足を痛感しました。

これからはもっと精進していきたいと思っていますので、今後ともよろしくお願いします。


それでは失礼いたしますm(__)m

 清々しい春の季節を追いやるようにして、梅雨の季節が訪れた。


「ユート、喰うか?」


 嬉しそうな表情と共に差し出されたのは封の開いていないポテトチップス。それを見て溜息を吐く。


「まだ食べるのか」


 低い声でそう言ったが、それでも未開封の袋を引っ込めようとはしなかった。


「当然だろ! こういうときに喰うからこそ普段とは違った旨味が出るってもんだ」


 そう言って袋をパーティ開けにして「ほれ」と食べるよう催促してくる。気持ちはわからないでもない。


「それは間違いじゃないと思うし共感できるけど、俺はパスだ。もう充分に食べた」


 手をひらひら振ってそう答えた。


「ちぇ、ノリ悪いな!」


 和馬はそう言うが、表情が変化することはなかった。ポテトチップスを幾つか頬張って、


「周りに御裾分けでもするか」

 

 と身体を反転させ座席に膝を付いて後ろに座っているクラスメイトにポテトチップスを分けていた。奴にとって今日はそれだけ待ちに待った日だったのだろう。


 浮ついた雰囲気の車内はB組のクラスメイトたちと担任の教諭で席が埋め尽くされていた。


 晴天の空の下、都心の高速道路を走行する観光バス。それに揺られながら俺たち一年B組は、学年行事である親睦キャンプを行いに『みつはし壮』という学園経営の校外教育施設である宿を目指していた。今回このキャンプに参加するのは、一年A~D組四つのクラスで、それ以外のクラスは俺たちと入れ替わる形で違う日に行うことになっている。というのも、宿泊出来る人数にも限りがあり、毎年何組かに分けることによって、そこの施設を使用することが出来るのだ。


 親睦キャンプ、略してしんキャンは一年生だけで行われる外泊行事である。二泊三日で行われるこの行事の目的は名前の通り皆と親睦を深めることで、今後より良い学園生活を送ってもらうことが目的らしい。ただ、向こうに行ってなにをするのかは詳しく訊かされていない。親キャンのしおりには、運動靴と体操服が必需品の欄に加わっていたが、それはどういうことなのだろうか。


「皆さん」


 このバスのバスガイドを務めている二十代半ばと思われる女性が、マイクを通して全員に甲高い声で語り掛けてきた。


「あと五分くらいで高速道路を降ります。降りましたら一般道を三十分ほど走行して、今日皆さんのお泊りの宿、みつはし壮へと到着となっています」


 それを訊いて、車内は待ってましたと言わんばかりに歓声が起こる。バスは、そのまま出口に向かって料金所を掻い潜って行った。


 唸るエンジン音、それが目的地へのラストスパートを掛け始める合図のように聴こえた。


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