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3月11日、東日本海祭り

作者: 福耳の犬


『亮ちゃん、お祭りの準備を手伝って!』

『いーよ、何やればいい?』


2120年3月11日の朝、お父さんと亮くんは前日に町内会から

配られた布をとりだした。

『この布を窓から垂らすから地面に合わせて!』お父さんの言葉に亮くんは『ハーイ』と

大きな声で返事した。

周りを見回すと各家それぞれが同じ布を垂らしている。

地面からの長さも一緒で、2階の軒先まで水色の布がたなびいていた。

『お父さん、学校の辺りは2階の窓まであるのに、この辺は低いんだね。』

『そうだよ!今から100年位前に、津波が来てその時の水位がこの布なんだよ!』

『え、ここ海から物凄く離れているのに?』

『だから港の方はマンションの5階から布が垂れているんだよ!』

祭りの日、青森から千葉まで、海辺の町は青い布で染まっていた。

『お父さん、どうしてそんな事をお祭りするの?』

『それは、みんなが2度と悲しい思いをしない様に、忘れない様にお祭りにしたんだよ!』

昔から大飢饉や大災害を生き残った喜びから始まったお祭りも多い。

そして午後3時に、お祭りのメインイベントが始まった。

(ウ~ウ~ウ~ウ~、カン、カン、カン)

『お父さん、サイレンが鳴ったよ!』

『お母さん、出るぞ~』

家族3人は高台の広場に向かった。広場には沢山の人が集まり祭りのメインイベントが始まっていた。


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