2月13日
新作です。今日から1ヶ月、毎日投稿します。
1話目はちょっと短めです。
「あの、1ヶ月だけ⋯⋯1ヶ月だけでいいので、私と付き合ってください!」
そう言って頭を下げてきたのは学年一の美女だと言われている同級生だった。僕と彼女以外誰もいない教室にその透き通った声が響き渡る。
なんて言えばいいのかわからず口を開けたり閉じたりを繰り返していると、ふっと我に帰ったのか彼女はその端正な顔を赤く染めた。
「あ、いきなりごめんね。理由も説明せずに⋯⋯」
「えと、いや、大丈夫だけど⋯⋯なんでか聞いていい?」
何とかその言葉を絞り出すと、彼女はうんと頷いて説明してくれた。
「その、言いにくいんだけど、私に告白してくる子がいっぱいいてね。でも私他の誰かと付き合うとか考えたくなくて⋯⋯」
「⋯⋯つまり、いわゆる男避けってこと?自分で言うのもなんだけど、僕が役に立つとは思えないんだけど」
そう聞くと、彼女は少し慌てたように目を彷徨わせた。ああ、そう言えばクラスの男子って僕を除けば皆陽キャだったな⋯⋯消去法で選んだとは言いずらいよね。それでもなんで僕?とは思うけど。
「いや、ごめん。ちょっと気になっただけだから気にしないで。1ヶ月だけってことはホワイトデーまでってことだよね?その日まで行けば多少は落ち着くから」
幼馴染で腐れ縁の竹田と言う奴も、バレンタインに告白すると言っていたし。多分そういうことなんだろう。
「あ、うん。そうだよ⋯⋯それで、明日の土曜講座の時にお菓子渡そうかなって⋯⋯だめ、かな?」
上目遣いに見てくる彼女に、一瞬ドキッとする。落ち着け僕⋯⋯彼女は本命じゃなくて、男避けとして僕に告白しようとしてるんだから⋯⋯!
何とか息を整え、口を開く。
「もちろん、僕で良ければ。あ、僕は黒川遥。ごめん、君の名前聞いてもいい?名前覚えるの苦手で⋯⋯」
「私は桐生紬だよ。紬って呼んで欲しいな。遥くん、これからよろしくね!」
クラスで見る穏やかな表情とは異なる明るい笑顔を向けてくれた彼女──いや、紬にまたもやドキッとさせられたのは言うまでもない。
それはともかく、これが僕と紬の出会いだった。
今日は2話目を10時頃に投稿しますのでよろしければそちらも是非⋯⋯
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