龍を狩る者達。
『龍』
それは、力の象徴だったり知恵の象徴だったりする空想上の生き物。
二階建ての建物に匹敵する巨体。蝙蝠のような翼。蛇の身体にトカゲのような足が二つ生えている。飛竜と呼ばれる龍の一種が翼を羽ばたかせホバリングしている。
人類にとって龍は、天敵だ。それが今。俺、竜崎達也の目の前にいる。
天敵ならば逃げればいいと思うがそうは行かない。
俺の足元で腹を抱え蹲って倒れている自衛隊の服を着た男性がいる。そして、背後には、泣きじゃくる子供達。彼らを置いて逃げられようか。
しかも俺の手には、龍に対抗できるかもしれないアサルトライフルを持っている。
倒れている男性から拝借したこの銃を飛竜に向ける。足は震え銃口はブレブレであの巨体に定まらない。
「や、やめらるだ。俺のことはいいから子供達を連れて逃げろ」
倒れている男性は、か細い声でそう言うが今から逃げても飛竜のスピードに勝てるわけがない。なら戦うしかない。
「逃げられませんよ。この銃ならアイツに効くんですよね!!」
俺は震えた声でそういう。男性は、軽く頷く。この銃なら飛竜にダメージを与えられると知り恐怖を無理矢理抑え付け震えた指に力を入れて引き金を引く。
反動で腕が持っていかれそうになるが何とか耐え銃を撃ち続ける。願わくばこれで終わってくれ。
銃弾が無くなるまで撃ち続けたが飛竜は、ピンピンしていた。
銃弾は、全て見えない壁に阻まれ、飛竜にすら届いていなかった。 言葉を失った俺を嘲笑うように飛竜は、嗤っている。
圧倒的存在を実感した。その絶望からアサルトライフルが自然に手から離れ足元に転がる。
あ、終わった。
飛竜の臭い息が鼻をさし飛竜は、ゆっくりと口を開け俺を頭から齧りつこうとした。その瞬間。飛竜は、何かを察知して振り返る。
メイド服を着た女性が空に浮いていた。
思考が停止した。
何故メイド服。しかもヴィクトリアンメイド服なの。そこはミニスカメイド服でしょうが。てか何で浮いてるのとさっきまでの恐怖は消えて疑問が思考を埋め尽くす。
飛竜は、咆哮をあげその人に威嚇する。しかし、その人は、冷めた目つきで腰に帯刀していた刀をゆっくりと抜き飛竜に剣先を向けた。
「全くここに居たのね。これで終わりよ」
女性は、冷たくそう言った瞬間。女性は、消え気づけば俺の目の前で刀を鞘に納めていた。
飛竜がこちらを見たその時。飛竜の首が胴体から外れて地面を駆け一瞬にして血の噴水が出来上がった。
大量の血の雨。飛龍の死骸を背に立つメイド服を着た女性。何ともシュールな光景。
唖然としていると女性は、首を傾げ不思議そうに俺を見ていた。
これが彼女との初めての出会いだった。
この時の出会いが俺の運命を大きく変え俺が『ハンター』と呼ばれる龍を狩る者達の一員となるとは、思ってもいなかっただ。
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