暑い暑い日、街へ繰り出す
何泊かして、街へとたどり着いたジャック。
どうやって自分のことを特定したのかはわからないが、あの招待状は身分証明書として使用でき、町への通行許可書の役割を果たしていた。
ジャックは招待状を手に持ち、門前の列へと並んだ。
「次」
門番は気だるげに大声をあげた。
「はい。」
「お前、魔法学院に入るのか?」
「はい。」
「…頑張れよ。」
門番はあまりこっちを見ずにそう告げた。
街に入ると、すごい熱気で一瞬目を瞑りそうになった。なんというのか、お鍋の木蓋の上にいるみたいな感じだ。
圧迫感…活気というべきか…。照りつける太陽が、街のタイルを熱しているからかもしれないが、とにかく熱気を感じた。
入ってすぐのところが既に市場で、花やら食べ物やらが売っていた。
俺はしげしげと商品たちを見つめながら歩きつつ、今日泊まる宿を探した。
俺はなんとなく入りやすそうな宿を見つけ、入っていった。
「いらっしゃいませ」
「あぁ、こんにちは。わたしは、ちょっと今晩泊まりたい者なんですけども。」
「一泊ですか?」
「えぇーと、あ。とりあえず一泊で…はい。」
「二シルバーになります。」
「銀貨二枚ですよね。」
俺はカバンから財布を取り出し、銀貨を二枚取り出した。
「あ、旧銀貨だ。」
「えっ」
「あぁ、別に使えますから大丈夫ですよ。銀貨二枚ですね。ではお部屋を案内しますね。」
部屋は簡素な木造で、机とベッドがあり、机の上にはランプが置いてあった。
「それでは、失礼します。」
”バンッ”
大きな音を立てて扉が閉められ、俺は一人部屋に取り残されたような気分になった。
しかし、毎日銀貨2枚か…残りは金貨2枚、銀貨12枚、銅貨15枚だ。それぞれ十枚で次のランクになる。
別に足りないということはないが、あと何日で入学試験なのだろうか。
学校を探しに行く必要がある。
俺は部屋を出て鍵をしめ、外に出ようとすると、受付の人が一言いった。
「いってらっしゃいませー。」
俺は軽くお辞儀をし、一言質問をした。
「ギルドの場所を知りたいんですが。」
「あぁ、ギルドですね、えーと、ここの裏路地を行くとすぐなんですが、危ないので、広間から行ってください。」
「えーと、はい、わかりました。」
俺は学校の位置などを知るため、ギルドに行くことにした。
広間には噴水があり、冒険者の格好をした人が、ある通りにある一つの建物に集まっているのがわかった。