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71話



 アルセイフ様が妖精郷アルフヘイムと呼ばれる、危ない土地へ向かう。

 それを知った私は……。


 彼に、しがみついていた。


「ふぇ、フェリ……? どうした……?」


 どうした、ですって。

 そんなのはこっちが言いたいくらいだ。

 何をしているのだろうか、私は。

 彼は騎士としてのお役目を果たすために、妖精郷アルフヘイムへ行く。


 人より良い待遇をもらっているのだ。 その義務を果たすために、彼は行くのだ。


 それを引き留めるなんて言語道断。

 ……だというのに、私は。


「ど、どうしたフェリ!」

「え……?」


 彼が珍しく(最近は珍しくないが)動揺してる。


「な、泣いてるのか……?」

「え、あ……え?」


 馬鹿な。

 そう思って自分の頬に触れる。


 ……たしかに私の瞳からは涙がこぼれ落ちていた。

 胸が、きゅううっと苦しくなって、目からは涙がこぼれている。


「あ……え? な、んで……?」


 自分の感情を、制御できない。

 わからない。ただ、彼が危ない場所へ行くってだけで、ここまで動揺しているのか……?


 涙を流すほどに。

 そんな様子を見ていたコッコロちゃんが、あきれたようにため息ついて言う。


『アル。フェリは、愛する人が帰らぬ人になるのではって思って、るんだよ』

「「え……?」」

『なんでふたりで驚いてるのかな……』


 

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