65話
アルセイフ様の母親、ニーナ様に悩みを相談した。
すると、【嫁心】なるものが芽生えたと指摘を受けた。
なんだそれは……?
場所は、レイホワイト邸、私の私室にて。
隣にニーナ様が座っており、コッコロちゃんが足下でコロコロしていた。
「なんでしょう、嫁心とは? 寡聞にして知らないのですが……」
今まで読んできた書物の中に、そんな記載は無かったような気がする。
うふふ、とニーナ様は笑う。
どこか私のリアクションを楽しんでいるようだ。
不快感はない……が、なんだかむずがゆい。
「お嫁さんとしての自覚よ」
「はぁ……」
自覚も何も、私はここへ嫁ぐときから、レイホワイトの女となる覚悟を決めてきた。
だから、今更自覚が芽生えた、ということはない。
「フェリちゃんが想像してるような、そういう事務的な意味じゃあなくてね。もっとこう……パッション!」
「はぁ……」
……どうにも抽象的な言い回しだった。
理解できない……。
『ママさん、駄目だよ。フェリは恋愛脳じゃないんだから。感覚で言うんじゃ理解できないよ』
「うーん、じゃあもっと簡単な言い方をしましょう」
ニーサ様はびしっ、と私に指を突きつけてくる。
「ズバリ……フェリちゃんは、アルちゃんのこと、愛してる! のよ!」




