表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

61/76

61話



 治療を終えた後。


「用が済んだのでこれで失礼するよ」

「まあ、いけない。お客様に、お茶の一つもだしていなかったわ」


 教授は苦笑した後に、首を横に振るって言う。


「あまり長居していると、間男と勘違いされるかもしれないからね。君の愛しい人に」

「も、もう……」


 からかわれたのだとわかった。

 やめてほしい、なんだか頬が熱いわ……。


 しかし間男か。

 まさか、アルセイフ様はまだ帰ってくる時間ではないし、第一彼も、そこまでバカじゃない……と信じたい。


「失礼するよ」

「あ、見送ります」


 サバリス教授が立ち上がる。

 私もと急いで腰を上げたそのときだ。


「きゃ!」


 教授が、私のスカートを踏んづけていたのだ。

 よろけてしまう私を、サバリス教授が受け止めようとして……。


 どさ……。


「……すみません」

「い、いや……こちらこそすまない」


 私はソファの上に、仰向けに寝てる。

 そして教授が私の上に覆い被さっているような状態。

 端から見れば、教授に襲われているように見えなくもない……。


「できれば早くどいてもらえませんでしょうか」

「そ、そうだな……すまない……」


 なんだか頬が赤いな、教授。

 いったいどうしたんだろうか……。


 まあ、本当に今この場にコッコロちゃん2号こと、アルセイフ様がいなくてよかった。

 あの駄犬2号、こんなとこ見たら、絶対に怒ってかみついてくるのだから……。


「フェリ!!!!」


 ……ああ、なんということだ。

 最悪のタイミングで……。

 

 私の夫となる存在……アルセイフ様が帰ってきたのだ。

 顔を、怒りで真っ赤にして。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

★書籍版3/3発売★



https://26847.mitemin.net/i714745/
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ