表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

9/329

第9話 魔獣から吹き出すもやもや


デウスの声にびっくりしてフィリアは止まってしまった。しかし動けないわけではない。デウスはフィリアに対して止まれと言ったわけではないようだ。


「デウス……?」

デウスの方を見ると、デウスの視線の先。フィリアから1メートルに満たない後方にもう1匹のファストキャットがいた。しかも、飛びかかろうとする直前の姿勢で固まっている。


「デウスありがとう! 助かったわ!」

改めてデウスを見ると、息切れが今までよりひどくなっている。言霊の力を使ってくれたのだろう。


フィリアはデウスに急いで駆け寄った。


「デウス! 大丈夫!?」

デウスは今にも死にそうなほどの息切れをおこしている。


(ごめんね、私のせいで……)

フィリアは自分を責めていた。1匹のファストキャットを仕留めたことで浮かれ、2匹目がいるなんて考えも及ばなかった。その怠慢がデウスの症状の悪化を招いた。不甲斐なさに歯を食いしばる。


「フィリア……あれが……魔獣というものか……?」

「そうよ。あれが魔獣の一種、ファストキャットよ」

「僕も……魔獣ってものを……倒してみたい。あの動きを……止めたやつを……やっつけてみても……いいかい……?」


デウスは辛いながらも魔獣というものに興味津々だった。前世には猛獣はいても魔獣なんていなかったし、デウスの記憶をたどっても魔獣なんて初めて見たからだ。


「ダメよ! 今は動かないで! すぐ倒してするから!!」

「お願いだフィリア。ナイフを貸してくれ」

しょうがないな、とため息を吐きフィリアはデウスにナイフを渡した。


「ごめんよ」

見た目は日ノ本の猫にそっくりなため、魔獣といえど罪悪感が湧き、ごめんねと口にせずにはいられなかった。


「にゃあぁっ!」

ファストキャットは悲鳴をあげて動かなくなった。するとファストキャットからふわっと白いもやもやが吹き出した。


「これって……!」

間違いない。デウスが言霊の力を使う時に出て来る白いもやもやと同じものだ。


(でもどうしてデウスが殺した魔獣から……?)

不思議に思っていると、ファストキャットから吹き出した白いもやもやはデウスの方に集まり、デウスの中に入っていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ