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119 コレクター、世界会議をする

 世界会議で行われる話し合いは大きく三つだ。

 一つ、現状の状況確認。

 二つ、今後の対策。

 そして三つ、オルタガの国宝について。


 最初の状況確認についてはただ説明し、質問をされたら答えるだけの簡単な内容だ。

 しかし事実確認とはとても大切なことであり、これがあるかないかで重大なミスが大幅に減るのだ。

 ギルメンと話し合いをせずにボス討伐に向かった結果、剣士しかいなくて困惑したことがあるので身に染みて分かっている。


「――――このように、現状分かっている敵はミカゲ、ジャスター、リスティナの三名となります。それ以外にも天界には多くの魔術師たちが蔓延っているため、いつ彼らがこちらの世界に来るかは分かりません」


 俺はシウニンさんが作った資料を使い、各国の王にこちらの目的や相手の目的などについての解説をした。

 プレゼンっぽいので敬語を使っている。そのほうがすっと頭に入ると考えたのだ。

 まあ普段通り喋ってもよかったんだけどね。プレゼンって真面目なイメージあるからこうしただけで。


「前半に話していた内容が気になるのですが、レクト様はその……外の世界? から来られたのですか」

「はい。ミカゲと俺は同郷で、この世界とは別の世界、天界と繋がった世界出身です」


 状況確認のついでに、俺の正体について軽く触れたところそちらのほうが興味を持たれてしまった。

 仕方ないのでもう少し詳しく説明し、何とか元の話し合いに戻ることができた。


「現在俺が手に入れている国宝は二つ。ロンテギアの国宝はミカゲが、オルタガの国宝は魔王が持っていることになります。えーっと、ルイン? 国宝ってどうしてる?」

「持ってるよ? ほら」


 ルインは俺にそう言われると、躊躇うことなく半透明のカギを取り出し見せてきた。

 半透明の紫色、禍々しいオーラが出ている国宝だ。今日のために持ってきてくれたのか。


「それ、くれると助かるなーって」

「うん、いいよ」


 まさかの即答。

 むしろ少し出し渋ってくれたほうがよかったまであるが、それでも国宝が手に入るのなら話が早い。


「いいの……?」

「レクトくんが欲しいんでしょ? ならあげるよ」


 そうだった、ルインは俺の言うことを何でも聞くんだった。

 ということは、俺がルインに戦闘で勝ったあの時点で国宝は手に入っていたということ。

 苦労せずに国宝が手に入ってよかったーと思っていたが、普通に苦労はしていたのかもしれない。


「で、ではこれで国宝が三つ手に入ったことになります。あと一つはミカゲが持っているため、こちらができることはミカゲの捜索と、対策になります」

「捜索は分かるが対策? 国宝を持っているのがレクトならばお前さんがミカゲ相手にどうするかを考えるということであるな?」


 次の話し合いであるミカゲの捜索と対策についての議題に移ると、大王がそんなことを言い出した。

 確かにミカゲに対抗することのできる戦力は俺やその周りだけだ。

 しかしそれに頼ってばかりで他の国が弱いままでは意味がない。


「それもあるけど、厳密には違うよ。さっきも言ったけど、ミカゲの目的はこの世界を破壊すること。それなら、直接国を壊しに来てもおかしくない。国を人質に国宝を寄越せと言われたら大変なことになってしまう」

「ふぅむ、なるほど。では我々アルゲンダスクやシャムロット、ロンテギア、オルタガの戦力の底上げをするということか」


 あいつらが別々に国に攻めてきたら、俺たち以外が対応できない。

 いや、大王ならばジャスターくらい平気かもしれないが、他の人が戦えない。

 そういうわけで、今後は俺たちの修行をそこそこに、他の国の兵士や騎士などと修行をしていこうと思っている。


「うん。それと同時にエリィの錬金技術などでポーションの開発を広げていきたい。そしてその材料である植物も、シャムロットと協力して開発を進められたらなと思ってる」

「錬金術、ですか」


 タランテさんがそう零した。


「確かにシャムロットの魔法技術はすごいです、でも魔法技術の底上げは本当に長期的なものでしょう? なので、ポーションという誰でも回復できる手段を底上げしていきます」


 戦力強化が一つ目の計画。

 そして二つ目の計画は、ポーションを世界中に広めること。

 魔法で回復するのもいいが、ポーションならば無駄に魔力を消費しなくて済むし、何より人が前線に出なくてよくなる。

 エリィが特殊なだけで、錬金術師は基本前に出ない。そして回復魔法を使う魔法使いも数が少ないため前線には出したくない。


「全世界でミカゲたちと戦えるように準備をするんです。国の戦力が上がれば出来ることも増えますし、いいことだらけでしょう」


 それはミカゲたちとの戦闘だけではない。

 世界の破壊を防ぐことができても、戦闘技術や錬金技術は残る。そしてそれはこの世界の発展に繋がる。

 国としても発展することができるのだから願ってもないことだろう。


「まあすぐに実行できることではないですし、それぞれと細かい話し合いも必要です。と、いうことで……」


 俺はストレージから『ゲートストーン』を取り出し、各国の王に配っていく。

 正式名称は『ブルーゲートストーン』だが、まあ他の『ゲートストーン』は使う予定がないので大丈夫だろう。


「これはなんでしょうか?」

「『ゲートストーン』です。少し見ていてください」


 そして二つ目、『ブルーゲートコア』を取り出し、大会議室の壁に向かって放る。

 『ブルーゲートコア』は壁にぶつかるとその壁に半分めり込むような形になった。

 続けて、反対側の壁まで歩いた俺は、一つ手元に残しておいた『ゲートストーン』を手に持ち一言。


「ゲートオープン」


 その一言で、手元にあった青い石が光る。

 すると、目の前に青い光を放つゲートが現れる。世界樹にあるゲートと同じ系統の空間の歪みだ。

 後ろにある『ブルーゲートコア』の前にもゲートが現れる。展開されたな。

 俺がその空間の歪みに向かって歩くと反対側の壁から出てくる。これがゲートだ。

 それを見ていた王たちがざわめく。魔法を使わずに空間を移動したのだ。当然驚く。


「これでいつでもロンテギアに来ることができます。もちろんその石を持っていない人でもゲートを通ればこちらに来ることができます」

「ふむ、ゲートオープン……おおっ!」


 早速大王がゲートを展開する。

 問題なく動いたようだ。


「ゲートオープン! あ、あれ?」


 タランテさんが真似してゲートを開こうとするが反応しない。


「一度に開けるゲートは一つまでなので、来るときには気を付けてくださいね」

「は、はい……」


 とりあえず今ので、このアイテムの使い方を理解してもらえたはずだ。

 今後は話し合いも気軽にできるようになる。ポーションや素材に関してはまたシウニンさんを困らせてしまうかもしれない。ごめんね、シウニンさん。

 さあ、一気に計画を進めよう。いつかは分からない決戦に向けて。

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