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「新谷くんは今日はおやすみですか?」

 一通り、朝日奈くんの作業が終わったところで、萌は言った。

「そうだよ。今日は用事があるって言ってた」朝日奈くんは言う。

「……そうですか」少し寂しそうな声で萌は言った。

「まあでも、早川さんが出てくれていることが、どちらかというと、ありえない、と言うか珍しいことだし、それに、今日のことを話して、早川さんは以外とオカルト研究会に出席してくれるらしいよ、って話せば、きっと新谷くんはオカルト研究会に出てくれるようになるよ」

「? ……どうしてですか?」萌は言う。

「そりゃ、新谷くんは、早川さん目当てで、オカルト研究会に入部してくれたわけだからね」

 朝日奈くんは言う。

「そうだね」

「そうですね」と、硯と葉摘がその意見に同意した。


 それから萌は朝日奈くんから渡された白い一枚のプリントに目を通した。そこには『郡山第三東高等学校オカルト研究会の今年の部活動。予定。1 学校の屋上でUFOを呼ぶ。2 森の中のお社で幽霊を見つける。3 旧校舎(現校舎)の校庭にある要石と呼ばれる地震を封じているとされる石を研究する。4 夏に合宿に行く。年末に忘年会を行う。』という文字が書かれていた。

 

 萌がプリントから視線をあげて朝日奈くんを見ると、「今日は今年一年の初めに、僕たちオカルト研究会がどんな活動をするのか、その内容を決めるんだ」と萌に言った。

 なるほど。どうやら今日はオカルト研究会の活動内容を決めるための最初の会議の時間のようだった。

 萌が硯と葉摘の様子を伺ってみると、二人とも真剣にプリントとにらめっこをしていた。

 どうやらオカルト研究会の部員らしく、二人とも(硯のオカルト好きは知っていたけど、やっぱり葉摘も)こういうことが大好きなようだった。


「私、UFOがみたい」

 しばらくの沈黙後に、硯が手を上げてそう発言した。

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