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1 萌木 私は夜が嫌いだった。

 萌木 真夜中


 プロローグ


 イメージシンボル 花 雪


 ……花が舞い、空に昇る。


 そんな風景を見て、私は思う。

 私は、幸せだったのだ。


 だから私はこれからも生きていこうと思った。


 本編


 萌木


 私は夜が嫌いだった。


「オカルト研究会?」

「そうオカルト研究会。略してオカ研」

 早川萌は親友の真中硯から、そんな物珍しい一枚の手作りのチラシを見せられながら、そう言った。

 硯はいつものようににっこりと明るい笑顔で、萌の目の前で満面の笑顔で笑っている。

 これは、なにかを企んでいるときの、怪しい、親友の顔だった。

「それがどうかしたの?」

「入部してほしんだ」

「入部? 高校三年生の今から?」

 萌は言う。

「そう。お願い。人助けだと思ってさ。入部してくれないかな? オカ研に」

 そう言って硯は両手を合わせて萌に頭を下げながらお願いをした。

 詳しく話を聞いてみると、今年、この郡山第三東高等学校の生徒になったばかりの一年生が誰もオカルト研究会に入部しなかったために、このままだとオカルト研究会は今年で、廃部になってしまうらしい。

 それで、どうしても、あと一人、できれば二人、オカルト研究会に名前だけでもいいから、入ってくれる生徒を、硯は必死になって探している、ということだった。

「それで私?」

「そう。お願い。萌。いいでしょ?」

「うーん。どうしようかな?」

 萌は考える。

 ……まあ、名前だけでもいいというのなら、親友の硯の話だし(高校三年生だけど)、別にオカルト研究会に入部してもいいかな? と萌は思った。

 萌はどの部活にも、ずっと入部していないし(いわゆる帰宅部というやつだ)問題はとくにない。

 ……でも。

「なんか怪しいんだよね。本当に理由ってそれだけ?」

 萌は言う。

「もちろん。私が萌に嘘つくわけないじゃん」

 硯は言う。

 でも、その笑顔がすごく嘘っぽく見える。

 おそらく硯はなにかを企んでいる。と、真中硯と付き合いの長い早川萌にはそれが、雰囲気だけで、なんとなく理解することができた。

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