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世界にたった一人だけの職業  作者: Mei
1章 王宮編
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最終決戦。そして、対に決着へー。ー2

 レミリーが化け物じみた速さで蓮斗を襲う。その速さは優に光の速度にせまるくらいだ。

「"ミリオン・レイン"」

 レミリーが、魔法を発動したと同時に蓮斗の頭上に大きな魔法陣が出現する。やがて、その魔法陣が起動し、無数の矢が出現する。蓮斗はその場から退避しようとするがその前に無数の矢が蓮斗に降り注ぐ。

(……この数じゃ"炎透眼"を使っても矢を処理仕切れないし……。仕方ない……)

「"周壁"」

 俺は自分の周りに障壁を三重展開(トリプル・キャストする。これで頭上から降り注ぐ無数の矢は防げるだろう。後、一応意思も付与しておこう。レミリーの意思を付与した魔法なんてくらいたくない。喰らったらレミリーの命令に従う無数の矢を死ぬまでを受け続けることになる。それだけは避けたい。これでレミリーの魔法への対策は万全だー。そう蓮斗が思った矢先。

「"ボーダー・ブレイク(境界破壊)"」

 俺の障壁にレミリーの発動した"ミリオン・レイン"が衝突する直前、レミリーがもう一つ追加で魔法を発動する。その瞬間、俺の障壁の周りに複数の紫色の魔法陣が現れる。その魔法陣にレミリーの"ミリオン・レイン"が触れた瞬間ー。

「!?」

蓮斗のいる障壁内にも紫色の魔法陣が複数展開され、障壁外の複数の紫色の魔法陣に吸い込まれた無数の矢が障壁内の紫色の魔法陣から出てきたではないか。

 蓮斗は急いで脱出を試みようと多少の傷を覚悟で"縮地"を発動する。

「うっ……!」

急いで"ミリオン・レイン"の範囲外まで移動した蓮斗だったが予想通り身体中鋭く刻まれていた。幸い、矢は貫通せず致命傷は避けられたものの、身体中から血がだらだらと流れている。このままでは危険なことは明白。

「リカバリー」

すぐさま回復魔法で傷を癒す。血までは元に戻らないが、身体の傷くらいならすぐに癒せる。

 どうにか身体の傷を癒した俺は、すぐさま次の攻撃へ備える。だが、相手からの攻撃はなく再び膠着状態になる。これをチャンスと捉えた蓮斗は反撃する。

「"地形変動"」

 レミリーの足元の地面が隆起する。先端が尖った小さい山のような形をしたものが地面からレミリーを襲う。刺さればいくらレミリーと言えど致命傷は避けられないー。そう思った直後。

「"オーバー・リフレクト"(増幅反射)」

 レミリーが魔法を唱え、下に手をつきだす。すると、先程までレミリーに襲いかかっていた尖った小さい山のようなものが引っ込み、俺の足元から隆起してきたのだ。それも数も増えていた。

「ー!?」

 俺は急いでその場を離れる。さっきまで俺のいた場所が地面から隆起する尖った小さい山のようなもので覆われていた。俺の首筋を冷や汗が伝う。

(……っ。やばい……。このままじゃやられる……! 何か打開策はないのか……!)

「"ファイアストーム"」

レミリーから再び魔法が放たれる。炎が螺旋状に渦巻き、蓮斗を飲み込まんと襲ってくる。蓮斗はそれをギリギリのタイミングで左へ回避する。今の攻撃も食らえば即死までとはいかなくとも、全身無事ではいられないであろう威力だ。あれを喰らっていたらどうなっていたか……。そう思うと蓮斗は内心ゾッとしていた。

 蓮斗は次の攻撃に備え集中力を極限まで高め、レミリーを見た。

「ハァハァ……」

 すると、そこには顔を青ざめさせ全身から汗を流し、荒く息を吐きながらそれでもどうにか立っているレミリーの姿があった。

「……っ。ハァハァ……」

 立っているのもやっとな状態だろう。それでもレミリーは歯を食い縛り、次の攻撃を繰り出そうとする。

「"アース・ショット"」

 その前に蓮斗が魔法を唱える。数多の土の塊がレミリーを襲う。レミリーは詠唱をキャンセルし、急いで蓮斗の攻撃を回避する。だが、避けきれず攻撃を喰らってしまう。

「がっ……!」

 レミリーは悶絶し、その場で崩れ落ちる。

「"拘束"」

蓮斗は、レミリーが動けないように更に魔法を発動させる。

展開された複数の紫色の魔法陣から鎖が出現する。出現した鎖は、レミリーの手足を拘束しようとレミリーに襲いかかる。

「うっ……!」

既に満身創痍のレミリーは回避も出来ず、拘束される。

「"意識喪失"」

「うがあぁぁぁぁ……!」

レミリーは、しばらく魔法による精神的苦痛に悶絶する。やがて、呻き声も段々と小さくなりレミリーは次第に意識を失っていった。

「……やっと終わったか……」

 蓮斗はホッと息をつく。そして、今目の前で気絶しているレミリーのもとへ駆け寄る。

「"鑑定"」

 "サーチ"の上位互換である"鑑定"を使い、レミリーを調べる。一体何をしているのかというと……。

「……やっぱり洗脳魔法がかけられてるな。戦っているときに王女から王女の魔力とは別の黒い魔力が感じられたからまさかとは思ったが……」

 そう。蓮斗はレミリーにかけられている魔法を調べていたのだ。"サーチ"だと魔法の解除の仕方が分からないので、上位互換の"鑑定"を使えば何か魔法の解除の仕方が分かるかもしれないと思い使って見たのだ。なぜ今まで"サーチ"を使っていたのかというと、単に魔力の消費を押さえたいがためだ。

「さて……。川崎と秀治の状態を確かめるとするか……」

 俺は急いで立ち上がり、倒れているレミリーに背を向けて川崎と秀治の倒れている場所へ向かった。




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