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世界にたった一人だけの職業  作者: Mei
1章 王宮編
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形成逆転へ。そして、戦いの行方はー。

「……な、なぜ私の魔法が……!?ま、まさかあなた……」

「ああ。あんたの想像通り障壁に"拒絶"の意思を付与したんだ」

そう。蓮斗は障壁に"拒絶"の意思を付与したのだ。だが、そんな事はあり得ない。否、あってはならないとレミリーは思った。

 通常自分の展開した魔法に意思を付与するには、何年間も特訓しなければならず、ましてや異世界に来て一年もたたないひよっこが魔法に意思を付与させることなど到底不可能なのだ。自分の魔法が綺麗に尚且つ緻密に組み立てられなければ発動はままならないはず。しかも、異世界に来たばかりなら魔法を緻密に組み立てる芸当など出来ないのが当然である。

 それをこの男は緻密に魔法を組み立て、事もあろうか詠唱せずに発動させた。詠唱は魔法発動時の大事なキーとなるもので同時に想像力を膨らませるという役割もある。詠唱はこの世界の魔法師達にとっては重要な生命線みたいなものである。

「……あなた一体何者なの?」

レミリーは戦慄しながらもそう問うた。

「……俺はあんた達に異世界に召喚されて日も浅いただの魔術師だ」

「……っ。ただの魔術師な訳がない!! ただの魔術師なら私の攻撃は防ぎきれるはずがない!!」

「たしか、異世界召喚された人たちは一般の人たちよりもステータスが上だったはずでは?」

「ふざけるな!! 異世界召喚されてまもないひよっこが私の魔法をふせぐなどあり得ない!!」

 レミリーの言うことは最もであった。異世界召喚された人々は一般的にこの世界の人間達よりも高いステータスを誇っている。それは紛れもない事実だ。だが、通常レミリークラスの強さまでのしあがるにはいくら異世界人と言えど何年もの訓練を必要とする。

 そのはずなのに。あの男はレミリーの力と同等、いや、下手をすれば凌駕しているかもしれない。故にレミリーは思う。

ー私達にとって将来危険分子になり得る存在なら何があっても絶対に排除しなければならないー と。

「ふふふ……。良い人材を殺すのは惜しいですが、仕方ありません。我らに刃向かうのなら容赦はしません。……おい、兵士ども!! 何が何でもそいつらを殺せ!!」

「「「「「ウォォォォォォォォ!!!」」」」」

 兵士達はレミリーの命令を聞くと、再び発狂したように蓮斗達に襲いかかる。蓮斗達の攻撃で大分兵士達の数は減っている。ざっと残り100人位だろうか。数も少なく先程まで埋め尽くされていたところも所々が隙間だらけになっている。

「川崎。秀治。一気に片付けるぞ!!」

「了解!!」

「わかった!!」

 蓮斗達は襲ってくる兵士達を次々と撃破していく。90、89……83とどんどん兵士達の数が減っていく。レミリーも時々魔法を打ち込むが蓮斗の障壁に阻まれ全く効果がない。その間にもどんどんレミリーの率いる兵士達が倒されていく。

(やばいやばいやばい!!……っ。この計画を失敗させるわけにはいかない……。ここは奥の手を使うしかない……。自分の身体に多少の負担を強いることになるけど……そうも言ってられない状況のようだわ……)

「我に知能を。我に力を。我が身に宿りたりし古代の力。今ここにその真価を示したまえ……。"アドベント(降臨)"」

 レミリーが魔法を発動した瞬間、レミリーを中心に強い風が渦巻く。この風は敵味方関係なく吹き飛ばした。川崎、蓮斗、秀治の三人は障壁を展開してどうにか耐えきる。兵士達は跡形もなく吹き飛び、城壁に叩きつけられて気絶した。

 しばらくして強風が止み、視界も明瞭になる。そして、三人の視界に映ったのはー。

 紫色の翼を生やし、長いむき出しの歯が口の両端から二本出ており暗いオーラに包まれたレミリーの姿があった。

 そして、レミリーがニヤリと不気味な笑みを浮かべると、

ギュン!!

 物凄いスピードで俺達の方に飛んできた。そのスピードは優に音速越えるだろう。俺達はすぐさま障壁を展開する。俺は無詠唱のためすぐに展開できたが、他の二人はそういう訳には行かなかった。

「あぐっ!?」

「きゃあ!?」

 二人はレミリーから高速で繰り出されたパンチをくらい、城壁に衝突した。

 二人は、そのままずるずると下に落ちて力なく倒れた。

「……っ。よくもやってくれたなくそ王女……!」

 俺はギリギリと歯噛みして化け物の姿をしたレミリーを睨み付ける。

「「我らに刃向かった事を後悔するがいい」」

 レミリーとレミリーの魔法によってレミリーの身体に降臨した謎の生物?がそう言い、目に見えるかわからない速度で蓮斗に襲いかかった。





 

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