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インタールード -あなたは今大切な物がありますか?-  作者: 箱丸佑介
第四節:命を賭ける価値のある守りたい物
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ムーア魔法学校(再):壱

明日までに四本投稿、できればいいなぁw

「これでよしっ」

本物のダイヤモンドの涙を環奈ちゃんに飲ませ、地下室を出た。

リビングに戻るとソファに座らせていた瑠璃ちゃんの姿が無い、どこに行ったのか、ときょろきょろと見回していると。

瑠璃ちゃんはソファに横たわって寝ていた。

「年越しまであと四時間か、四人を迎えに行かないとだめだよな」

と、独り言を放っていると携帯に電話が掛かってきた、ぱっと見知ってる番号ではない。

「もしもし」

〔もしもし、美月です〕

電話の相手はバンドグループのメンバーの一人、草月美月ちゃんだった。

「美月ちゃんか、どうかした?」

〔お姉ちゃんがいなくなっちゃったんだけど、マネージャーさん場所知りませんか?〕

「お姉ちゃんて、別グループのバンドグループの沙夜さん?」

〔そうだよ!、さっき喧嘩しちゃって、帰ってこないから心配になって〕

「わかった、探してみるよ」

〔ありがとうマネージャーさん〕

そう言われ電話を切った、沙夜さんを探す事になるとは思わなかったが、こんな時間だし、心配になって電話を掛けてきてもおかしくはないか。

一応都内にある防犯カメラを全部ハッキングして探してみるが、見つけたらすぐに対処出来るように。

エボじゃなく、ハイエースで迎えに行こうと思いハイエースの鍵を取り出した。

車に乗り込みエンジンを掛ける、こちらもGT-Rとエボ同様にルイでの自動操縦ができる。

(注:ルイが方向音痴なので無事にたどり着くかは不明)

「ルイ町中のカメラをハッキングして、草月沙夜って女の子を見つけてくれ」

〔ラジャ、目標の写真を見せて下さい〕

「お前も一度会ったことあるだろ、バンドグループのメンバーの一人だ」

〔ラジャ、その方を探してみます〕

「見つから無かったら板東君使っていいから」

〔ラジャ〕



車を走らせ三十分、捕まっていた女の子達を飛ばした会社の医療所に着いた。

ここに来るまでにルイからの報告はなく、見つかっていないのだろう。

「迎えに来てやったぞ~」

「来てやったってなんなのかしらね」

「ほんとは別件があったから迎えに来なくてもよかったんだけど?」

人が気を利かせて迎えに来てあげたのに、千聖ちゃんの態度と言えば、感謝のかの字もないんだから。

「まあまあ、千聖ちゃんせっかく大輝さんが迎えに来てくれたんだから、好意に甘えないと」

「そうね、甘えさせて貰うわ」

「歩いて帰りたいならそれでいいんだけど」

四人と共に車に乗り込むと、いきなりルイが泣き言をつぶやいてきた。

〔マスター、目標の発見が出来ません〕

「板東君使っていいって言ったろ」

〔いえ、使いましたが発見出来ません〕

「は、役に立たないな」

〔面目ございません〕

「血眼になって探せ、見つから無かったら俺が探すわ」

〔ラジャ〕

こういう役に立たない所は誰に似てしまったのだろうか、俺のせいじゃないよね?。

「あなた誰か探してるの?」

「ん、ちょっと仕事仲間が行方不明になっててね」

「そう」

「まあ、多分すぐに見つかるよ」

再び家を目指して三十分、道中雨が降り始め、早く見つけねばと思った。

三階の自室に行きパソコンを点け、世界中どんな所どんな人でも見つけられる、というのがうりの板東栄一朗君を起動した。

カチカチッ、と音を立て目標の写真を設定すると、放置して二分ほどで見つかった。

「んだよ、やっぱりさっさと見つかったじゃねーか」

コートを手に持ち一階までドタドタドタ、と音を立てて急いで降りる。

「見つかったから行ってくる!」

「いってらっしゃい」

見送る四人を背に傘とコートを左腕に持ち、エボに乗り込んだ。

「ルイ、お前あとで覚えとけよ」

〔な、何のことでしょう〕


車を二十分ほど走らせていると、雨宿りしている綺麗な女の子を見つけた。

前と後ろから車が来ていないのを確認し、サイドブレーキを上げ、ブレーキを踏み込む。

キュルキュルキュル、とすごい音を立ててタイヤが横滑りし、車が横に二回転ほどした。

車を停止させ傘とコートを持ち、その先ほどの女の子の元へ走る。

「沙夜さーん!」

「マネージャーさん」

「美月ちゃんから電話で帰ってこないって言われて、よかった見つかって。さ、車に乗ってこんな寒空じゃ風邪引くよ、服も濡れてるし」

沙夜さんの俺からしたら小さな体にコートをかぶせ、傘を手渡した。

服は濡れて半透け状態だし、これは目の保養に、いやいやけしからん。

「年中半袖のYシャツ姿の人には言われたくないです」

「どこでそれを聞いたんだか」

「こんな寒い時期に半袖のYシャツ姿の人なんて、彼方以外見たことがありません」

「そいですか」

「それで美月はなんていってたんですか?」

「沙夜さんと喧嘩していなくなっちゃったんだけど、場所しらないですか?って」

「なんで、彼方に」

「行く当てがないなら寮に来ると思ってたんじゃない?」

「そうかもしれないですね」

「ま、車に乗ってよ、一応今日はうちに泊まって良いから、こんな時間に女の子を一人にもできないからね」

「ありがとうございます」

優しく車までエスコートし、車の中へ入らせた。

運転席に座り、車を出すと携帯が鳴り響いた。

携帯を見ると相手は美月ちゃん、心配になって掛けてきたのだろうか。

携帯を通話出来るようにスピーカーにして、携帯を固定出来る場所に置いた。

〔もしもし?プロデューサーさん?〕

「おう美月ちゃん、どうかした?」

〔お姉ちゃん見つかった?〕

「うん、見つかったけど」

〔あ、私電話するタイミング間違えちゃった?〕

「うん、間違えてるね」

〔やらかしちゃったな~〕

「隣にいるから、話したかったら話していいよ」

〔ううん、大丈夫、また今度電話するね〕

「うん、一応今日は寮に泊めさせるから、ご両親に伝えておいて」

〔うん、わかった〕

電話を切り、横目で沙夜さんを見る。

何というか仲がいいんだなこの姉妹は。

「心配してるみたいだし、今日は家帰ってもいいよ?」

「いえ、今日は泊まらせてもらいます」

「うん、ならいいよ」



年が明け電話が入り、国外からの依頼要請が入ったという連絡が来た。

依頼人はフランス、ムーア魔法学校の学長からだった。

二年前突如として消えた、三ヵ国の一つそして俺とミスティが通ってた、魔法学校。

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