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インタールード -あなたは今大切な物がありますか?-  作者: 箱丸佑介
第四節:命を賭ける価値のある守りたい物
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秘薬を求めて:終

あけましておめでとうございます。

今年も箱丸をよろしくお願いいたします。

今日は投稿が遅れましたが、年越しまで家族ぐるみで飲んで、その家帰ってねたらこの時間になっちゃっただけです、すいません。


糸をたぐり着いた場所、廃墟に近いビルにたどり着いた。

「正面から、さっさとやろう、相手が女だろうが知ったこっちゃ無い」

気がつくと右手が強く握られていた、いつの間にか周囲に電磁波が放たれて、周囲の物が宙に浮いていた。

『死ぬまで守る』その約束だけは、絶対に果たさなくては。

中に入ると、強烈な異臭がした。

薬ではなく、この激臭は、死者の臭い、しかも一人じゃなく複数のしかも大量の。

「俺以外にもここに来た奴がいるのか」

死体のほとんどは銃火器を持っている、全身が切り刻まれ全ての血が体から抜かれていた。

「あら、随分と来るのが早かったのね」

瞬時にMS8を取り出し、正面にあった階段の上に構える。

「いい加減その格好やめたらどうだ?、似ても似つかないぞ?」

「ふふ、そうね」

「四人は無事なんだろうな、それにダイヤモンドの涙も」

「あるわ、でも、ただであげるとは言ってない」

女が右手をスッとあげると、倒れていた死体達が立ち上がった。

ふらふら、とういうより立っているのが不思議。

「どう?私の可愛い人形は」

「どうやら、捕まってるのは四人だけじゃないらしいな」

「そうね、最初は一人もいなかった死者ゾンビがいまはこんなにいるわ」

囲むように一歩、一歩近づいてくる、ゾンビに向け刀を向ける、鞘から刀を抜こうとしたが。

接着剤で、付けられたように抜けない。

「うそ、抜けない、やばい。え、このタイミングでかよ」

何度脆葉月を抜こうとしても抜けない、理由は分からないが、抜けないとなれば、別の武器を使うしかない。

背中に脆葉月を担ぎ直し、両後ろ腰からカッターのような刃の剣を取り出す。

「うふふ、私の所に来るまで死なないでね」

そう言って奥に進んでいった女を横目に、回りのゾンビに目をやる。

「あんたらに恨みはないが、こちとら大事な女の命が掛かってるんだ本気でやらせて貰う」

一度に飛び掛かってきたゾンビの頭を右腕で切り飛ばし、アンカーをあらかじめ付けて置いた剣を根元から外して飛ばす。

遠くで銃を構えていたゾンビの頭も、一度に横に切った。

くるっと一周して戻ってきた剣が自動でくっつくのをみて、再び腰にしまう、ながさてきには小太刀程度だが、切るには充分だ。

階段を駆け上り、先程女が行った場所に走るとドアを蹴破り中に入った。

「来てやったぞくそあま」

「随分とはやいのね」

「時間がないんださっさとよこせ、じゃないと半殺しじゃ済まさないぞ?」

「怖いわね、でも、そういうのは嫌いじゃないわ」

片足を踏み込み脆葉月の鞘の先で女の腹部を突く、気を失わない程度に。

女の脇に腕を入れ、倒れないように支えた。

「これで俺の勝ちだろう、さっさとダイヤモンドの涙をよこせ、命までは取らない」

「私を舐めない方がいいわよ」

「なめてないよ」

女から刺された刃物を手で抑え、膝で蹴り落とした。

「こんだけ綺麗なら、こんなことしなくても」

「自分が狙われてるって自覚があるのかしら」

「俺の首が欲しいなら、色仕掛けの方が効果があるよ?」

「なら、そうさせてもらうわ」

「え?」

「これが本物のダイヤモンドの涙、彼女達は奥にいるわ」

「随分とよく喋るんだね」

「時間が無いわよ」

「あ、忘れてた」

預かったダイヤモンドの涙をポケットに入れ、奥の部屋へ入る。

中にいたのは案の定、数え切れないような数の女の子たちがいた。

「これは一体」

「大輝さーん!」

見渡したときのんちゃんが走ってきた。

「のんちゃん平気だった?」

「はい、みんな大丈夫ですよ」

「ならよかった」

そう言ってのんちゃん頭をポンポンと軽く叩く。

デバイスを起動させ、人体範囲転送魔法の術式を打ち込んだ。

「んじゃ、ここにいる全員病院に飛ばすから、検査受けといてよろしく」

右腕でトンッと床を叩き、部屋にいた女の子を飛ばした。

「なんでこんなに女の子を集めてたの?」

「老けない薬でもってね」

「ま、そういうことにしといておくよ」

「そういえば自己紹介がまだだったわね、東城瑠璃よよろしく」

「和田大輝、よろしくね瑠璃ちゃん」

瑠璃ちゃんと握手をした、握手をしたときの瑠璃ちゃんの手は、少し冷たかった。


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