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インタールード -あなたは今大切な物がありますか?-  作者: 箱丸佑介
第三節:未来からの使者
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神奈川暗殺依頼編:弐:シュワちゃんに憧れた男

皆様は『理不尽』という言葉をご存じだろうか、俺は今、理不尽で気を失った舞姫と共に医務室で治療を受けている。

「先生、強さってなんですかね」

「どうしたの急に」

「いや、なんでしょうかね。僕ちょっと視線が気になって、日常生活に支障がでそうなんですけど」

しみじみと話していると、ベッドで横にしていた舞姫が起き上がった。

「ん、ここは」

「あら、起きたの舞姫ちゃんここは医務室よ」

「医務室?、あ、そっか私模擬戦で負けたんだっけ」

まだ記憶があやふやなのか、舞姫はぼーっとしていた。

「悪かったな、思いっきり突き飛ばして、俺は和田大輝だよろしくな」

「よろしくね、私は三神舞姫。大輝くん強いんだね」

「お前が弱いだけだよ、一割も本気出してないんだから、俺は」

「はいはい、二人とも話す元気があるなら部屋から出て行って、もう閉めたいから」

「はーい、行こう!大輝くん」

そう言われ手を捕まれて、部屋の外へと出る。

ちょっと待って!?、俺がちで殺されるんじゃない!?。

しかし予想とは裏腹に、先ほどまで出ていたおびただしい数の殺気は消え、部屋の外には誰一人として居なかった。

「舞姫、悪いんだけど手放してくれるかな」

「あ、ごめん私ついとっさに」

いや、本音を言うならもっと両手でその柔らかくて、すべすべの手を放したくはないのだが、相手は未成年ですから。

「いや、いいんだけど。それより、腹部痛くない?、手は抜いたんだけど結構勢いよく飛んでったから、心配してたんだけど」

「大丈夫だよ、私の方こそごめんね大輝くんの刀壊しちゃって」

「あぁ、大丈夫、それよりスリーサイズ教えてくれない?気になるんだけど」

冗談を口から放つと後ろからゾワッと殺気と寒気が。

「そんなこと聞いてどうするの?、上から・・・」

冗談だとわからなかった舞姫がスリーサイズを口走ろうとすると、いろんな方向から色々と雑音が聞こえてくる。

道路工事でよくあるガガガガッ、という音や急に鳴り始めたクラシック(なぜかサビだけ)、挙げ句の果てには爆発音まで聞こえてきた。

舞姫には聞こえていないようだが。

「お、お、教えてくれてありがとう、今度お詫びに服でも買ってくるよ」

「そんなに気を使わなくても大丈夫だよ!」

なんだかんだ当たり障りのない事を放していると、校門まで着いていた。

「じゃあ、私こっちだから!また明日!」

「う、うんまた明日、俺が生きてればだけど」

お互いに後ろを振り返って歩き出す、俺にこの学校で明日を生きる資格はあるのだろうか。

俺が歩いていると横をすごいスピードでバンが通った、スピード違反だろうが警察の俺の管轄外なので問題なし。

と、思っていると後ろから急ブレーキ急発進の音が聞こえた。

ぱっと振り向くと、そこには舞姫の姿がなかった。

あ、さっきのバンか(超速理解)。

「って、おいおい見過ごせないだろ」

辺りに乗り物がないか見渡すと、そこにはバイクに乗った若者がいた。

ワンジャンプでバイクから若者の蹴り落とすと、二百万ほど取り出して若者に投げた。

「それで新しいバイクでも買ってくれ、これ貰ってくから」

バイバーイ、と言いながらバイクを運転する、大丈夫こんなバイクなら二台は買えるはず、今度はアメリカンバイクでも買うんだな若者よ。

ウィンチェスターM1887を取り出し右手に持つ、俺ずっとシュワちゃんに憧れてたんだよね。(筆者:シュワちゃんやるならせめて銃はポンプ式っしょ)

と、くだらないことを思ってるうちにバンに追いついた。

バイクの座席に立ち上がりスピードが落ちないよう足で固定する。

狙いを定めタイヤを撃ち抜くが、タイヤはパンクしない、一瞬だけ思考を復活させると、パンクしてバンが横転したら、それこそ危なかったんじゃと我に返った。

バイクの勢いそのままにバンに飛び移る、バイクは遥か彼方で事故っていた。

(注:迷惑なので絶対にまねしちゃダメ!)

少々荒手だがバンを止めることに集中しよう、バンの屋根にフックを突き刺し、地面に飛ぶ。

靴を磨り減らしながら車のスピードを無理矢理落とす、なんとかして、ターゲット《舞姫》を守らねば。

ある程度スピードを落とすと、助手席に乗っていた男が拳銃を構え発砲してきた。

「ったくもう、なんでこんな体力切れの時に面倒事が起きるかな」

フックを持っている反対の手でMS8を取り出し、助手席の男の頭を射貫く。

銃をしまい親指を噛み切って、舞姫一人がでられるくらいのサイズの円を車体に書く。

「溶けろ」

ジュー、っと音と共に車体の円を書いた部分が溶ける。

舞姫を引っ張り出しバンからフックを放す、同時に舞姫を地面に下ろしブレーキを踏んで止まったバンを、天高く蹴り上げる。

「お前らの罪は、俺を怒らせた事だ」

クルクルと回りながら空を舞うバンに銃を取り出し、燃料タンクを狙い引き金を引いた。

「一つ貸しにしとくぜ、舞姫」

「う、うん」



「なぜ、わたしはいまここにいるのだ(ガクガク((((゜д゜;))))」

動揺が隠せないのだが、ミスティにシュワちゃん遊びしたバイクを回収させた後、舞姫に寮はどこに住んでるの?、と聞かれ。

え、寮は入ってないよ、と地雷を踏んだ結果、じゃあ、私と一緒の部屋に住もうよ、という甘い誘いにのってしまったのだ。

「人生初めての(二回目)女子の家で、まさか、同棲とは・・・」

命が危険にさらされたとき平均的な人の心拍数は、一分間に175まで上昇するそうだが本当だろうか。

心臓に手を当て心拍数をチェックする、あれ、全然心臓バックバクやないやんけ。

(筆者:そらね、あの学校の生徒蹴散らすくらい、赤子の手を捻るようなもんさ)

「なに一人でぶつぶつ言ってるの?、大輝くんちょっと怖いよ?」

自分が住んでるより格段にすごい建物を見せつけられ。

挙げ句の果てには自分しか住んでない寮と言われれば、それは人生の勝ち組か負け組かの差でしかないだろう?。

しかも使ってるのは二部屋とキッチンだけとは、お姫様らしいですね。

「もしかして、一緒に寝るときって添い寝してくれたりする?」

「んーどうかな?、私はいいんだけど」

「冗談だけど」

「私寝相悪いから」

OKなんかい!!、唯一の心配点寝相だけかよ。

「じゃあ、お言葉に甘えて」

あれ、舞姫って意外とちょろい?。

「それより、晩ご飯私が作ってあげるね」

「わーい、女の子の手料理だ!うれしーなー(棒)」

お姫様に関わらず、俺の知り合う女の子のって料理下手な子多いのよね。(恐怖)

「じゃあ、腕によりを掛けてがんばるね」


ストン、と舞姫が包丁を振り下ろすとまな板と切っていた魚の頭が、後ろにいた俺に直撃した。

「舞姫、もしかして、料理ってあんまりしない?」

「うん、いつもは青ちゃんが来て作ってくれるから、私が危ないからって」

「そうだね・・・危ないどころじゃないね」

「え?」

「やっぱり、お世話になるので晩ご飯は俺が作ります、本当に俺が明日を生きられなくなりそうだから」

「そう、言うなら」

ショボンと舞姫がわかりやすく落ち込んでいたが、流石に背に腹はかえられないだろう。

が、今にも泣きそうで怖いのだが。

「舞姫こっち来て、料理教えてあげるから」

大丈夫、料理は才能じゃなくて愛と思いやりと慣れだ。(最悪最後の『慣れ』だけあれば問題なし)

「ありがとう大輝くん」

一応俺も、昔は三つ星レストランの料理長をやってたんだ、殺人料理を作る女の子に教えるくらい大丈夫だろう。

(注:料理長は昔の話)

「まあ、だいたいのやり方は分かってるみたいだし、力加減だけ間違えなければ大丈夫だよ、多分」

キャッキャウフフとカップルみたいに料理をしていると、なんだろう、先ほどから再び寒気が。

風邪でも引いたかなぁ。

「どうかしたの?」

「ん、なんでもない」

パッパッと、料理を終わらせる、作ったのはベタにハンバーグ、作ってから思うのだが・・・カレーでよかった。

料理は三人前、二人分じゃなくて三人分作った理由は、舞姫にいままで料理を作ってくれていた女の子がこれから来るらしいので、だ。

皿を並べて器具を洗っていると、チャイムがなった。

舞姫が玄関に向かい戻ってくると、後ろに眼鏡で青髪の女の子を連れて来た。

「大輝くん紹介するね、この子が青井夏美ちゃんだよ!」

「舞姫さんどうしてこの人と一緒に」

「青井ね、よろしく、和田大輝だ知ってると思うけど」

「よろしくお願いします」

青井がぺこりと頭を下げていると、俺の携帯が鳴り始めた。

「あー、クソまたかよ。悪い!バイトで呼ばれちった行ってくるわ」

「うん、行ってらっしゃい」

電話の相手はミスティ、多分まだクレームがあるんだろう。


※次の日


「お前、目の下やばいぞ」

「うん、俺今日明日辺りに死ぬかもね」

トボトボと関根くんと歩いていると、後ろから高い声で話しかけられた。

「おはよう!大輝くん」

後ろを見ると元気そうな舞姫の姿があった。

「おはよう、すげぇ、頭に響くんだけど」

「昨日帰ってこなかったね」

「悪気がないのはわかるんですけどね、周りの人達の殺意を買うような事言わないで?」

「おい、和田どういう事だ」

「うーんと、昨日かくかくしかじかで。シュワちゃん遊びしてたら、あーなってこーなって。顔も知らない人から白い目で見られてるわけさ」

「は?」

「さようならー」

音速並のスピードでその場から去る、若干足首を挫いたが問題ない。

もういい、今日は学校休みます。

高台に登ってため息をついていると、海ほたる付近から水柱が立ち、中から円盤形の戦艦のような物が浮上してきた。

「あらら、これはやばいかもな」

独り言の最中、耳小骨が響き無線が入った。

〔大変だ、海ほたる付近からUFOみたいなのが現れた、どうすればいい?〕

「なんのためにそっちに副司令官がいるんだよ、一応海から近い順にシェルターに避難させろ」

〔わかった〕

「んで、こっちに指示をあおってきたって事はミスティは何やってんだ?」

〔随分とお怒りでな、しばらくはお前には会いたくないそうだ〕

「まぁいい、今はミスティのご機嫌取りより、国民の命だ。一応ミスティに神祇の三桁使うって伝えといてくれよ」

〔わかった、無理はするなよ〕

「俺が戦わなきゃ誰がこの国を守るんだよ、最低でもあと二年半はおちおち休んでもいられないだろ」

無線を切り腰巻きからM1911を取り出して、構えると、円盤からレーザーよような物が飛び、こちらを狙っていたのか右腕が肩から飛んでいった。

「ほんとに神祇の三桁使うことになりそうだな」


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