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ここまでのあらすじ

■ここまでのあらすじ


 装着者(ドライバー)に異能を発揮させる〈異物〉。その対策班に配属された久我には、大きな目的があった。不意な事件で余命一年とされてしまった愛娘を救うための、医療型の異物を探すこと。彼はパートナーの柚木と共に様々な異物関連事件を追いはじめたが、それはこれまで秘匿されていた異物の存在に注目が集まることにも繋がってしまった。


 異物の軍事利用を企むクォンタム社。異物の密輸で儲けていた指定暴力団、最上組。更に新興のマフィアであるマックスは、自らの父を殺された復讐のため、異物の力を利用して最上組を潰そうとする。加えて久我の元妻・涼夏は、異物の秘密を探る謎の男・八木と手を組み、独自で医療型異物を探ろうとし始めていた。


 久我の所属するエグゾア対策のために設立された災害予防局自体も、謎に包まれていた。初代局長の天羽智晶は何事かにより情報生命体となってしまった。結果彼女は柚木に椅子を譲り、主に異物関連で違法な動きをする組織を操ろうとしてきた。しかしそれに気づいた久我を害しようとしたことから、柚木は彼女を封印、予防局内のコンピュータから出ることを禁じた。


「彼女の力がなければ、裏社会の組織は完全に制御不能になる。だが、それでも、しなければ」


 久我は不安を覚えつつも、柚木の方針を支持するしかなかった。



■これまでの登場人物および組織、用語


久我  多目的型の異物、イルカを持つ。元工兵。災害予防局異物捜査班。

柚木  情報戦用の異物、スリーを持つ。久我の上司でありパートナー。

蝋山  災害予防局保安部主任。元歩兵。

古海  災害予防局調査部主任。元検事。


先生  天羽と柚木の師。重力研究の第一人者。

天羽  災害予防局の元局長。柚木の研究員時代の先輩。〈レッド〉により情報生命体と化す。

織原  柚木の元交際相手。ジャズピアニスト。故人。


涼夏  久我の元妻。自らを透明化するカメレオン装置を持つ。八木のパートナー。

京香  久我の娘。異物により余命一年とされる。


八木  異物を追う功利的な男。自らを分裂させる力を持つ。

八重樫 八木のコピー体の一つ。事故で死亡。

磯上  偵察型異物カメレオンのドライバー。予防局に確保された後、行方不明。

海坊主 ジョン・山下。近距離型異物のドライバー。予防局に確保された後、行方不明。


マックス 転位能力を持つ。殺された指定暴力団最上組前会長、印南の娘。

赤星  マックスの腹心。多目的型の異物を持つ。

室井  最上組の現会長。


輿水  久我の元上官。民間軍事企業PSI社の代表。〈レッド〉により情報生命体と化す。

桜井  久我の元同僚。PSI社のエージェント。〈レッド〉により情報生命体と化す。


災害予防局

〈エグゾア〉対策のため、十年前に天羽により創設される。局長職はその後、柚木に引き継がれる。


災害予防システム

十機の重力観測衛星により得られた情報から、天羽のみが知るアルゴリズムによりエグゾアの発生地・発生時間を予測する。


八木の組織

八体の八木のコピー+涼夏からなると思われる。八木の目的はインターセクションの探索にあるという。八木はその鍵と云われる、シャードを手にしている。


クォンタム社

国内最大の軍事企業。異物能力のコピーを目指し、人体実験の末にカメレオン装置を完成させる。その目論見は久我と涼夏に暴かれ、現在経営危機にある。


最上組

国内最大の暴力団。会長の印南はマックスの父を暗殺し、実権を握った。


マックスの組織

新興マフィア。彼らは異物の力をかなり把握しているらしいが、その謎については興味がなく、目的はあくまで最上組の壊滅にあるらしい。しかしマックスの瞳には、エグゾアの謎を解く鍵と云われる、シャードが宿っている。


パシフィック・セキュリティー・インターナショナル(PSI)

久我の元上官、輿水による民間軍事企業。天羽の支配下にあったが、久我とマックスにより壊滅させられる。


エグゾア

十年前から発生し始めた、直径数十メートルから数キロの球状に空間がえぐり取られる現象。地球上で年に千件ほど発生が確認されており、その前兆として重力異常が観測される。エグゾアの痕跡には、溶鉱炉から出る滓、スラグとよく似た性質の残骸に覆われている。


異物

エグゾアの痕跡から発見される物体の総称。


ウェアラブル・デバイス

異物の一つ。通常、歪んだ金属にレンズ状の物体が埋め込まれた形状をしている。何らかの意図により、自らの性能に適合する人物に融合する。その能力は主に戦闘用らしく、近距離型、中距離型、狙撃型、偵察型、多目的型、情報戦型、後方支援型、医療型などが確認されている。エネルギー源は〈情報〉。


近距離型

射程一メートル程度の衝撃波を発し、触れた物を分子以下に分解する。また全身を覆うシールドを発生させられる。海坊主が四型を装備する。


狙撃型

光る矢を放ち、ロックオンした対象を追跡、攻撃する。射程数十メートル。


偵察型

光学的・電磁波的にドライバーを透明化する。クォンタムのカメレオン装置に応用され、製造された三台のうち一つは涼夏が持ち、一つは輿水が使用したが破壊された。残る一つの行方は不明。


多目的型

電磁波の発生、磁場の生成、分子合成などの基本機能があり、それを応用し、プラズマ、万能細胞ジェルなどを生成出来る。久我は六型、赤星は三型を装備する。


情報戦型

高度な情報処理能力があると同時に、子機を対象に潜入させ、その全ての情報にアクセスする事が可能。柚木が三型、輿水が四型を装備する。四型は性能が向上し、子機を潜入させた人物を操れる。


後方支援型

触れた物質を複製出来る他、ドライバー自身も最大八体まで複製出来る。しかし質量までコピーするためには膨大なエネルギーが必要なため、通常は対象を複製ではなく分裂させる事しか出来ない。八木が装備する。


シャード

異物の一つ。インターセクションへ至る鍵だという。シャードと融合した人物の一人は、瞬間移動の能力を身につけた。


レッド

異物の一つで、ウェアラブル・デバイスと外見がよく似ている。しかしガラス体がブルーに光るウェアラブル・デバイスに対し、レッドは赤く光る。レッドに寄生された者は精神を支配され、エグゾアに飲み込まれようとする。それが叶わなかった場合、マーブルと化す。


マーブル

レッドに取り憑かれた人物の情報全てが詰まった物質。マーブルは情報戦型のウェアラブル・デバイスに装着可能で、その内部で情報生命体として駆動されうる。


ヴォイド

北欧の五カ所から発掘された謎の物体。柚木はこれを、重力そのものが具現化したものだと考えている。


インターセクション

八木によれば、〈エグゾアの謎のすべてがある場所〉。


エグゾア文明

異物を作った存在による文明。酷く荒廃した世界らしい。

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